
筑波サーキットTC1000とTC2000の両コース、あとおやまは榛名と妙義でナンカンCR-Sのグリップやフィーリングを確認して来ました。
車両:ポルシェカレラS(991.1)
ホイール&タイヤサイズ
F:10J-19, 275/35R19
R:11.5J-20, 325/30R20
TC1000:気温22.2度、路温35.3度、気圧1008hPa
TC2000:気温28.2度、路温45.7度、気圧1006hPa
●装着直後乗車時の印象
A052のような、転がり抵抗ゼロ感のあるプレミアムコンフォート感は無し。ただ格安アジアンのようなゴリゴリ来る感じはなくそこそこスムーズ。
●パターンノイズ
アジアンとしては少なめ。良い路面では結構静か目。
●ドリフトコントロール
意図的なドリフト走行ではないが、慣性でドリフトしてしまった場合の流れ出しが71RSやA052に比べて緩やかでスムーズ。A052/71RSより滑り出す直前からの音も大きいこともあり、察知早めで分かりやすく、コントロールしやすい。
●グリップ走行(総評・・・あくまで素人の感想です)
★市街地・峠ユース
十分過ぎる性能。コスパが非常に高くとてもおすすめ。
市街地では急な飛び出し等あっても最高レベルの制動性能。
峠レベルの低μ路面では榛名・妙義で確認。峠で熟練者レベルの方々について行っても余裕十分で全く破綻する様相を見せない。
但しウェット性能とTW200だが耐久性はまだ未知数。
★サーキットユース
・縦グリップ
かなり優秀でA052といい勝負になりそう。制動方向だと互角の可能性あり、もう少し継続確認が必要。
・横グリップ
絶対グリップはA052や71RSに比べると劣っていてボトム低下は避けられない。しかしインフォーメーションがかなり豊富で分かりやすく操作性は優秀。
・ナナメグリップ
減速時かなり優秀。加速時はアンダー目に外に逃げる感あり。
結構剛性感があるので減速時のフロントのようにしっかりつぶして行けばかなりのグリップを発揮するが、低荷重でコンパウンドでグリップする感じではない。
・今回初走行で少し特性が分かり、使い方を変えての確認も必要。実は化けることもあるかも??
・ボトムを高く保てないのでTC2000の1コーナー、両ヘアピンのようなクリッピング「ゾーン」があるようなコーナーは苦手(要は2000には向いてない?w もてぎとか本庄とかにめっちゃ合いそうな予感)。ラインは少しV字めに、また制動初期ではしっかりタイヤをつぶしつつも挙動変化が少なくなるよう制動Gのコントロールをするなど性能を引き出すための工夫が必要。
●筑波でのA052とのロガー比較
※異なる日の異なる条件での比較となります。
※フロントタイヤはサイズ同じ、リアタイヤはCR-Sが40mm幅広タイヤです。
※CR-Sは22年1月製新品、A052は20年1月製中古です。
★TC2000
赤:CR-S 4/22 気温28.2度、路温45.7度、気圧1006hPa 1:04.1
青:A052 4/02 気温09.2度、路温25??度、気圧1029hPa 1:02.8
条件が違い過ぎて微妙ですが、青は一番最近走って気温が一番高かったときのデータです。
総評:気温、気圧ともに大きく悪化、最高速なんて6km/hも落ちて2ヘアでコンマ2以上失う不利があったのに1.2秒落ちと中々の結果。
制動は互角、コーナーで横グリップが足りずボトム低下。
【セクター1】

①加速でA052時の方が優れているが、気温・気圧によるものでタイヤ性能関係なし。
②減速Gは同程度。1ヘアの減速(右の②)ではCR-Sが鬼ブレーキング出来ているようにも見えるが、これは流石にラジアルで1.6Gは出ないのでは?

と言うのと車載で見ても舵角等に差がないためちょっとデータに疑義あり保留。
③1コーナー、1ヘアのボトムが、CR-Sの方が3~4km/h程度遅い。横グリップはA052に分があり。
【セクター2】

④ダンロップ進入の差は操作を変えたため。CR-Sでは早め、弱めのブレーキでボトムを高めることに成功(但し0.13秒ロス)。
⑤80Rは④の効果もありCR-Sの勝利。クリップ付近でA052はアクセルちょい戻しなのがCR-Sは戻し気味程度で通過に成功。※リアタイヤサイズ違うので参考程度
⑥2ヘア進入で前走車がいたためCR-Sの方がブレーキングが早くてロス。タイヤ関係なし。ちなみにここは0.25秒もロスってしまい、仮にクリアだと3秒台に入り、A052とCR-Sのラップタイム差が1秒程度になっていたと推定。
⑦2ヘアのボトムはCR-Sの方が3km/h遅い。
⑧加速でA052時の方が優れているが、気温・気圧によるものでタイヤ性能関係なし。
【セクター3】

⑨最高速が違うが、減速Gは同等。
⑩最終コーナーのボトムもCR-Sの方が3km/h遅い。しかし100Rのクリップを取った後、90R進入でセンターに出るようなV字めラインにすることで加速に勝る。
★TC1000
赤:CR-S 4/22 気温22.2度、路温35.3度、気圧1008hPa 39.7秒
青:A052 4/09 気温14.5度、路温19.4度、気圧1019hPa 39.2秒
総評:気温、気圧ともに大きく悪化しているのに0.5秒落ちと中々。
制動は互角、コーナーで横グリップが足りないのはTC2000と同様。以下の②のようにドライビングを変えることでまだCR-Sには伸びシロある感あり。

1000もほぼ2000と同じことが言えると思います。
①1~2コーナーのようにベターっとコーナーリングするセクションは中々A052と同等の横グリップが無いためCR-Sはボトムが低くなってしまい、取り戻すのが困難。
②1ヘアは思い切ったV字作戦でトータルの区間タイムはほぼ同等に。
●サーキット走行後の摩耗測定
TC1000を1本、TC2000を1本、合計2本走った後のタイヤ表面の様子です。負担のかかる左側タイヤの状態です。
★左フロント

流石に気温28度、路面温度だとかなり夏に近いので若干ドロっとしかけてますが表面はかなりキレイ。
★左リア

ブロック角とかかなり形状が残っており、むしろセンターとかA052の方が一発でナナメに削れてしまったので優秀かも。タイヤカスは付きにくい方だと思います。
★摩耗測定
履きっぱなので、高速・一般道130km、走行2本(50km)走行後(After)の残溝を測定しました。Beforeは新品未使用時の測定結果です。数か所測って平均を取っていますが、タイヤカスも付いてますしミリ単位は流石に合ってると思いますが0.1ミリ以下の桁は、誤差を多分に含む可能性があります。

走行本数目安は、今回2本走っての減り(往復の高速・一般道も含んでいます)を元にした、比例計算でだいたい何本位持ちそうかの目安です。そもそものデータ誤差だけでなく、駆動方式、出力、アライメント、使い方によって全然異なると思いますので話半分でご参考ください。
※特にセンターの走行後の計測値はブロック角にタイヤカスもあり怪しい気がしています。

※リアタイヤは、12本程度走ったら、アウト側はスリックになる予定になりました。元々4mmもない浅溝で、わざと早めにスリックにしてタイムを上げてくれる作戦??w
長々と済みませんが以上です!!
と言うことで、条件の違う比較、素人の戯言でお目汚し失礼しましたが、諸条件を加味した上で何らかのご参考になれば。