• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2021年07月09日

小説版ガンダムにおけるニュータイプについて

長きに渡った龍田改二製作を終えたザクとは違う(笑)
模型製作はしばし休息に入ろうと思います。
そこで今日は、少し前から読んでいた小説版ガンダム3冊について語ろうと思います。
かなり前に一度読んだのですが、印象に残っているのはアムロの戦死、ジオン本土決戦、そしてアムロとセイラさんのH描写w
しかしこの歳になって改めて読み直すと、色々見えてきます。

例えばマグネットコーティング。
テレビ版ではガンダムの能力が数倍に跳ね上がってニュータイプ専用機になる≒究極のスーパーマシンになるというイメージで描かれていますが、小説版では必ずしも万能ではありません。マグネットコーティングは関節の動きを良くするだけで、バーニアやスラスターの推力は変わらない。つまりライフルを構える、シールドを敵弾に向けるなどは素早く出来るものの、スラスターなどを使う姿勢制御には影響を及ぼさないのです。ブライトさんの「油を差すようなもの」という表現は非常に的確です。

またサイコミュについても。
テレビ版ではブラウ・ブロの有線サイコミュが先に出てきて、その後ビット装備のエルメスが出てきます。よってビットは有線式の改良版という流れです。
しかし小説版では逆の順で登場します。ララァやクスコ・アルとアムロの戦いはニュータイプ同士であるが故にその「気」を感じることでビームの射線を読むことが出来ます。が、有線の場合気が線を通じて砲に伝わるので射線を読むことが難しいのです。従ってエルメスは2機ともガンダムのみで撃墜していますが、ブラウ・ブロはガンキャノン2機との共同でようやく墜としています 。

さていよいよ本題のニュータイプ論。
テレビ版ではニュータイプは主に戦場における究極兵器として描かれます。ララァの活躍を見た兵たちはもう自分たちは不要だと言い出しますし、ニュータイプ同士ではオールドタイプの入る隙のない別次元の戦いが展開されます。
もう1つ、ア・バオア・クーでガンダムを撃墜されたアムロがホワイトベースクルーを戦場外へ導くという場面は、宇宙世紀の未来を切り開く存在、つまりオールドタイプを導いていく嚮導者という描かれ方です。
つまりニュータイプ万能論のようなイメージ。
しかし小説版では正反対の描かれ方でした。
ララァやクスコ・アルとの戦いではお互いに分かり合えなかった結果、ガンダムが両機を撃墜してしまい、対シャリアブル戦ではシャリアがアムロのニュータイプ能力を過信し過ぎて説得に失敗し、アムロはシャリアの意図を理解出来ないままブラウ・ブロを撃墜して、両者とも後悔します。
しかし意図に気付いたアムロの隙を突いてオールドタイプのルロイ・ギリアムが一撃でガンダムを撃墜し、シャリアやルロイを信頼しすぎたと後悔するのがシャアです(ルロイは、アムロがララァを撃墜した時と同様、「取り返しのつかないことをした」と悔やみます)。
つまりニュータイプは、ジオンダイクンの説いた相互理解も果たせず、誤った判断をしてしまうばかりか、戦場という局面ですら万能ではなく、オールドタイプにも撃墜され得る、そういうものとして描かれています。
即ち、ニュータイプといえど完全でも万能でもない。オールドタイプ同様に思い込んだり誤ったり悔やんだり隙があったりする。従ってニュータイプが人類の革新であったり嚮導者であったりはしないという考え方が透けて見える気がしました。

そんな中で戦争を終結に導いた大きな力はマハルコロニーを使ったソーラレイ。小説では2発撃たれ、一射目で連邦艦隊の1/3を葬り、二射目でレビル将軍含む残存艦隊のほぼ全てを消し去り、連邦の戦力を消滅させ継戦意思をくじきました。それでもソーラレイは100%の性能を出していないので、正に究極の兵器です(連邦のソーラ・システムは出てきません)。
果たしてこの描き方が何を意味するのか…。

少なくともマグネットコーティング、サイコミュ、そしてニュータイプのいずれも究極や完全な存在ではない描かれ方で、それは登場人物全てにも同じことが言えます。
富野氏はガンダムという名前の小説で「万物の不完全さ」を説こうとしたのではないでしょうか。
その象徴的なことがらとして主人公アムロを物語途中で戦死させたのではないでしょうか。
私にはそう感じられました。

ここまで書き綴ってふと「世間ではどう分析されてるのか」に興味が湧いて、ちょっとググってみたところ「富野氏は作家じゃないから文章が読みづらい」「テレビ版と違いすぎて違和感が強い」などの否定的な意見が多く見られました。数少ないきちんとした分析は↓くらいでしょうか。

狂騒的ブームの副産物ではなかった『機動戦士ガンダム』小説版

しかし私のような捉え方が許されるなら、小説版ガンダムは「ひとつのガンダム」として屹立し、名作と讃えられてよいものと思います。
さて、皆さんはどのように考えますでしょうか。
ブログ一覧 | ガンダム(除ガンプラ) | 日記
Posted at 2021/07/09 20:37:34

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

おはようございます!
takeshi.oさん

【スズキ GT125】 レストアが ...
エイジングさん

フェラーリミュージックに耳を傾けて
ofcさん

歌占滝
THE TALLさん

2025 志賀草津道路
hiroMさん

晴れ?(雷雨は回避)
らんさまさん

この記事へのコメント

2021年7月10日 10:25
読破お疲れ様です。
コメントご無沙汰です m(__)m

私も先日、巷で話題の「閃光のハサウェイ」を見てきました。
ガンダムはずっと好きですが、今回の上映前後で熱も上がり、過去作品も色々みていたところです。

ガンダム小説版は私がガンダムに興味を持ってすぐの頃の中学生くらいの時に読んだ記憶があります。ただ当時は今のように知識もなかったので、深い理解もできないままだったような気がします。

ただ私もアムロが戦死してしまう設定はすごく驚いた記憶があります。
セイラさんとのところは当時ピュアだったのであまり覚えていませんw

今読み返すとザク違さんのように色々と新鮮な発見もありそうです!
本屋さんに探しにいってみようかな。
コメントへの返答
2021年7月10日 18:10
お久しぶりです(^^)

閃ハサ、すごい話題になってますねー。私は映画館が苦手なので今のところ行く予定がありませんが、これだけ盛り上がっていると気になって仕方ないです。

私が小説版を読んだのは2~30年くらい前だった気がしますが、今ほど深く読めていなかったと思います。

この歳になってさらにその深さを感じ取ることができる作品というのはすごく貴重な気がします。
madatyさんも読んだら、感想を教えてくださいね。
2021年7月10日 17:59
お疲れ様!
ドア・ノブさんは…小説を読んだ事は…無いんだけど…ニュータイプとオールドタイプの戦い!
テレビのガンダムだと…アムロは…感覚的に敵の動きなどを察知し…「そこ!」みたいな感じだったけど…

操縦技術の高い!凄腕のベテランのパイロットなら…戦術や今までの経験の中から…敵の動きを予想して…十分にニュータイプに勝てる要素があると思うんだよな!

ニュータイプは…研ぎ澄まされた…感覚的なモノで戦い!

凄腕のベテランパイロットなら…操縦技術と今までの経験と知識から…予測とカンで…戦う!

ドア・ノブさん的な感覚では…やはり!経験が全て…だぜ!的な…
経験から…培われた…技術と知識は…伊達じゃないぜ!って思うんだよなぁ〜
コメントへの返答
2021年7月10日 18:30
「そこ!」って、「行きまーす」と同じくらい当時流行りましたねー(´ω`)
ニュータイプというフレーズに至っては雑誌の名前にまでなりましたね。
そうしたことも含めてガンダムは革命的な作品だったと思います。

感覚(センス)と知識経験の戦い、確かにそうかもしれません。
太平洋戦争でも戦前に開発された1式戦・隼が最新鋭の米軍機をバタバタと撃ち落とした例もあると聞いたことがあります。

また戦争などでなくても、モノづくりでも職人の腕か機械の正確さか、みたいなことが言われたりしますね。

「機体の性能が戦力の決定的差でない」というシャアの言葉はそういうことなのかもしれません。
うーん、深いぞガンダム(^^)
2021年7月11日 16:09
面白い考察ですね!(・∀・)おっおっおっ〜


私はカミーユの、このセリフが全てなんじゃないかな〜と思ってガンダムを観ております



カミーユ・ビダン

『 命は、命は力なんだ! 』

『 命は、この宇宙を支えているものなんだ!! 』



シンプルに考えております( ̄∀ ̄)神様に怒られるかな?
コメントへの返答
2021年7月11日 18:28
ありがとうございます!

おおっ、カミーユもいいこと言ってますねー。
私はファースト中心に見ているので、ゼータ以降はあまり詳しくありませんが、ゼータ、ダブルゼータあたりまでは富野氏のアイデアを強く反映させて作っていると思うので、深く読み込むと面白いかもですね。

ゼータは小説版も出てますが、砂くじらさんは読んだことありますか?

私はありませんorz
2021年7月17日 16:13
小説版ガンダム…
ゼータもユニコーンも閃ハサも
所有してるのに読んだことはなく
ムスメが先に読み、
「お父さんも読みなよぉ…」と
言われるくらい活字苦手マンです…

アムロやセイラさんのことは
知ってはいましたが、富野カントクは
やはり戦争と生命の不可逆性に
ついてはシビアでしたねぇ…

ゼータの新訳によるダブルゼータの
存在の消去?σ(^_^;)
しかし福井晴敏さんによる
ユニコーンでの全肯定…

ファンとして戸惑いはあっても、
どんな可能性もアリと受け入れる
ようになりました…σ(^_^;)

このおかげで、他の作品では
別ルートも許されるようになりました。

いい意味でフィクションとして
楽しむことができてます♪
コメントへの返答
2021年7月17日 19:08
これは意外!
シウさんは博学なので、その根源は読書にあるのだろうと思ってました。

ユニコーンは映像より小説版の方が描写が詳細なようなので、一度読んでみてもいいかなと思います。
ゼータはテレビ版と異なる展開なのでしょうか?異なるのであれば読んでみると楽しいかもですね。

小説版ガンダムはテレビ版制作中に手がけられたもののようですが、アムロを戦死させたためゼータとの繋がりを全否定してしまったことを富野氏ご自身が反省していました(3巻最後のあとがきに記載あり)。
しかし衝撃的な展開ゆえに、富野氏の真の意図がそこにあるような気がしてなりません。

そうした意図や背景なども妄想しながら読んでみるのも、また一興ですね。
シウさんの激務が落ち着いたら読書タイムが取れるようになるといいですね(´ω`)

プロフィール

模型工作とキャンプが大好きなヘタレをやぢです。 私がフォローする方には2種類あります。 一つは「以前からのみん友さん」 もう一つは「ちょっと興味を持っ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/4 >>

  12345
6 789101112
13141516171819
2021 22232425 26
27282930   

リンク・クリップ

エアコンパイプの断熱 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/09/22 18:04:47
耐熱ホースカバー取付(冷却効果UP) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/09/22 18:02:04

愛車一覧

ホンダ シャトルハイブリッド イフリート (ホンダ シャトルハイブリッド)
イフリート初号機です。 前車・プレマシーに比べ排気量が△500CCなので、若干の非力さは ...
その他 キャンプ その他 キャンプ
我が家の行ったキャンプ場をまとめておく場所です。
その他 その他作業記録 その他 その他作業記録
1/700を中心とした艦船模型についてのまとめです。
その他 その他作業記録 その他 その他作業記録
ガンプラ製作の記録です。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation