ダビデ・アルカンジェリ　デザイン考

最近、406クーペを見るたびに大きな疑問を感じます。
プジョー406クーペを設計した設計家はピニンファリーナにいたダビデ・アルカンジェリということは周知のことです。彼が最初の設計から生産型に至るまで密接に関与したことは、奥山清行氏の著書（フェラーリと鉄瓶）にも、その経緯について詳しく書かれています。そのくだりで、Aピラーからフェンダー、ボンネットを割るSラインは車に携わるデザイナーなら素晴らしいと思うそうです。
ピニンファリーナを去ったダビデ・アルカンジェリは、クリス・バングルのもとでBMW５シリーズ（E60）をデザインしたあと急性白血病で亡くなりました。
E60はそれまでのBMWの角張ったストレートなデザインから丸いシェープが特徴的なものに変化してました。それもそのはず、オリジナルデッサンはプジョーの新しい407用にアルカンジェリがデザインしたものだったのです。
大きな疑問とは、タイトル画像のBMW（E63）のデザインです。BMW3.0CSはクーペとしてとても綺麗なくるまでした。その流れを汲む６シリーズはクーペモデルとしてはやはり綺麗な車である必要があったと思います。E63のAピラーの処理などから、クリス・バングルのもとにダビデ・アルカンジェリのE63用のデッサンがあり、406クーペの流れを汲むE63が完成したのではないでしょうか。
確かに綺麗なクーペですもんね。
　ちなみにピニンファリーナからの脱却を図ったプジョーは、新しい407のため、406クーペをモデルにD8からD９へフェイスリフトして、デザインスタディをしたように思えます。406セダンより407がクーペによく似ていると感じるのは僕だけではないと思います。ちなみにAピラーの処理も似ています。