以前から何度かお伝えしているポルシェ開発のバイオ燃料、いよいよ
プラントの起工式が行われたようですね。チリのエネルギー大臣が列席しているので本気のプロジェクトのようです。
前回の記事の予定通り、2022年に約13万リットルのeフューエルを生産する予定で、その後はプラントを拡張し、2024年までに約5500万リットル、2026年までに約5億5000万リットルの生産予定だそうです。
来年生産の13万リットルというのはどれくらいかと思ったら、我が家のミドリーヌ号が現在まで給油したのが401回で通算15611リットルなので、10台分にもなりません(爆)。普通の車でしたら(爆)、月に1回給油で1回40リットル程度だとすると、年間で約280台分というところでしょうか。微々たるものですね(苦笑)。
それでは2026年の5億5000万リットルはどうかというと、少し前の国土交通省のデータですが平成28年度の全国のガソリン消費量が513億リットルなので日本全国の消費量の1.1%といったところです。90台に1台分という感じです。5年前よりはハイブリッド車の割合も増えているかもしれないので、令和3年ならガソリンの消費量はもっと減少しているでしょうし、2026年ならもっと減っているでしょうから30台に1台分くらいになっているかもしれません。
多分これくらいの生産量なら、世界中のポルシェが消費するガソリンは余裕でクリアーしそうな感じがしますし、ゆくゆくはVWグループの他の高級車にも供給しそうですね。
このe-fuelは85%のカーボンニュートラル効果になるそうなので、例えば911GT3の4Lエンジンでしたら600cc相当のC02排出量となる訳です。十分エコですし、当然現状のEVよりもトータルでのCO2排出量は少ないです。一般車両に使用すると、例えば2Lターボなら300ccターボ相当になる訳ですし、かなりの削減効果だと思います。軽自動車でしたら99cc相当ですから、郵便屋さんのスーパーカブやピザの配達バイクと変わらないレベルですね。
何度もしつこいくらいに出している図ですが(爆)、現状でもBEVのウェル・トゥ・ホイールのCO2排出量は最新の内燃機関とドッコイドッコイで、電力の稼働状況によっては内燃機関よりも悪化する場合もある訳です。そう考えるとe-fuelの85%のカーボンニュートラル効果は内燃機関が22.5g/KmになるのでBEVより圧倒的にエコになるのが分かると思います。BEVによるカーボンニュートラルは、現状よりはるかに再生可能エネルギーの配分を増やさないと絵に描いた餅になってしまいます。
更に重要な事は、
①バイオ燃料ならば現行車両に使えて即座にカーボンニュートラル効果が出るため、EVの製造時に消費されるCO2が不要となり、EVへの代替えの必要性も薄れる
②現行のガソリンスタンドのインフラがそのまま使えるため、給電設備などのインフラ投資が要らない
③プラントでの生産が可能なため、国内生産が出来て輸送コストも削減出来る
などの利点もある事です。先進国なら充電インフラも今後どんどん整備されていくでしょうが、発展途上国はそうもいかないでしょうから、バイオ燃料の普及もCO2排出削減の一つの可能性と考えても良さそうです。
ポルシェのe-fuelは何故かチリで生産されるので輸送コストはかかってしまいますが(爆)、製造コストも含めてどれくらいの価格になるかが決め手ですね。
リッター200円なら全然問題無し、リッター300円でも許容範囲でしょうか。それに、CO2排出削減は喫緊の課題ですから、こうした燃料に対してはEVの購入時の優遇税制のように政府が補助を出すべきです。そうすれば一般の方でも普通に使えるコストになるのでは、と思います。
まだまだ先の話ですが、ポルシェの思惑通りに行くのか、興味津々ですね。バイオ燃料がもっと進化して100%カーボンニュートラルまでいくともっと良いですね。
Posted at 2021/09/14 12:07:26 | |
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