最近、NHKの朝の連ドラ「舞いあがれ!」にハマっています。
まいんちゃんこと福原遥さん演じる岩倉舞が女性パイロットになる夢をかなえるため努力する物語です。
ガイドブックまで買ってしまいました。
五島(幼少期)編、なにわバードマン編を経て、21日からは航空学校編が始まりました。
この航空学校は航空大学校(通称 航大)がモデルとなっており、航大自身が製作協力しています。
航大の帯広分校で主にドラマ撮影されており、実際の訓練機材を使っての飛行シーンが魅力です。
このドラマ、航空学校の設定が細部まで時代も含めて考証されています。
例えば所在地だったり、定員だったり、試験内容だったり、各課程の期間だったり。
所在地:宮崎本校、帯広分校、仙台分校
定員:72名(18人ずつ4期に分かれて入学) 現在は108名(27人ずつ4期)
試験内容:1次試験が学科、2次試験が身体測定(+心理テスト)、3次試験が面接(+適正検査)
課程:宮崎座学課程4ヶ月、帯広フライト課程6ヶ月、宮崎フライト課程6ヶ月、仙台フライト課程8ヶ月
現在は、宮崎座学5か月、帯広6ヶ月、宮崎6ヶ月、仙台7ヶ月 のハズですが・・・
極め付けは学校案内のパンフレットで、表紙の雰囲気は本物とそっくりです。
機体含めて校章が3枚羽から5枚羽に、CollegeがAcademyに変更されています。
「大学」の文字のデザインも少し変えられるなど、細かな作り込みがなされています。
本編で中を見せるシーンはありませんでしたが、パンフの中身まで作られており、その内容や色使いもそっくりです。
当然実際とは異なるところもありますが、それはあえて変更を加えたものと思います。
まいんちゃんが合格した2006年だけ定員が54名(18人ずつ3期)でしたが、説明が大変なので72名にしたのかな?
当時の身長制限は163cm以上でしたが、それだとまいんちゃんが受験資格が得られず「終了」になってしまうので、緩和された現在の158cm以上の設定になってます。
余談ですが、まいんちゃんが試験に向かう際に、お父ちゃんとお母ちゃんが御守りを渡すのですが・・・
おぉ、飛行神社の御守りだ! と反応してしまいました。
以前、うちの子のために飛行神社で授かってきたので・・・
宮崎ブーゲンビリア空港の展望デッキから見た航空学校の格納庫、中央の「大」の字を外して校章を配しただけで、まんま航大と同じですね。
パンフはAcademyに変更されてましたが、格納庫扉はCollegeのまま。
残念、そこまでの統一は出来なかったか。
面接シーンはスタジオでの撮影だと思われますが、窓の外にはちゃんと宮崎空港周辺の風景が再現されてます。
窓から宮崎空港の管制塔と県警航空隊の格納庫が見えるのですが、
位置関係はバッチリです。
てな訳(ってどんな訳?)で、
聖地巡礼のため航大の宮崎本校まで行って来ました。
もっとも、宮崎本校でのドラマ撮影は行われていません。
校舎も別の施設を使って撮影されており、宮崎本校が出てくるのは格納庫の外観シーンくらいです。
飛行訓練シーンは帯広分校で撮影されていますので、本来なら帯広に行くのが良いのでしょうが、諸事情で・・・(^^;;
せっかく宮崎まで行ったのですが、あいにくの雨模様。
飛行中止もありうる天候でしたが、幸運なことに訓練飛行は行われていました。
何機かが、定期便などの離発着の合間にタッチアンドゴーを繰り返しています。
宮崎本校での訓練機材はシーラスSR22で、飛行訓練シーンが撮影された帯広分校の機体と同じです。
ただ宮崎には赤い機体しかありませんが、帯広には赤と白の機体があり、撮影には白い機体が使われました。
なかでもJA01TCが撮影に用いられた様で、この機体だけ尾翼の校章が5枚羽マークに変更されています。
[追記・訂正]撮影に使用されたのは航大の機体ではなく、シーラスの代理店であるJGAS社のSR20でした。
航大の機体もここから購入しており、整備も委託されています。
鹿児島から機体を帯広にフェリーして、撮影に使用したとのことでした。
厳密に言うと舞ちゃんの入学した当時(2006年)の訓練機材はシーラスSR22ではなくビーチクラフト ボナンザA36でした。
このドラマ、1994年のシーンでは当時運航していたYS-11を資料映像からちゃんと登場させています。
しかし一瞬映るだけのYSと違い、訓練シーンを描くのに当時の訓練機材の使用を求めるのは無理な話ですよね。
ボナンザと違ってシーラスSR22は固定脚です。
固定脚なのに、ドラマで舞ちゃんが「ギヤラップ!(Gear up)」って宣言するシーンがあるような、ないような・・・
って、これは間違いではなく、実際に航大のシーラスには特別にギアスイッチが付いています。
訓練機用のオプションスイッチで、引込式の降着装置の操作や故障が再現でき、訓練では脚の上げ下げを模擬して飛行します。
シーラスSR22の大きな特徴として挙げられるのが、安全装備として
CAPS(Cirrus Airframe Parachute System)を有していること。
期待背面にパラシュートが格納されており、緊急時には機体ごとパラシュートで不時着することが出来るのです。
その時の衝撃は4mの高さから落下した程度に軽減されます。
またシーラスSR22は主翼形状は、NASAが開発した技術を取り入れた工夫がなされ、このおかげで
スピンに陥り難くなっています。
更に、もしもスピンに陥ってしまった場合の回復方法が、上記のCAPS使用となっています。
そのためスピン回復訓練にはシーラスSR22が使えず、セスナC172を借りて行っています。
1時間ほどして雨足が強くなり全機着陸。
これにて撮影終了です。
天候を考えると、撮れ高0のボウズでもおかしくない状況でしたので、ちょっと残念な画しか得られなかったにせよ、
充分満足いく聖地巡礼でした。
Posted at 2022/11/25 01:39:38 | |
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