
ディーラー撮影。画像は左側のみ。シリンダ本体はカバーの奥に隠れています。
これが左右各1あり。左右は品番違いで、計2本必要。

油圧の閉回路というのは、直せば直しただけ圧力がしっかり掛かるので、その次に弱いところから順にまた漏れていく。全部のシールがしっかりしているときだけ、漏れが起きない。
私が乗り始めて最初に漏れが発生したロールバーシリンダ(A2308001872)x1本OHの際に、漏れていないシリンダも合わせて全11本を一斉に交換すれば部品代も工賃も時間もすべて節約できてよかったのだが、当時はそういう感覚が全然なかった。
シリンダが11本もあると知らず、そういう油圧シリンダが順々にシール寿命がくることも分かっていなかった。
なにしろ太古車R107の幌はフル手動で苦労知らずだったし、ベンツのメカは頑丈なのが当たり前としか思ってなかった。
まさかベンツの油圧電動オープンカーに乗っていて、重要部品に寿命がきたのに「世界中に在庫ありません」などと低次元の苦労をするとは、夢にも考えたことがなかった。
それより何より、だいいち今頃わたしはもう、この世を去っている予定だったしね。
ほんと10月中旬から急に寒くなってしまったことで、全ての計画が狂ってしまった。
2023年10月にロールバーシリンダx1本を交換、2025年の8月にトランクリッド駆動シリンダx1本を交換し、今回11月はトランクフレームロックシリンダx2本だから、残りは7箇所。

図を見るとフロントロックシリンダ以外は左右2本ずつの構成。つまりオイル漏れ修理はmaxあと4回くるなと分かる。そのたびに部品代+分解組み付け工賃が4回分。
SLに乗ってるかぎり「屋根あけない(=直さない)」という選択肢はないので、漏れたら交換するしかない。あとは私が余命を生きてるあいだに何回くるか、だけの話だな。
今回のトランクフレームロックシリンダは、2023年のロールバーシリンダのときと同様、日本にもドイツにも純正新品の在庫がなかった。
ディーラーでは部品が手配できないため、私が自己手配することになった。
前回は「それって、ど、どーすんだよ!」と目の前が真っ暗になったが、1回やったら免疫ができた。
もう今回は私も、ぜんぜん途方に暮れたりしない。「あっ、そう」ぐらいな感じ。慣れたもんだね。
それに今回はツテを介さず、私がUSAオレゴンのOH業者と直接やりとりして、取引してみたかった。
思ったよりHPの出来がよく、また特に相談したい詳細や不明点もないので、ただ商品を選んでカートに入れ、配送オプションを選んで決済するだけの、普通のwebショッピングで済んでしまった。
直接購入してみて分かったのは、今回たまたまかもしれないが、FedExの配送が驚異的に早かった。
特別なクーリエ便でも何でもなく、一番安い普通のFedEx International Priorityで木曜夜に発注して、月曜AMにはもう手元に配達された。

これなら、今後またディーラーに新品在庫がないシリンダでも気軽にOH品を手配できそうだ。
こういった油圧シリンダなんかは、新しい素材のシールリングでアップデートされたOH品の方が純正より安価かつ高性能。少なくとも業者はそう主張している。
であれば20年前の基準で作られた純正部品の、倉庫で何年寝かされたか知れない在庫品を使うよう強制されるよりも、在庫がなくて自己手配するほうが、車の健康のためには有り難いんだけどなあ。
しかしディーラーというのは急な故障とかあれば点検入庫で融通きかせてもらうこともあるし、高価な在庫部品を買ってあげたりのお付き合いは、どうしても必要だ。
修理というのは車と部品を一緒に並べたら勝手に直ってくれるわけじゃなくて、その間にどうしても人間の手作業が必要だからね。
お金の都合だけで、ものを言ったり考えたりしてはいけない。
それよか今年一杯で定年退職しちゃう今のベテランディーラーマンがいなくなったら、一体どうしよう。そのほうが問題だ。
とりあえず来週11/18(火)に修理入庫の予約が取れたので、3日ほど預かってもらうことになります。
21(金)に無事、あがってきたらいいな。
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