
E-30と言っても「六本木のカローラ」のことではなく、2008年末に発売されたオリンパスのデジタル一眼レフカメラのことです。
1年以上前に購入していたE-30を、我がメイン機のE-5を補完するサブボディとして投入する目処がようやく立ちました。
このE-30はどんな位置づけであったのか?
今は無きフォーサーズシステムにおいて、E-1をはじめとする1桁機がフラッグシップ、E-300など3桁機がエントリー機の位置づけでした。
2桁機は中級機の位置づけで、その唯一の機体が今回のE-30であり、エントリー機同様の樹脂ボディに、E-3譲りの機能が詰め込まれています。
防塵防滴は省かれてしまいましたが、代わりにアートフィルタ機能が搭載されました。
フラッグシップ譲りの機能をより多くの人に広める機種の役割を担っていたと思いますが、少々価格設定が高過ぎでした。
E-3や後発のE-5と大差ない価格であったため、大して売れることなく販売終了となった模様。
おそらく販売量はE-3よりも(もしかするとE-5よりも)少ないのではないでしょうか?
でも、そんな位置づけや疑問よりも前に、この
2人の関係の方がよっぽど気になりますが・・・
さて当方は、4/3システム終焉のアナウンスを聞きあわててE-5を購入致しましたが、その画質には個人的に大満足。
LPFの効きを弱め実解像度以上の解像感を得られる「ファインディテール処理」により、細部まで良く写っていることが大きな理由です。
ただボディが大柄でかつ重いため少々仰々しいのが難点であり、同等の写りを持ったサブボディが欲しいところ。
そこでE-30投入計画です。
あらためてE-30のスペックをE-3とE-5と比較してみると、以下の通り。

測距点などAFは共通で、プアと呼ばれるオリンパスのAFとしては最上級。
シャッター速度は1/8000、内蔵手振れ補正機構も最大5段と共通で、メカ的にはE-3やE-5と同等。
また撮像素子は1230万画素でE-5と基本的に同じ物でしょう
プラボディで防塵防湿機能がないことや、液晶のスペックが違ってはいますが、こと撮影機能に関してはE-5に限りなく近いことがわかります。
大きさは大差なく大柄ですが、150g軽いことは魅力です。
E-30とE-5を比較したとき、その一番の違いは
「ファインディテール処理」がないこと。
細部まで良く解像しスッキリとしたE-5に対し、E-30はLPFの効きが強く、等倍で鑑賞すると薄いベールを被せた様な写りです。
↑リンク先は等倍で切り出した画像です。
等倍鑑賞が全てではありませんが、E-5の写りと比べるとその差は歴然です。
他に(特に曇天時に)赤被りし易いとか、シャッター音が甲高く煩いと言った欠点もありますが、やはりその写りが最大の違いです。
以前E-1のLPFを変更した様に、今回も「LPFの効きが強すぎるなら、弱いLPFに変えればいいじゃない」てな方針で改造です。
画像エンジンに変わりはありませんので、LPFを弱くした場合にモワレや偽色が出易くなるかも知れませんが、モワレ上等、偽色上等で
正面突破です。
まずはLPFの調達です。
E-5のLPFが手に入れば良いのでしょうが、E-5が高価なので手が出ません。
個体数が少ないのでジャンクも出てきませんし、出たとしてもそのジャンクが高価です。
で手に入れたのはm4/3のE-P3のジャンクです。

E-P3はE-5と同じ撮像素子であり、ファインディテール処理を採用していますので、LPFの効きもE-5同様に弱いと思われます。
LPFを取り出したジャンクのEP-3は、外装は綺麗なんですが電源が入らない個体で、後日撮影は出来るが液晶がNGで外装もイマイチなジャンクが手に入ったので、ニコイチして再生しています。
で早速LPFをE-30に移植して撮影してみたのですが、
ありゃピントが合いません。

ライブビュー(LVF)での撮影だとピントが来ますが、光学ファインダ(OVF)だとピントがズレてしまいます。
最初原因がわからず悩み、何度も組み直しとか行ったのですが解消せず。
色々と調べた結果、
LPFの物理的な厚みが違うことが原因でした。
E-1のLPF交換の際にも同じ問題に直面しシム交換で対処していますが、時系列的に言えばE-30の方が先に発生しています。
E-30ではLVFとOVFで直接比較出来ましたが、E-1は比較対象がなく、後日リファレンス機としてE-1をもう1台追加し、ようやくピンズレ現象が確認出来ました。
E-1で問題が発覚してからは、このE-3での経験から対処方法はわかっていましたので、容易に対策できたしだいです。
実際のLPFの厚み(自分調べ)は以下の通りです。
E-30:3.13mm
E-P3:2.56mm
このLPFの厚さの差分に応じ光路長がズレますので、手振れ補正ユニット(=撮像素子)を固定するシム厚を調整します。
手持ちのシムがそれほどありませんので、ラジコン用のシムを何種類か入手しました。
私のLPFコレクションから、各機のフィルタの厚みは以下の通り。

E-1:3.30mm
E-410/510:3.11mm
E-420/520:3.18mm
E-30:3.13mm
E-P3:2.56mm
E-PL3:2.66mm
しかし、何故に機種ごとにLPFの厚みがこれほど違うのでしょう?(泣)
LPF交換、シム交換に何度も分解、組立を繰り返しようやく完成したと思ったのですが、途中何発も
ラムちゃんの ストロボ充電の電撃を喰らったためでしょうか、液晶が死亡。
E-30のジャンク(水没機)を入手し液晶を移植しましたが、それも束の間で再び液晶が死亡。
運のNASA極まれり、踏んだり蹴ったりで、暫くお蔵入りしてました。
この度、新たなジャンク(電源SW不調)の調達に成功し、ようやくサンコイチでE-30改が完成したしだいです。
残った部材で(液晶は死んでいますが)もう1台リファレンス機を組みましたので、サンコイッテンキュウ(3個1.9)かな(笑)
サブ液晶がありますので、撮影する上であまり支障がないのが救いです。
その代わりに、部品を提供した個体はこんなことに・・・
そのLPFの効果を弱めたE-30改の撮影結果が以下の通り。
リファレンスのE-30と、E-30改とE-5を等倍切り出しで比較するとこんな感じ。

風見鶏の「S」とか、風見鶏上方の電線の解像の違いが判り易いと思います。
オリジナルのE-30では、電線その物がないことになってます。
屋根の避雷針?にスレートの縦線
ちょっとガスってたので眠い絵ですが・・・
木肌の質感に杉の葉の描写
どうでしょう?良い線行ってません?
E-5と同様に解像しています。
むしろE-30改のほうがより解像しているようにも見えますので、少しシャープネスを下げても良いかも知れません。
ファインディテール処理が入っていないE-30ですので、今回の改造でモアレや偽色の問題がE-5より多く出るかも知れませんが、あまり見劣りはしない絵になったと思います。
長い道のりでした。
これでE-5のサブとして
晴れてE-30改投入です。
先日のセントレアもE-5とE-30改の半々で撮りました。
これがE-5。
こっちがE-30改。
これがE-5。
こっちがE-30改。
流石にボディが増えすぎて、どの機種で撮ったかわからなくなって来ましたので、ファイル名を変更して使っています。
E-5はファイル名の先頭を「E5」としています。
E-30改はどうしようか悩んだのですが、 いい
さんまる
くぁい ということで、「39」としました。
なので、
E-30改 改め、E-39と命名です。
ありゃ
VR-4になっちゃった♪
ええ、今日のオチはここです
最初コッチの写真を使おうとして、それじゃオチにならんと気付き、慌てて撮影し直しました(汗)