車中泊ポイントは日高のサラブレッド駐車場。
小さな場所ですが、眼下に馬牧場が広がっていてきれいなところです。
そこから30分ほど走るとシベチャリチャシがあります。ここはアイヌの指導者・シャクシャインの最後の地であり、小高い山の上に作られた山城です。

敷地内には大きな像も建てられていました。

和人とアイヌ人は古くから交易がありましたが、その条件は和人側に有利なものだったためアイヌ側に不満が出ました。そして争いを起こしたのが「シャクシャインの乱」です。乱は和人によるシャクシャインの謀殺で幕を閉じました。
悲しい歴史ですね。
次に訪れたのはエンルム岬。

たまたま天候が優れず、絶景が堪能できたという訳ではありませんし、決して有名な観光地ではありませんが、晴天時に訪れたならばきっと大きな感動が得られたであろうことが想像に難くない場所です。
恐らく北海道にはこうした場所が無数にあるのではないかと思います。そのひとつが次に訪れた日高耶馬渓。

決して目立たない観光地ですが、大変見事な景色を存分に堪能出来ました。ろくに調べもせずに立ち寄った場所がこんな素晴らしいとは、北海道の懐の深さを感じます。
次は襟裳岬。
実は学生の頃の北海道旅行では襟裳岬方面にだけは来ていなかったので、今回の旅行で北海道全土ローリングが達成されます。
到着時は一面に霧が出ていて「まぁ仕方ないかな」と思いつつ、お土産屋を見ているうちに少しづつ晴れてきました。
そして岬の先端に着くと…

奇跡的に見事な景色が目の前に!
この辺りは暖流と寒流がぶつかるエリアのため霧が出やすいそうなので、本当にラッキーでした(^ ^)
そしてお次は大樹町。
ここの海岸には旧日本軍が構築したトーチカがいくつも残っています。

銃眼は横に向けてあり、上陸してきた連合軍を横から狙い撃つ構造です。砂浜に作られているため長年の潮の干満により傾いていますが、基本的な構造はまだ保たれています。
外壁の一部は欠けていました。

壁内には石が大量に入っており、コンクリートの質の悪さ=資材不足を実感させます。
そのうちの1つは中に入れました。

砂で埋まっていますが、面積は非常に狭く、数名が入れる程度。
既に戦後約80年が経過し、当時を知る人は極めて少数となりました。本当ならそうした方々から話を聞くと最もリアルな現実を知ることが出来ますが、それが難しくなったなら、こうした戦争遺産に語らせるのが良いと考えます。
ドイツでは通りのあちこちに「当時ここではこんなことがあった」という説明板とともに当時の遺産が保存されているそうです。日本も同様の努力をしていくべきではないでしょうか。
そのすぐ近くの民間ロケット発射場を訪ねます。
その前にホリエモンロケット会社のインターステラテクノロジーズ本社を発見。

この斜向かいには工場建物もありましたが、いずれも決して大きな建物ではありません。少数精鋭の会社なのでしょう。
そこから少し離れた場所にこんな所が。

滑走路?
敷地内には小さな見学施設があるので入ってみました。管理人は横山さんという方が1人だけ。
横山さん「ここを訪れる方は、堀江さんのロケットを知って来たという方が多いですね」
という説明から始まり、実際にここで打ち上げられたロケットの実物(海で回収されたもの)の展示説明や、この施設が単なるロケット発射場でなく、1000mの滑走路を持ったJAXAの試験施設であり、日本版スペースシャトルの着陸実験、飛行船や気球による生物採集、はやぶさのターゲットマーカーの機能試験などが行われたなどの説明を受けました。
発射場はここから少し離れた場所にあるそうです。
意外だったのは、ここがホリエモンロケット会社の資産ではなく、大樹町が中心になって企業などと共に立ち上げた会社の持ち物であり、民間ロケット会社、大学等の研究機関やJAXAがここを借りて各種試験やロケット打ち上げを行っているということ。やはり先程見たような小さな会社ではロケットエンジンの燃焼試験施設などを含むこの施設全体を管理するにはお金も手間もかかり過ぎますね。
ロケット発射需要増を見込んで、全体の拡張も進められています。

またインターステラの新型ロケットも来年度完成を目指して作業が進められているそうです。楽しみですね~♪
横山さんによくよく話を聞くと実はJAXA出身者と分かりました!
更に突っ込んで聞いてみると、JAXAができる前の航空宇宙技術研究所(NAL)の企画室所属だったそうです。企画室は新たな技術開発や研究をするためのお金を国などからもらえるよう交渉する役割。なのでエンジニアの方々とも仲が良かったそうです。
NAL退職後は各務原航空宇宙博物館に招かれたそうで、同博物館の航空機関係の展示は横山さんが全て企画したとのこと。この施設に貼り出されているこちらの系統図↓は横山さんが作ったのだそうです。

これだけの膨大なデータの整理を僅か3ヶ月で成し遂げたと聞き、大変驚きました。
以前「飛鳥」という短距離離着陸機があったのをご記憶でしょうか。あれはNALの研究ですが、結局ニーズがなくなって頓挫。するとマスコミが「税金の無駄遣いだ!」などと騒ぎ立てました。しかし1つの機体が頓挫したからと言ってそれまでの研究成果まで全て無駄になる訳ではありません。そこでの成果は必ず次に繋がる。それを繰り返してきたのが技術開発の歴史です。僅かな現象のみをつまみ上げて安易な批判を展開するのは慎みたいものです。
そんな会話を2時間ほど楽しみ、漸くこの日の行程を終了。
近くにある晩成温泉キャンプ場へ移動します。
こちらはキャンプ+入湯料で1000円。
海を見ながら今日の汗を流し、美味いツマミと共に酒を喰らう。
と…

キタキツネが挨拶に来てくれました。
慌てていてフラッシュがたけなかったので、心眼でご覧下さい(うーっすら写ってます)。
ということでその3に続く。
Posted at 2024/06/06 22:00:15 | |
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