
昨年11月から製作を開始して以来、約4ヶ月。
漸くの完成です。
今回のジオラマの場面はこちら←を再現します。
舞台は江田島小用港。
呉周辺に疎開係留された戦艦榛名は樹木や迷彩で偽装するも、1945年7月28日、大量の米軍機に蹂躙されます。
その際に米軍機が撮影したのが冒頭の写真。
それでは作品をご覧ください。

榛名はエフトイズの1/2000キットですが、船体と主砲以外は全てスクラッチです。
戦後を中心に残された写真や、図面・各種資料を丹念に調べて作りましたが、こんなに小さなスケールでもここまで作り込めるのかという感想を持ちました。
「意外とできるじゃん、オレ」みたいなw
また製作に先立つ考証ではどの資料にも見られない3番主砲両脇の機銃座を発見したり、1番煙突周囲の小煙突位置を新たに推定したり、第2煙突から後部艦橋にかけての機銃配置を解明したりできたので、これらは今回の成果だと思っています。
艦の各所には偽装用の樹木を配置しました。当時米軍飛行機乗りからは「木が枯れてきたので、取り替えてはどうですか」などと書かれたビラを撒かれたとの逸話もあるので、一部を茶色に着色しています。
また艦橋トップの防空指揮所からはたくさんのロープ(?)が垂らされていたので、極細伸ばしランナーで再現しました。
陸地部分も複数の写真から地形や建物の位置を特定または推定し、極力その通りに作りました。

小船舶用船台周辺には資材を置き、街並みには電柱や空襲警報用スピーカー塔を立ててみました。井戸や防火水槽、物干し台&竿なども作りたいと思いましたが、さすがにこのスケールでは…^_^;
完璧には程遠いですし当時を知る人が見れば叱られそうなレベルですが、場の雰囲気は伝わるかなと思います。
ベース後半部には透明板で空を表現し、弾幕をエアブラシで描くとともに、墜落中のB24(1/2000スクラッチ)も配置しました。

榛名は空襲時、主砲で2機のB24を撃墜したとされるので、その1機です。
2本の水柱は1秒間隔で交互に点滅します。↓でご確認ください。
艦尾側の水柱は芯になる部分の綿にスミ入れ塗料で着色し、その上から薄く綿を重ねたもので、なかなかいい雰囲気になったかなと満足しています。
また、ベース壁面の透明プラ板は裏面から塗装してあるので、見た目「海」感が出ていて気に入ってます。海面も石粉粘土の上に木工ボンドを塗るだけの簡単おチープ製作ですが、「ぽく」はなったかなと(^^)
作品タイトル「平和への道程」は、(決して戦争指導者たちのためではなく)家族や友のために文字通り必死に戦う戦士たちと、同じ意識を共有しながら彼らを支える町の人々の血のにじむような努力が、戦後の江田島、呉、そして日本の平和へ繋がっていったという思いを込めて付けたものです。
改めて作品を眺めると相変わらず「1.5流の考証を行い、3流の工作で終わる」という作風だと感じますが、小さな小さなキットで非常に密度濃く楽しめたのは大きな収穫でした。
満足度の高い作品がまた一つ、我が家の棚に並びました。
Posted at 2021/02/26 21:19:18 | |
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