
えー、すでに前回ご報告しましたように、ウチの365BBはクラシケ取得に向けてコーンズに入庫中です。今回は、「クラシケって何?」「何のためにわざわざ取るの?」という辺りについて書こうと思います。
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フェラーリ好きな方はご存じですが、フェラーリにはそのヴィンテージモデル(生産後20年以上対象)やスペチアーレ、あるいはレーシングモデルを対象に、そのオリジナリティやコンディション、素性を調べ、鑑定書を発行するという、いわば「メーカーお墨付き」を与える「クラシケ」というシステムがあります。
早いもので、購入からもうすぐ3年が経とうとする我が365GT/4BB。愛車のS/N18431は、1975年モデルなので、今年で40年の節目となります。手に入れたときから、いずれは・・・と思っていましたが、生産40年の区切りに、今年申請しようと決めました。ここ最近の価格高騰で、いずれ取得するのも値段が高くなりそう、ということもありまして(^_^;)
※取得にかかる費用はモデルによって違いがあり、希少かつ高額なモデルほど時間もお金もかかります(汗
取得に際し、特に年式の旧い希少車種やレーシングカーなどの一部は、実際に車両をクラシケに持ち込み、徹底的にコンディションをチェックし、必要があれば純正パーツを使って修復したり、場合によっては大がかりなレストアまで行われるケースもあります。こうなると時間も数年単位、費用は数千万(あるいは億??)といったところでしょうか(滝汗
一方BBやディノ、テスタ等のクラスになると、各国の正規ディーラーにおいて各部のチェックを受け、写真等の資料をクラシケに送り、審査されてOKであれば取得、ダメ出しが出た場合は再度入庫して、必要な部品交換等を行い、再度チェック~OKなら取得、という流れになります。
無事取得できると、このような赤いバインダーとクラシケ認定のバッチがもらえます。
バインダーには、その個体の各部の写真も載っています。これは512ですが、やはりBBのモノですので、同じような雰囲気になるのかと思います。
ウチの個体は、ワタシの見る限り機関系はほぼオリジナルです。レストアもオリジナルに準じたパーツを使用していて、手前味噌ですが結構良い線いっていると思います(^_^;)
内装は、イタリアはモデナのクラシックフェラーリ専門の内装屋さん「LUPPI」の仕上げで、やや綺麗にしすぎかもしれませんが(汗
自分で気になる点としては・・・
・マニュアルが不備(もちろんコピーは持っていますが)。オリジナルのオーナーズマニュアル、パーツマニュアルがありません。ちょっと前に、とても高価ですが売り物がありましたが、最近見なくなってしまいました・・・
・オリジナルのラジオが無い(これはアルファなど他のクラシックでも良くあるんですが、実際には聞くことができなかったりして、外されてしまっているクルマが多いです。ウチのは見た目クラシカルな、カロの1DINのCDヘッドユニットをとりあえず付けてます。スピーカーは生きているので、音は出ます)
・工具の入ったアタッシェケースが無い(トランクにしまう、ビニール製のバッグとそれに入った工具はありますが、もう一つFフェンダーにベルト留めするハードケースがありません。こちらは海外のオークションなどでリプロ品はすぐに入手できます)
といったところです。他にも細かな気になる点はありますが、オリジナリティに関しては相当高いですし、それに準じたレストアが施されていると思います。
とりあえずコーンズで聞いてみたところ、マニュアルの不備や工具の不足は問題になることは無いそうです。それよりも、機関系がオリジナルかそれに準じたパーツでレストアされているかどうかが結構厳しいとのこと・・・
資料を送ってから、審査を通って晴れて取得に至るのに、長いと1年から1年半くらいかかるそうです・・・世界各国から依頼があり、時間がかかるとのことですが・・・これは想像ですが、仕事におけるイタリアンな時間感覚のせいがたぶんにある気がします(^_^;)
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それはさておき、「なぜ、お金をかけてまで取得するのか?」という点についてですが・・・人によって取得する理由は様々でしょうし、一方で「そんなモンお金の無駄」「オリジナリティより、代替の新しい部品を使ってより安心・快適になるならその方が良い」という方もおられるでしょう。では、ワタシが取得する理由とは???
「単純にカッコいいから」(笑)
それはあるかもしれません(^_^;)
「クルマの価値が上がるから」
正直、それも無きにしも非ず・・・以前、F40の例で、(ある程度走行距離やコンディションに差はあれど)オークションでの落札価格が「あり」で約1億5千万、「なし」で約1億、という差が付いたこともあったようです。それは大袈裟としても、やはり「素性」が重視されるヴィンテージカーの売買において、「メーカーお墨付き」というのは大きなアドバンテージになるのは事実でしょう。
・・・がしかし、ワタシが取ろうとする理由はいずれでもありません。
今はワタシがオーナーとして「所有」している365BBですが、これからも、一般的な美術品、芸術作品同様、未来永劫、代々のオーナーに引き継がれ、大切にされ、保存されていくべきだと思いますし、その価値があるクルマだと思っています。
そして購入した当初から、「自分のモノになった」というよりは、このクルマの一時的な預かり人、管理人をさせてもらっている、という感覚でいます。
常に自分のそばに置き、いつでも自由に美しさに酔い、この手で触れて、そして乗る権利がある一方、その状態を維持し、保存し、必要があれば手入れをして、グッドコンディションを、オリジナルの状態を保つ、そして然るべきタイミングになったら、次のオーナーへ託す。その義務を負っていると思っています。ワタシの代で絶やすわけにはいきません。プレッシャーすら感じます(汗
もちろん、長年の憧れだったものを実際に手にし、プロカメラマンに写真集を作っていただいたりして、すでにワタシにとって素敵な思い出の1台ですし、今後もさらに歳月を共にして、生涯忘れられないクルマになるでしょう。クラシケもそうした記念のひとつにもなります。
それと同時に、
クラシケを取得することが、このクルマのヒストリーの1ページに、ワタシがこの時期に所有したという証となり、しっかりとした記録として残る・・・つまりワタシ自身が、このクルマの歴史の一部になる、ということです。
それこそが、ワタシがクラシケを取得しようと思った理由そのものなのです。
・・・・って、カッコつけて長文!失礼しました(^_^;) そしてこれだけ書いといて、取得できなかったら笑って下さい(笑)
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フェラーリ | 日記
Posted at
2015/06/07 22:12:39