前回、9mカッター製作について触れましたが、その後さらに工作を続けました。
・側板の薄化
・防舷板の設置
・オール溝の表現
・舵の設置
出来ればオール10本も艇内に置きたかったのですが、私の技術ではリアルに作れそうにないと思ったので諦めました。
結果はこちら↓
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/004/995/923/4995923/p1.jpg?ct=202ceb51b8d8)
40年くらい前の設計のキットがベースにしては、まずまずかなと(´ω`)
(後日談)
制作後、こんな写真を発見↓
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/album/000/001/064/747/8085471/8085471.jpg?ct=f3c6c3175afe)
オールの設置は溝ではなく、C型の金具でした(汗)
ま、駆逐艦のカッターは小さい(6m)ので、9m型は溝であろうということにしておきます(爆)
続いて内火艇。まずは9m型を作ります。
その前に写真の確認。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/album/000/001/064/747/8085474/8085474.jpg?ct=f3c6c3175afe)
いずれも5500t級ですが、微妙に形が異なります。
次に参考にしたのはこちら↓
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/album/000/001/064/747/8085475/8085475.jpg?ct=f3c6c3175afe)
軍艦メカニズム図鑑「日本の駆逐艦」のイラストです。キットと比較すると、平面形が異なる(最大幅部が前寄り過ぎ)のと、キャビンが少し後ろ寄りのようです。意外と大工事…。
まず最大幅部を削ってより流線型にし、甲板上のモールド全削除した上からプラ板プラペーパー伸ばしランナーで各種構造物を再現します。その際、上記イラストの位置に配置し直すとともにディテールを追加します。
後部の士官室は上からティッシュ製のキャンバスを掛けるので少し小さめに作りました。
更にプラ片で防舷物を作り、完成。
さらに10m内火艇。
これはキットがないので11m版を切り詰めて作ります。
でもただ切り詰めるだけだと全体のバランスが崩れるので、平面形を僅かに削り込み、キャビンと士官室部分を削って少し前につけ直しました。
それらの成果がこちら↓
キットの印象からだいぶ変わったのではないかと自己満足に浸りました(笑)
この後、ボートダビットに据え付け、グライプバンドを掛けます。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/photo/000/004/995/923/4995923/p5.jpg?ct=30c7afaf66a3)
バンドは細切りプラペーパーですが、この位置への接着がめちゃくちゃ大変でした。カッター・内火艇とも施工すべきですが、カッターまでで力尽きましたorz
カッターの吊るし方は先程の「日本の駆逐艦」にイラストがありますが、内火艇の場合は写真もイラストも見当たらず、ダビットから降りる金具が艇のどこに接続されるのか不明です。
小さなパーツの割には考証も工作もなかなか大変でしたが、出来てみるとディテールアップの効果も確認でき、高い位置に吊り下げられた様がカッコよく見えてきました(^^)
ここでボートダビットについて少し語ってみようと思います。
旧海軍では、ラッフィング型とラジアル型の2種類ありました。
ラッフィング型は龍田に装備されており、釣り針を逆さにしたような形状です。吊り上げて格納したボートを海面まで下ろす際にはダビット全体を舷外に向けて傾けるようにします。
ラジアル型はくの字のように曲がった形状で、ボートは吊り上げるのでなく甲板上に固定されます。ボートを海面へ出す際はダビットがデリックの役割となります。
ラジアル型はボート積載時にボートが安定すると共に、固定位置がラッフィング型に比べて低いので船の復元力に与える影響がより小さくなります。
対してラッフィング型はボート固定位置が高いので、その下を通路などとして利用することができるため、スペースに余裕のない小艦艇で多用されます。
ここで1つ疑問が。
↓をご覧下さい。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/album/000/001/064/747/8085521/8085521.jpg?ct=f3c6c3175afe)
戦闘訓練中の特型駆逐艦ですが、ボートが舷外に振り出されています。
先程触れたようにボートの位置を高くしたり舷外に振り出したりすると復元力に悪影響がありますが、こちらの写真でもそうなっています↓
それでも振り出すのはなぜか。
あくまでも私見ですが、これは戦闘中の甲板スペースを確保し、乗組員の移動の便を図ったものではないでしょうか。
ラジアル型はボートが甲板に置かれているので邪魔ですし、ラッフィング型でも頭をぶつけそうです(笑)
龍田のボートは当初11m内火艇を装備する予定でしたが、訓令で「龍田現有設備ノ儘ニテハ (中略) 大ニ過グルヲ以テ」10mにされており、ここでもスペースが課題になっていることが分かります。
よって復元力を多少犠牲にしてでも弾薬運搬や配置間の連絡などのために、甲板上のボートを舷外に出して移動スペースを確保したのではないかと。
ただ、旧海軍がまとめた
「合戦準備」(桜と錨の海軍砲術学校)の中に短艇の移動は記載されていません。
なのでこの考え方を採用するならば、「艦長判断で短艇を振り出すこともあった」というあたりでしょうか。
正解をご存知の方がいたら、ぜひご教示ください。
ブログ一覧 |
艦船模型 | 趣味
Posted at
2021/06/26 17:19:52