煙突基部はケーシングと呼ばれ、カッターなどの格納場所にもなっています。ケーシング自体は前後に長い箱状で、その上の左右にフラットが広がっています。つまりフラット下は空間です。

キットでは型抜きの関係で左右の空間が埋まった状態でパーツ化されており、それを埋め込むため艦体側に凹部が設けられています。
まずはこの凹部をプラ板で埋めました。
ケーシングはベース部分を1mmプラ板で、フラット部分を0.3mmプラ板で作り直し高さを調整します。
このあと採光用の開口部も工作予定です。

ケーシングの形状や寸法が確認できる図面や写真が手元にないので、学研の「金剛型戦艦」に掲載されている図や作例を参考にしました。その雑誌には、ケーシングは2番煙突直前で縁切りされているという図が載っていたので、前後2パーツで作ります。
またケーシング前端が艦橋と接触しているかどうかも不明ですが、霧島の2次改装後断面図では接触しているので、同じ作りとします。
左右のフラットの形状は榛名図面の赤ラインで示した形としました。

図面を見る限り2番煙突基部も前後に長い箱状のようなので、1mmブラ版で作ります。その後端にある後部艦橋は3mm角棒から削り出します。
2番煙突本体もプラ棒から削り出しますが、最終時の遮熱板の設置状態が分かる図面や写真が手元にありません。
とりあえず他の戦艦の設置状況を調べました。
・大和型…探照灯高さまで煙突を一周
・長門型…煙突中段の左右に設置
・伊勢型…大和型と同様
・扶桑型…煙突中段の前後に設置
・金剛型…第1=全周、第2=榛名後部以外なし
金剛型で第2は榛名のみ設置されたのは、第1次近代化改装時に大型化した後部艦橋と2番煙突が極めて近かったためです。榛名以後に改装された他3隻は榛名の結果を踏まえ、後部艦橋を後退させているので、遮熱板が不要となりました。(ただ熱は発生するので増備機銃や探照灯要員はさぞ辛かったろうと思います。)
今回は第2煙突後部に遮熱板を設けます。

2番煙突に関してはその周囲の小煙突の設置状況も不明です。図面では後部に2本あるように見えますが実艦写真ではそのようには見えず、11時方向あたりに烹炊室煙突と思われるものが見えます。他の小煙突は写真ではよく分かりません。

左の画像では4時くらいの方向に烹炊室煙突が確認できます。さらに12時方向に3~4本の小煙突のようなものが見えます。
しかし前者は戦中の写真では確認できません。後者もこれほど何本も設置されている資料は見当たりません。
霧島の2次改装後図面の上甲板煙突周囲に烹炊室がいくつかあるので、そこから煙突が出ると思われます。しかし2番煙突前部に3~4本の小煙突が出るとは考えにくく、2本が妥当と思われます。
ここから先は推測です。
4時方向のものは捷一号作戦前に後部艦橋周囲に機銃増備をした際何らかの理由で第2煙突後端にあった小煙突を4時方向に移設し、併せて高さを上げる工事を行ったのではないか。
12時方向のものは第2煙突の内筒と外筒の間に元々あった小煙突(機関用か)の管が、爆撃によって外筒の一部が剥離して見えているのではないか、と。
今回はこの推測を元にしてプラ棒製内筒の前側に縦に切込みを入れて煙路っぽい表現を行って、その上からプラペーパーを巻き付ける際、外筒の一部を切り裂きました。
あまりに小さな表現なので、完成後誰も気付かないと思います(笑)
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Posted at
2020/11/19 21:07:14