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2019年02月11日 イイね!

1/2000空母天城の製作記(その3)

天城の工作、少しずつ進んでいます。
今回は工作にあたっての資料の検討状況を紹介します。

まずは工作関係。

飛行甲板の前方両側に小さな出っ張りがあります。
キットでは高角砲射界確保のための凹部のすぐ前に出っ張りが付けられていますが、同型艦雲龍の図面を見ると、もう少し前に設けられています。
図面では、滑走制止装置(着艦した飛行機がアレスティング・ワイヤーで止まりきれなくて海に落ちないようにするためのもの)の足を設けるための幅増しスペースのようです。
この部分の天城の資料が図面、写真ともに無いので、実物がどうだったか分かりませんが、今回は図面ベースで作り直すことにしました。

艦尾付近。

雲龍の図面では、艦尾端にある機銃座は六角形ですが、天城の写真では真四角に見えます。
また図面では機銃座と短艇の間にはリールや装填演習砲が置かれており、大きな構造物は認められませんが、写真では四角い大きな構造物が配置されています。

このように、図面と写真を見比べながら、ひとつひとつ工作内容を決定していく過程が、スケールモデル、特に実物がなくなってしまった大戦中の艦船モデルでは必須の作業となります。

こちらは呉空襲当日の写真の拡大。

これは天城が空襲を受け、水平に浮かんでいた最後の姿です。
つまり爆撃の被害状況が最もよく分かる写真です。
画像にコメントを入れたように、陸地部分(三ツ子島)には爆撃跡が確認できますし、3発受けたという直撃弾は前部昇降機前の飛行甲板、前後昇降機の間の飛行甲板、そして後部昇降機右側ということが分かります。
艦橋の右舷側に何か浮かんでいますが、爆撃後の何枚かの写真には同じものが写っていなかったので、恐らく爆撃によって吹き飛ばされた天城の艤装(or擬装)の一部ではないかと推定しました。
また同型艦葛城のWikiでは
「三ツ子島に係留された2隻(葛城、天城)の場合、(中略)特別な対空擬装を行っていた。島との間に擬装網をかけ、飛行甲板には家屋や道路を設けるなど島の一部に見せかける方法である。」
とあります。
確かに艦尾付近の甲板上には建物が作られていますし、左舷中央部あたりには擬装用ネットのようなものが垂れ下がっています。


前の画像では前後昇降機の間の爆撃跡の状態があまり良くわかりませんが、こちらの画像では2本の煙突の間から、向こう側が見えています。通常なら飛行甲板に遮られて見えないはずなので、このあたりの甲板はほとんど吹き飛ばされたのだと推定できます。
その残骸が前の画像で浮かんでいた物かもしれません。

塗装についても研究しました。
キットの状態は、艦体は外舷21号と22号(いずれもグリーン系)で塗り分けられており、飛行甲板はグリーン系とグレー系を使った複雑な迷彩が施されていますし、ウォーターラインシリーズの作例などもほとんどがそのように塗装されています。
しかし、少なくとも呉空襲以降の実艦の写真を見る限り、状況が異なるようです。
葛城のWikiにもこう書かれています。
「当初は、艦船の迷彩がほどこされていた。すなわち、飛行甲板には緑黒系の縞状迷彩、側面には商船誤認を期待する青系のシルエットの迷彩である。しかし、三ツ子島に係留された2隻(葛城、天城)の場合、そのような迷彩は役に立たず…」


こうしたカラー画像を見る限り、少なくとも艦体グリーン系ではなく、通常の軍艦色だったということになります。
無論、当時の塗料の質がよくなかったために、↑の写真撮影時(終戦約1年後)には剥げていたという可能性もありますが、今回ジオラマ化するのはその1年後の状態の予定なので、軍艦色で行くことにします。
問題は飛行甲板。

爆撃直後の写真ではコメントを入れたような状況が確認できますが、後部昇降機より後ろは↓の写真だとそれほど白くありません。


これらがいつ頃の撮影か分かりませんが、周囲の状況から、終戦後一定期間が経った後だろうと考えました。

↑は終戦約1年後に米軍が撮影したカラー動画のいち場面ですが、こちらでもやはり白線は見えるものの、それ以外の場所は複雑な迷彩がされてはいないようです。
そもそも天城の航空甲板はラテックス仕上げだったと言われており、動画撮影時にはその色がほぼ露出していたのでしょう。
あるいは白線を塗った後、その上から三ッ子島の砂を甲板一面に振り撒いたが、爆撃後の傾斜によってその砂が落ちてしまったということかもしれません。

さて、こうした考証を踏まえ、キットの工作を続けます。
次回にはキット完成が報告できるかな…

【余談】
こうした作業をしながら思い出すのは、2014年に完成させた小惑星探査機はやぶさ
この時も資料を集めまくって調べまくって考えまくって、長い時間をかけて漸く完成しました。

この作品は非常に思い出深いので、今でも大切に保存してあります。
今回の作業はこの時の苦労と楽しさを思い出させてくれます。

ガンプラのように自由に作るのも楽しいですが、スケールモデルのように、実物にどれだけ迫れるかという作り方も楽しいですね♪
Posted at 2019/02/11 12:56:04 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味

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