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2023年10月31日 イイね!

近況23.10

さて9/4にディーラー入庫し、9/13にUSへ送ったロールバー油圧シリンダーはOHが終わり、10/17にディーラーへ届けることができた。長いあいだストップしていた作業は再開したが、元々の車検入庫と併せ依頼していた内装補修関連も難航しているようだ。現在10/31時点ではまだSLが戻ってこないが、ディーラーいわく「週内には仕上げる見通し」とのこと。


かれこれ2ヶ月も居座ることになろうとは思ってもみなかったが、つまり週末は出掛けないで家で待機し、作業完了の連絡があり次第すぐ引取りに行き、工場スペースを空ける必要がある。残念だが文化の日11/3~5の週末三連休は、旅行に行けなそうだ。だがようやく仕上がったSLで、日帰りドライブ程度は楽しめるだろう。


ところで10月をどう過ごしたかといえば、ただ待っていても仕方ないのでR230からの乗り替え候補について何となく考え、BMWの220iかベンツC180のカブリオレあたりが現実的な着地点かと絞り込んでみた。どちらもアダプティブクルーズの設定があり、いまの駐車場にラクに入るサイズのオープンカーだ。


正直いって私のR230は、買った値段を考えたら常識はずれな整備修理費用を掛けているが、そうかといって手放すときに元が取れるような金額で買い取ってもらえるとは思っていない。しかし内外の「お掃除」や整備/修理/アップデートなどは、いま私が乗るために必要だから手間とカネをかけている。


カーセンサーやグーネットなど覗いてみるといつも同じ顔ぶれの車ばかりなことに驚く。安いのにいつまでも売れ残っている状況からの想像だが、下取りや業者オークションでかなり安く買い取ってきて、多少なりともお金をかけたのだろう。だから再び業者オークションには流せないのだと思う。だが店頭の実車は恐らく大したコンディションではなく、だから売れもしないまま何年も居座っているのだろう。そんな店頭屋外に長年放置された車両のコンディションなど、だいたい想像がつく。永遠の不良在庫という感じだな。

そんな中古車市況を考えれば私の車も、R230というだけで買い叩かれるだろう。つまりSLの売却金額はあてにしない前提で、もし次に買い替えるとしたら何よりも、まずは手頃な値段の車であること。


そこで週末毎に、買い替え候補を外車レンタカーで借りて旅行にいき、長距離長時間を妻と一緒に走って意見交換もし、しっかり検証してみた。


BMW220iのレンタカーはアダプティブクルーズ無しだったが、それ以外は充分に確認ができた。私はBMWのATスポーツモードの俊敏さが大好きだ。駆け抜ける喜びを存分に味わえる。トランクは天地が浅く奥行きが深い。これは私達には使いにくい形状だ。趣味の道具を運ぶハードケースを入れる際に、並べにくいし取り出しにくかった。かといって荷物をリヤシートに置きっぱなしにするのは、あまり安心できない。外から荷物がまる見えというのは相手が犯罪者でなくとも、つい余計な出来心を誘ってしまうものだ。20年以上に及ぶオープンカー生活で自然と防犯予防意識が身についてしまった。後席のヘッドレストは自分で取り外すことができ、無いほうが見た目はスッキリする。もし自分がこの車を買ったら、あとは後席カバーを兼ねてドラフトストップを装着するだろう。車体はコンパクトで扱いやすいが、4座なだけあってホイールベースは長め。おかげで少し胴長短足スタイルだが、その代わり小さい車のわりに不快なピッチングが少ないのは多分そのおかげだろう。

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分厚いズン胴ボディなので、もし私がこの車を買ったらM2イメージのボディキットやカッコいいホイールなど装着して、かなりアグレッシブな外観に仕立てることもできそうだ。一番おとなしい上品なのは純正Mスポーツのキットかな。BMWも分厚いズン胴ボディは気にしていて、なんとかそれをクビレボディに見えるよう視覚的ゴマカシに苦労しているのが分かる。マツダロードスター/SLK/Z4などのオープン2シーターだと前席の後ろに脱いだジャケットやコートなど置くスペースさえなく、またトランクも小さすぎて私の生活スタイルではとても使えない。それらの代わりに、こういった小ぶりな4座オープンを「大人のロードスター」という感じで使いたい。

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ベンツC180のほうは代車で馴染みのある普通のCクラスと同じで、ただ屋根をあけるスイッチがついているだけだ。トランクは天地奥行きともに使いやすい形状で、ベンツらしい実用性が確保されている。荷物の置き場所としてリヤシートをあてにする必要はない。すべてのコントロール類はどの時代のベンツにも共通するロジックで構築されており、ベンツに乗り続けてきた人には分かりやすく、使いやすい。
後席ヘッドレストは自分で外すのが難しそうだ。横転時のロールバー機能があればディーラーでは取り外すのを嫌がるだろう。どこか社外に頼んで外してもらう必要がありそうだ。これは面倒。

この車もやはり4座なので胴長短足スタイルだが、ベンツはAMGでさえ派手なエアロがないので、外観はあまりいじる余地がなさそうだ。

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DTMみたいに過激な社外品のワイドボディキットならあるが、過激すぎて滅茶苦茶に恥ずかしく、とても日常使いとして近所を走り回れない姿になってしまう。このあたりがBMWと違って、いじった途端イッキに「ド」下品になってしまうところが、ベンツは難しい。

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ただ問題は、もともとどちらの車も外見が全然わたしの好みではなく、またどちらの車も左ハンドルの設定がないことだ。


実は今のSLを手放して同じR230で左ハンドルへの買い替えもずっと考えてきたのだが、最近やっと内装ベージュ左ハンドルの中古車が現れた。しかし黄ばんだライトカバーやシワ/ヒビの目立つ運転席シートや薄汚れた助手席ほか内装などを見た途端「これを買ったら外装/内装/機関/足回り/オーディオに、また最初から何百万と何ヶ月もの手間暇とお金をかけ、前と同じ業者さんにまた脱着/組付けの同じ面倒も繰り返して・・・」と苦労の道が見えてしまうと正直オエ〜ッ!と激しい吐き気がして、とつぜん正気を取り戻したというか目が覚めたというか、2023年3月購入以来の浮かれたような熱がスーッと冷めた。


自分が好きで選んだ車に、普通に乗ろうと思って「ついうっかり」整備修理に大金をかけてしまったが、R230という車はそこまで執着して買い替えてフルレストアしたって、将来クラシックと呼ばれるほどの値打ちが出る車ではなさそうだ。

「上品でカッコよかった最後のSL」ぐらいの地位は、得られるかもしれないが、私はただ本当に普通のカッコイイ中古車として、調子よくキレイな状態に戻して乗りたいだけだったのに。


今年の3月にR107を手放してからというもの本当は、他に乗りたい車などなかったのだ。だからお金持ちでもないのに狂ったようなお金の使い方をして、恋が芽生えるかと期待したが、そんなことは起こらなかった。

だが、長く付き合えば愛情は湧くだろう。R230は今どきなかなか見かけないほど奥ゆかしさを身上とする、いかにも「良家の」といった風情の最後のSLではある。目つきもヤブニラミだったり下品なツリ目だったり、あるいはカピバラみたいな顔でもないしね。

むろん品質は文句なしに低い。だがそれは「ベンツにしては安っぽい」という意味で、今までが宇宙船みたいなオーバークオリティだっただけ。そういうクルマづくりが唯一の正しい方法と思っていたような自動車メーカーだった。

なにしろ世界で唯一「我が社には自動車を発明した責任がある」と豪語したメーカーだ。自動車の生誕100年を自社の記念キャンペーンとして祝ってしまい、よそのメーカー全部から「なんだあの野郎は!」と怒りをかったが、しかし誰にも文句を言わせなかった。「最善か無か」なんて大袈裟なことを言っても、何となく説得力もあった。単にベンツの行動規範はこうだと言ってるだけなんだが、ヒガミ根性の人からは「ベンツ以外は無」と言ってるように誤解され、そういった物言いも大いに嫌われた。


それが日本で1993年にバブルが弾けきったあと、2008年リーマンショックで北米市場も致命的な世界的不況。R230という車は開発期間中だけでなく2001~2011の全生産期間を通じて、ずっと不況の影響から逃れられなかった。


世界中のリッチマンが元気なくなり、リッチマンしか買わないクルマが他の安物グルマに販売面でボロ負けに負けて、不慣れなコストダウンを一気に推進した結果として品質ガタ落ちになってしまった。


ディーラーや本国にあるスペア新品だって、そんな時代の設計思想とクオリティで生産された部品でしかない。まあベンツだから一度交換したら10年ぐらいはもつと思うけどね。そうこうしているうちに別の所も寿命がくる。

昔のベンツはそういう寿命がきた部品を交換しながら長く乗り続けるクルマだったが、いまのベンツはどうか分からない。昔と同じ感覚で部品寿命だけはやけにハッキリしているが、ただ単に際限なく寿命部品を交換し続けながらだんだん劣化していくだけの、普通のクルマかもしれない。昔のベンツと違って、修理から戻ってきたときのありがたみというか感動が、どうにも薄い。薄っぺらいというか、R107のようなドッシリとした城壁
のような安心感が丸っきり存在しない。


古いベンツの凄みと感動を20年以上も味わってきただけに余計、
今がこんなにツライと感じるのだろうか。それはもう正直わからない。同じメーカーの車が世代違いで設計思想そのものがこんなに違う/変わってしまったとは思いもよらなかったが、本当にまったく違う価値基準で作られた車。ただ言えるのは、R230に乗り始めてからずっと、こんな感じでいつも自問自答を繰り返すということは、とてもドンピシャ/ベストな買い物だったとは言えない気がする。そう認めるのは耐え難い苦痛だが、事実はそうだ。

しかし、ほかに乗り換えたい車が、まったく存在しない。無理矢理ようやく選んだのが前期型のR230だった。


そう考えたらもう今の私の車よりコンディションのよいR230前期型/内装ベージュ左ハンドルの中古車は出てこないと諦め、買い替えの検討もやめます。気に入らない部分が分かっており、今後も気になりアレコレ手を尽くしてみるだろうが、たぶん理想どおりのものにならないことが分かっている車に、無尽蔵にお金を掛け続けることが趣味だとか生きている証だとは思わない。


無駄なことで資産を減らす=私の人生の残り日数を無駄に削っている、ということだ。


あと2年ぐらいは妻と幸せな生活を心ゆくまで楽しもうと思っているが、調子にのって車なんかに金をかけすぎると、私の旅立つ日がどんどん前倒しになってしまう。もっと気を付けないと。


私はどうも、何に対しても「ついうっかり」で深みにハマリやすいところがあぶない。
トコトン手を掛け甲斐があったR107とは全く異なり、どこまで手を掛けたって恐らく理想のものにならないR230とは、もっとユルく適当に付き合っていかないと。

車を乗り換えたら自分のマインドセットも変えないと、不満ばかり目についてしまう。
違うものを同じモノサシで測っても仕方ない。同じ時計だといっても自動巻きの
機械式腕時計と、電池で動かすクオーツ式腕時計を比べられないのと同じ。


まさか21世紀というのはベンツがクオーツ式腕時計みたいな車を作る時代なんだとは思ってもみず、20世紀感覚のまま知らずに買ってしまった。単に、そういうことだ。

現実を直視し理解し、どうしようもなく逆らい難い時代の流れに気付いた途端、一気に老け込んだ気がした。ますます、この世に未練がなくなった。

Posted at 2023/10/31 08:08:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 雑感 | 日記

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