2022年09月16日
キャッシュレス決済で利用者の増えている●●ペイ。
これに給料を振り込めないかという審議が労政審で行われています。
労働政策審議会とは?
労働関連の法例を改正するには厚生労働大臣が決めることになりますが、大臣なんて時の人。専門家ではありません。
なので、法改正などの必要性が生じたときは、大臣は労政審に諮問する必要があります。
ということで、現在、給与の支払い方法について審議されているわけです。
で、何が問題になるのでしょうか?
そもそも●ペイとか信用でけへんねん!!
という声は置いておいて、給与の支払いは日本の法律の労働基準法では
①労働賃金の全額払いの原則
②労働賃金の本人直接払いの原則
③労働賃金の通貨払いの原則
が定められています。
①については
「お前この間皿割ったから給料から天引きな!」
ということができず、必ず全額を支払わなければならないという規定です。
但し労使間で労働協約で適法に定められている場合や、社会保険などの支払い義務のある費用の控除は認められます。
②については
「おかんに金借りてるから給与の一部(または全額)をおかんに払っといて」
ということができず、必ず本人に全額を支払わなければならないという規定です。
なので、借金取りの萬田銀行が会社に来て、借金返済滞ってるからこっちに払え!と言われても、まずは本人に支払わなければいけません。
なので「ミナミの帝王」などの闇金ドラマは給料日を待ち受けて金を分捕ってるわけですw
③については
通貨、いわゆるお金での支払いということです。
現金で払わなければいけません。
「え?うち銀行振込だけど?」という人が大半でしょう。
これはさすがにこの時代に全社員に現金で払ってると、毎月銀行も大変だし会社も大変だということで、銀行口座振り込みを可能とする労働基準法施行規則での規定が存在するわけです。
この規定は
「本人の同意がある場合は本人名義の銀行口座に振り込むことができる」
となっています。
「え?いつ同意した??勝手に振込にされてるで?」という声もあるかもしれませんが、入社時に銀行口座の払い込み書類を書いている又は通帳などのコピーを提出していますね。あれで代用となっているわけです。
とすると、●ペイも本人同意があればいいんじゃないの?という論議です。
が、通貨、銀行振込、は給与を得たら何にでも自由に使うことができます。
一方で●ペイはまだ制約条件が多々あります。
支払に使えないケースも多く、また携帯端末が無いと払えない。使えない店もあります。
現金の使えない店は妙ちくりんなとこでない限り、一般には無いという解釈です。
そういう点で、「通貨」とは認められないのではないのか?という点が問題になっているわけなんですね。
まあ、なんでこういう案が出てくるの?という疑問のほうが大きい審議。
誰ですかね。どうせ、こういうことできるようにしたら国民喜ぶだろ~とでも軽く考えたのでしょうか。
●ペイを「通貨」と同等と認めるまではまだまだ先は長そうに思うのですが。
給与も実はこういう深い規定により守られているんです。
Posted at 2022/09/16 19:44:32 | | ニュース