
油温 と 水温。 その適正温度はいったい本当は何度?
この問題は、私をずっと悩ませてきていたことなのですが、今回で決着をひとまずつけようと思っています。
とにかく、今年の真夏の連日外気温40度超えには、ほとほと困りました。そこで導入したノウハウをご紹介致します。
一度のブログでは内容が煩雑になり、有益な情報を提供する目的とは逆に返ってご理解に混乱を招きそうですので、次の2回に分けてご報告します。
1.「適正水温 適正油温 及び 純正油温度計の誤差の可能性について」
(こちらは、理論ですので、結果だけを求めたい方は読み飛ばしてしまって良いと思います。)
2.「実際の各装置の取り付け と その効果」
(こちらは、実際の理論の実装です。驚くほど効果があったので、大容量ラジエータを既につけている方にも十分興味を持って頂けると思います。)
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さて、それでは、「適正水温 適正油温 及び 純正油温度計の誤差の可能性について」の始まり始まり~♪
まず、適正油温ですが、去年9月27日のブログ「 油温について、本当の考え方がわかりました。思いっきりオイルのプロから答えを頂きました。 」をご覧下さい。
https://minkara.carview.co.jp/userid/474060/blog/15118530/
私は、この情報を信じますので、ストリートでの通常利用の毎日では「”オイルパン上の油温”で100度以下にキープする」を目的にしたいと思います。これが、目的1、です。(もちろんサーキット目的では、全然違いますよ~)
次に、水温。これも諸説ありますよねぇ~。
そこで、この水温については、私たちアマチュア自動車弄りの最終的な日産自動車のバイブル、困ったときの「(みんなの)整備要領書」を基準とすることにしました。
これによると、GT-R以外とGT-Rでは、基準値が異なります。
GT-R以外は、平成10年5月版の整備要領書LC-13 サーモスタットの点検、をご参照下さい。
GT-Rは、平成11年1月版の整備要領書(追補版I)のLC-15 サーモスタットの点検、をご参照下さい。
これをヒントにすることにしました。
GT-R以外では、こう記述されています。
開弁温度基準値 82度(標準、寒冷地共)
全開リフト量基準値 95度時 8mm以上(標準、寒冷地共)
サーモスタットの目的を私は、ラジエーターによりエンジン温度をエンジン設計最適温度範囲に押さえること、だと理解しています。(間違っていたら教えてください)
この理解から、GT-R以外のR34車両では、82度~95度 が水温の最適温度、と推測しました。
さて、同様に、GT-Rを見ていきますと、
開弁温度基準値 76.5度 ±1.5 (標準、寒冷地共)
全開リフト量基準値 90度時 10mm以上(標準、寒冷地共)
参考:閉弁温度基準値 71.5 度
とあり、GT-R以外の車種とは、ずいぶん異なっています。しかし、考え方は同じにしました。
そこで、この理解から、GT-RR34車両では、76.5度 ±1.5度~90度 が水温の最適温度、と推測しました。
したがって私の場合、目的2(水温)は、75度~90度としました。
ここで、油温度、水温度の目的値範囲が揃いました。
目的1: 油温 を「”オイルパン上の油温”で100度以下にキープする」
目的2: 水温 を「75度~90度の範囲にキープする」
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さて、皆様ご存知の通り、Rの純正油温計は、オイルフィルターの標準取り付け位置にあります。オイルフィルターに入り込む前の温度を測っています。これをMFD上に表示しています。(間違っていたら教えてください)
私は、オイルパンの油温度が計りたかったので、今回キノクニさんから出ている油温センサーと表示装置を導入しました。下の写真2つがそれです。
(実際にオイルパンに油温センサー装着したところの写真)
(油温度表示)
最終的には、この写真のように、オイルパンで油温度を計るわけなのですが、何しろ初めて使うセンサーです。その誤差を知らなければなりません。本当の誤差は、基準となるセンサーがありませんので、純正センサーを基準センサーとして、誤差を知ることにしました。
しかし、オイルパンに装着して誤差を計測したのでは、測っている油温そのものが著しく異なります。理由は、私の車両がトラストの13段オイルクーラーが装着されていますので、オイルパンの油温度は、冷やされた後の温度になります。純正センサー位置は、冷やされる前です。
そこで、下の写真のトラストの移動式オイルブロックのメクラの部分に新センサーを設置して、油温度を図ることにしました。
この部分は、純正油温計を流れてきたオイルがそのまま入り込む部分で、オイルクーラーコアに行く前の温度が測れます。すなわち、ほぼ同じ温度と考えられます。
ここで、測定された結果が、下の表の一部「Oil Temp Meter (on Greddy)」です。
では、具体的にこの表の見方ごを説明します。(一番上の写真が全く同じものです。クリックして頂ければ、拡大バージョンで良く見れます。)
表の一番左端、縦に青い字で現されている部分「Base Oil Temp (MFD)」が、MFD上の実際の温度表示になります。これを基準に、となり列の「Oil Temp Meter (on Greddy)」の範囲を説明します。
「Oil Temp Meter (on Greddy)」は、背景が黄色ですね。この範囲を下に見ていってください。「AirTemp 30」というのは、このデータを採った日の外気温度が30度だったことを示しています。
では、例として背景が反転がかかっている行、MFD上で85度、を見てください。
Lowert 87 ~ Highest 92 となっています。
これはどういう意味かというと、MFD上で85度と表示されたとき、キノクニの油温センサーでは、最低温度で85度、最高では92度有った場合がある、という意味です。 「Error in Measure」は、誤差です。すなわち、純正油温計とキノクニ油温計では、最低2度、最大で7度の誤差が、MFD85度時には、あったという意味です。背景薄い黄色の部分は。MFD85度時のMFD上の水温度です。見方は同様ですがこれは今は余り関係ないです。後で使います。
マスで埋まっていない部分は、データが採りきれなかった部分です。あまり気にしないで下さい。
ここで重要なのは、”もし” キノクニの油温計が正確だったら、純正油温計はどの温度でもかなり低めに出ている可能性があるということです。
例えば、MFD90度。 キノクニ油温センサーでは、97度です。100度に近い。この温度帯では、常に7度以上の誤差の可能性があります。
ここで、疑問は、キノクニの油温センサーが正確ではなくて、純正が正確なのではないか?という疑問です。
しかし、これは、どうもそうではなさそうなんです。
今こちらでは12時15分。サマータイムですので日本と2時間の時差があります。今日はここでやめます。月末処理も本日無事に終わり一気に書こうと思いましたが、書きききれませんでした。すみません。明日朝早くから空港に人を迎えに行かなければなりません。本日はこれにて失礼します。中途半端になってしまいましたが、他の途中のブログとともに明日以降続けます。
キノクニのセンサーの方が、比較的正しいのではないかと思う根拠についても説明します。
PS
ここまででどうも私の言っていることがどんな部分でもおかしそうだったらぜひ指摘して下さいね。私も間違いが有れば正したいのです。双方向に勉強できればと思います。
============== 2月1日 書き込み分 (続き) ================
さて、次にさらに右側の列の背景ピンクの赤文字 「Oil Temp Meter (on OilPAN)」 を見て下さい。
これは、広く横にスペースを使っていますが、見方は同じです。左半分が外気温度25度のとき。右半分が外気温度44度の時です。
測定条件として「Oil Temp Meter (on Greddy)」と異なるのは、キノクニ油温センサーが、先述のオイルパンの位置に移動された点のみです。いわゆる、本来理想的な油温測定位置、ということです。
この 「Oil Temp Meter (on Greddy)」 と 「Oil Temp Meter (on OilPAN)」 の対比は、油温とセンサー誤差、さらにはオイルクーラーの効果を考える上での様々な情報をくれます。宜しかったら印刷をしてご自分でなんらかの法則性があるか見比べてください。私よりもずっと色々な事を見つけていただけると思います。(表のデータは、各々測定日が異なり外気温度が異なるのですが、(外気温度25度 30度 44度)、そのあたりをどう考えるかは皆様各々お考え下さい。ここでは、あまり細かなことは考えずに、かなり大雑把に切っていきます。)
今回、私は明確な目的をもってこの数値を追っています。
でも、あまりスペースをとらない程度に少しだけ脱線しましょう。例えばこうです。
緑の線枠で囲まれたMFD表示温度=84度 を 見て下さい。 実はこの84度だけは、特別な目的で数値を紹介しています。今回設置した、オイルクーラー用空冷ファンを利用しない場合での数値を紹介しているのです。すなわち、ここからは、オイルクーラーの効果が読み取れます。
私は、ずっとトラストの13段の本当の効果を知りたかったのです。というのは、以前購入時にトラストさんに電話で聞いていて13段オイルクーラーの効果は、大体5度~10度の冷却効果と言われていたんです。どこにもその検証データを見つけることが出来なかったので、興味を持っていました。
では、具体的に見て見ましょう。MFD84度時の 「Oil Temp Meter (on OilPAN)」 AirTemp44 (外気温44度)をご覧下さい。80~82度 となっています。 同一センサーで計測したエンジンオイルがオイルクーラーで冷却される前の「Oil Temp Meter (on Greddy)」 では、85~92度 です。
すなわち、トラストの説明どおりちょうど5度~10度の間で冷却効果が現われています。(どの外気温もそれぞれ各1日のみの測定ですので、もちろん誤差を含んでいることでしょう。しかしながら、結構ハッキリした傾向が見出せませんか?)
脱線は、この程度にしておいて、本題に戻りますね。
MFD84度以外の数値は、各MFD表示温度での走行時の油温と停車時FANをつけない状態の油温(すなわちオイルクーラーほぼ効果ゼロ状態 = 通常のオイルクーラー)を現しています。特に傾向が分かりやすいのはMFD表示温度で87度以上の部分です。Highest(ピーク値)を比較してみてください。オイルクーラーが効いていない数値も入れていますので、ほぼ同じ温度になっています。すなわち渋滞の状態です。熱いオイルがオイルクーラーコアを回ってオイルパンへ戻ってくるが、まったく冷やされてこないので、ついには全部のオイルがその温度まで上がり、水温との”悪循環”でどんどん上昇していく時の傾向の最大値がHighest欄です。
さて、ここで、先日書きかけて書けなかった、私が「何故キノクニのセンサーの方が正確ではないか?」と思う理由ですが、
実はこの表には現われていない水温と油温の測定時の相関関係からなんです。この”悪循環”から来ています。(実際は良く考えられたシステムで、良循環だと思います。油温を水温と独立にするかは、一長一短があると思います。)
ご存知の通り、GT-Rには純正の水冷式オイルクーラーが付いていて、純正オイルフィルター位置あたりで、ラジエーター水とエンジンオイル間で双方向に熱交換をしています。すなわち、エンジンが動いている時どちらかが”のみ”が極度に上がり続けない状況=お互いに熱交換して引っ張っていくような状況、または、数日エンジンをかけないで、水温油温ともに外気温近くまで下がった状況では、本来外気温とほぼ同じ温度を差すはずです。
するとこれは、その通りの結果が出ます。MFD水温計表示では70度未満は表示されません。でも私の車両はこれもトラストのインフォメータータッチが付いていますので、どの水温も表示されています。この数値は70度以上の水温がMFDに表示される温度とほぼ同じです。(誤差1度程度)
ですので、この純正水温計とキノクニの油温計は、ほぼ表示数値に同期が取れていると考えられるんです。
もちろん、純正水温計の精度にも問題がある可能性は常に言われていますが、少なくても、油温計ほどでは無いように今回の結果から思っていますので、95度を超えないように利用すれば、エンジンへのダメージという観点では実用上問題にはならないと思います。
ご意見など、どんどん聞かせてくださいね。
さてさて、ここまでの前提が正しいとして、ここからが皆さんが真っ青になってしまうかもしれない、大問題への序章です(爆)
表に戻りますよ~~~~♪
赤枠で囲まれたMFD92度の行をご覧下さい。
オイルパンでの油温で、100度に届く直前の数値です。添加剤が、劣化を始める直前の数値です。
すなわち、MFD油温表示で、92度を見たら、基本的にオイルパンでの油温は100度を超えている可能性が実際は十分あるということです。
92度。。。。
こんな数字、いつでも見ていませんか??MFD上では、いつでも出てくる表示ですよね?この温度の積み重ねで、じわじわと添加剤の劣化が確実に進むのかどうかはわかりませんが、少しはきっとそうでしょうw 逆に先日のスタディでは、100度を越させなければ、”温度による劣化”は絶対に進まないとお墨付きを貰いました。
すなわち、現実的にはどううことかというと、普通、みなさんが油温でビビル時って、MFD表示で120度とかじゃないですか。
MFD上で120度って、実際はオイルパン上で130度くらいの可能性が十分に出てきちゃったわけです。
MFD130度だったら、140度かもです!
わたし、このくらいの数字、今まで何度も出したことあって、しかもその後もエンジンオイル直ぐに交換しないで、ずっと使ってたりしたこともあるんです。(だって、いろいろな方が、エンジンオイル交換しなくても平気だってブログかいてるもん。)
私はどちらが本当かは知りません。でも、名車のエンジンを大事に使いたいのでもう、”出来るだけw”やらないことに、しました。
逆に、サーキットに行ったら、早めにオイル交換は絶対条件なんでしょうね。(素人の車でサーキット走行で周回重ねても油温100度以下に抑えられるなんて車両はあまりないのではないでしょうか。私のは、ヘナチョコなんで、全然だめです。ちょっと山道がんばっちゃうと、超え始めます。)
さて、ここまでのお話、どうでしたでしょうか? ご意見じゃんじゃんOKです。 「それ、絶対に間違ってるよっ!」というのも大歓迎です。
PS
可能性として、キノクニさんの油温センサーの精度にバラツキがあることも考えて予めこの点はキノクニさんにお聞きしてこのブログを書いています。キノクニさんによると、バラツキは殆ど無いとのことでした。もし私がもう一つ同じセンサーを買えば、同じ表示をする、という意味です。
さて、ここまでの前提をもとに、他のパーツを連携させて、ストリートユーズで、もっともエンジンに優しいだろう、という温度管理をした方法について、別ブログ2.「実際の各装置の取り付け と その効果」として、ご紹介します。
これは、心配していたファンによる高速走行時のオイルクーラーコア部のエアー当たり詰まりも起きずに、大効果を生みました。
PS2
AirTemp44の枠内の水温ですが、(例:MFD92度時に、101度)、これは渋滞時のピーク値のみを書きました。
実はこの測定日の後、例の気温50度弱の日があって、その時は104度行きました。それは、日本では絶対に使わない数字だと思いましたので、乗せていません。