先日、BB購入以来10年以上に渡って愛車の主治医として整備・メンテナンスをお願いしてきた、メカニックの中村氏が今年初めに亡くなっていたことを知りました。
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来月、アバルトが車検を迎えるにあたり、入庫の予約をしようとLINEを入れても既読が付かず、事務所の電話は繋がらず。さらには氏の携帯に電話をするも「現在使われておりません」・・・その時から嫌な予感はありました。
数日後、氏を紹介してくださったW氏と、「闘牛」さんことI氏にメールで問い合わせたところ、今年の初めごろに、趣味であるパラグライダーで飛行中転落する事故に遭い、そのままお亡くなりになった、とのこと・・・
昨年、BBの車検でお世話になった時にはお元気そうでしたし、ご病気で入院というのも考えにくいと思っていましたが、まさかの事実に大変驚き、とても動揺しました。
中村氏はフェラーリ、ランボ、アバルト等イタリア車のみならずポルシェ、メルセデスなどドイツ車、英車、さらには国産車まで、とにかくありとあらゆるヴィンテージカーに造詣が深く、ワタシの知り限り最高の知識と腕をお持ちのメカニックさんでした。
また偉ぶったり奢ることもなく、(多くのショップでありがちですが)余計な作業を勧めたり、足元を見て高額な請求をふっかけるするようなことも一切なく、お人柄も大変素晴らしい方でした。
常々、旧車趣味というのは(すべて自身で整備・修理等DIYで楽しまれるタイプの方を除けば)「信頼してお任せできるショップ、メカニックさんがあってこそ」と強く思っていました。
アルファ時代はご多分に漏れず結構な「勉強代」を払った時期もありましたが、後に「ジュリアを任せるなら間違いなし」と断言できるIさんと出会いその後はずっとお世話になり、幸いBBは購入と同時に最初から中村氏にメンテナンスをお願いすることができました。(以降、ほぼ完調を維持できてこられたのはこのブログをご覧になっている方ならご存知の通りです)
車好きとしては、毎日のように「アレにも乗ってみたい」「次はコレにしようか」と夢想するのが日常ですが、今後もし入れ替えや増車するとしても、たとえどのヴィンテージカーを選んでも「中村さんがいるからメンテナンスは大丈夫」と安心していました。しかし氏が亡くなってしまった今、それもちょっと考えないといけないほどの、ワタシにとっては車趣味を根本から揺るがすほどの深刻な事態ととらえています。
W氏と電話でお話しても、メンテナンスをお願いしていた、多くのお車を持つコレクターのご友人ともども、困り果て頭を抱えているそうで、やはり「今後について車の購入については考えざるをえない」とおっしゃっていました。
もちろん、「いつかは引退されるだろうから、その後は愛車のメンテをどうしようか」という不安はありました。それでも少なくともあと10年くらいはお願いできるだろうと高をくくっていましたが・・・あまりに早く、そして突然恐れていた事態に陥ってしまいました。
幸い、さしあたってのアバルトの車検については、笠間のイベント主催者であるYさんから県内の某ショップを紹介していただき(
以前ご紹介したフェラーリコレクターのS氏もデイトナなどのメンテナンスでお世話になっているとの事)、そちらにお願いすることにはなりました。
それでも、今後についてはまだまだ不安でなりません。W氏は現在全国的規模で中村氏に代わるような腕と知識をお持ちの方を探しているそうで、今後も情報交換はさせていただくことになっていますが・・・(しかしながら現時点で、関西の某パーツ屋さんの方からは「あの方と同じレベルの知識、腕のある方はいない」「2番さえいない。代え難い存在だった」とのコメントさえあるそうです)
今となっては、3年前の車検時にBBのエンジンを降ろしてのタイベル交換はしていただいたこと、アバルトも購入してすぐに、事前に気になっていた点をすっきり改善し、安心して乗れるコンディションにして頂けたことは良かったはと思います。
ずっと気になっていた、昔作ったと思われるショップオリジナルのステッカーを分けていただけなかったのが悔やまれます。入庫している中には、それを誇らしく貼っていたお車もありました・・・
まだまだお世話になりたかったですし、今後手に入れることがあるかもしれない、まだ見ぬヴィンテージカーもバッチリ完璧に整備して欲しかった思いでいっぱいですが・・・たった2台ではありましたが、この11年間不安なく愛車との生活を楽しめたのは中村氏のおかげです。また特にBBについては元の状態からより完璧なまでに仕上げ、維持できてきたのも、氏あってこそです。改めて深く感謝するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
Posted at 2023/06/25 20:03:44 | |
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