2019年03月10日
平成31年1月26日、霧島は奈良交通自動車教習所にて大型二種免許の教習を開始致しました。
全長11m、重量10t。車齢28年の大型バス・日野ブルーリボン……。その巨塊と格闘する日々の始まりを告げました。
教習時間は日の落ちた午後6時から2時間連続で行われます。暗闇の教習所、緊張と切迫、興奮と恐怖が相まって、いつもいつも汗びっしょり……。午後8時の教習を終えてMR2に乗り込むとクタクタです。というかバスを動かした後だと、5ナンバーの2ドアのクルマが完全にオモチャにしか思えません……。普通に走って曲がって止まるって、素晴らしいことです。
とは言え、バスも「自動車」には違いありません。教習の内容は普通車のソレとほとんど変わりません。運動エネルギーがケタ違いなので、どれもこれも本当に恐いですけどね……
・坂道発進
→おなじみサイドブレーキ引いて、半クラから発進するアレ。はじめは「ホントにこんなの坂道発進できるのか!?」と思いましたが、意外と何とかなりました。3回に1回ぐらいは後ろに下がっちゃいますが、半クラではなくサイドが滑らかに動いてくれないことが原因ですかね。普通車と一緒です。でも恐い。
・S字(曲線)
→いわゆるS字です。普通車、牽引、大型二種とS字をやりましたが、はっきり言って大型二種のS字は簡単です。それはもうビックリするぐらい。なぜならS字のコース、かなり大きいんですよね。普通にフロントのミラーをポールに沿わせて行けば難なくクリアできます。普通車よりもやりやすい。牽引のは難しかったですけどね……
・V字(鋭角)
→二種免許(タクシー・バス)にしかない項目です。文字通り、V字のコースを曲がるというものです。V字は一発では曲がりきれないので、最低でも一回は切り返しが必要となります。限度は三回、それを超えるとアウト。意外と何とかなるものです。でもこれも三回に一回ぐらいは失敗するという……
・隘路(あいろ)
→車両誘導……と言うらしい。右ないし左へ直角に曲がって、決められた枠の中に車体を収めるという項目です。どのあたりでステアを切り始めるかがキモ。なかなか一発でバチッと決めるのは難しいです。修正は一回までOKだったかな!?
・路端停止
→路肩へ平行に、それも30cm以内に停止するという項目です。フロントバンパーも決められたラインに合わせること。苦手な人は苦手らしいのですが、とにかくミラーを信じて平行にするしかない。2速半クラで微速前進すれば、まぁまぁ。路上でやると難しい。
・位置合わせ
→大型二種特有と思われる項目。バス停に見立てたポールに、ドアに見立てたピラーをピッタリと合わせて停止します。許容範囲はプラスマイナス30cm。走りながら後方を見て……それも斜め方向に見えるポールに合わせるのがなかなか難しい。ちょっとでも路肩との距離が変われば、見え方も大きく変わりますし。深視力が試されるポイントです。
・縦列駐車
→もうやだコレ。縦列駐車、めっちゃ苦手なんですよねえ……普通車の卒業検定もコレで失敗して落ちかけましたし。でも教官の先生の指示・助言通りに位置でステアを切ればスッと一発で入ります。ミラーたくさんついている分、普通車よりは簡単かも!?
・方向転換
→いわゆる車庫入れですかね。最初はちょっと苦労しましたが、これも教官の先生のアドバイスに沿ってステアを切れば割とスムーズです。ただ、フロントタイヤのコースからの脱輪が恐い。ステアを切り増すタイミングを誤ると、アウト側のフロントタイヤがコースからはみ出ます。
・後方感覚
→要するにバックです。バックしながらリアのバンパーを、後方のポールから50cm以内にまで近づけるというものです。試される深視力。ある意味、最大の難関です。
……等々、色々とあるのですが。とにかく教習時間が夜中なので暗くて今ひとつ距離感が掴みにくいのですよねえ……
ただ、それでも物事はこなしている内に何とかなるものです。場内教習14時間(7日)のうち、4日も経つ頃には上記の項目も一通りそこそこクリアできるようになりました。……でも、ちょっとでも油断したら左折/左カーブの際、リアの内輪が脱輪or半脱輪に……(汗)
場内コースでは普通車の教習も行われており、何をするにしてもそちらを最優先。高校生の子たちが免許を取りに来る繁忙期ということもあって、日によってはコースも混雑しています。そんな中、バスを走らせようとすると、発進・停止のタイミングが難しいのですよね。
普通車と違ってパッと発進できないので、なかなか良いタイミングが取れずに発進できなかったり。あるいはカーブでのすれ違いが負荷の場合もあるので、カーブ手前で止まっておかなければならなかったり……。「今なら行ける!」と行こうとして横でブレーキ踏まれたことも多数……
教官の先生も厳しい方もいて、結構キツイ注意のされ方をして自信をなくしかけたり凹んだりしたことも数え切れません。言うて本当に恐いのは教官の先生ですからね……普通車と違ってステアを横から触ることができず、ブレーキ踏むしか危機回避の方法も無いわけですから。
一方で、路端停止で平行に沿わせることの上手さを褒められたり。後方感覚で毎回30cm前後ぐらいで収められたり……で、自信が出たと思ったら、また叱られたり……。毎回毎回、四苦八苦です。
他にも坂道発進で「ヒール&トゥやってごらん?」と言われて、サイド使わずヒール&トゥでの坂道発進をやらせて貰ったけれども、全然できなかったり(笑) ABSのシミューレーター体験(OSはWindows、ソフトはSEGA)で、めっちゃ酔って気分が悪くなったり……(全く酔わない人もいるらしい)
夕方頃、教習所に到着したら教習原簿(ICタグ&LED付きですよ……)を自分で取って、配車機に予約カードを通して、優しい教官の先生に当たることを祈って(配車ガチャって呼んでた)。予習室にこもって学科試験の勉強したり(五回に一回ぐらい9割を割り込む)……。あっと言う間に7日間が過ぎて行きました。
……そして2月9日。いよいよ修了検定の日がやって参りました。修了検定、つまり仮免許の試験ですね。朝早くから教習所へ登校。高校生だか大学生の子たちに混ざって試験を待ちます。
待合室で見ていると、普通車の免許を取りに来ている人の中でMTを取りに来ているのは2割もいない感じでしたね。これも時代という訳ですか……
霧島は大型二種ということで、まずは深視力の検査です。えー、何とかクリア致しました。良かった良かった。
そして試験は、他の受験者の方に乗って貰ったり、他の方のに乗ったりもするのですが、あいにく大型二種は自分ひとり……。ということで、普通車の試験の後席に乗ることに……
おー、現行アクセラだ現行アクセラ! 初めて乗りました。この日、同乗した方は30代後半の方で、ATの限定解除の方でしたね。職場でマイクロバスを運転することになったので、まずAT限定解除した後、中型免許にチャレンジするのだとか。
ぎこちないながらもMT車を1速、2速で走らせる姿を後ろで見ていると、「ああ、自分も10年前はこんなのだったんだなぁ……」と感慨深いものがありました。ですが、浸っている余裕はありません。何故なら次は自分が大型バスを動かさないとダメな訳ですから。
……ある意味、仮免許試験の失敗は、卒業試験で落ちることよりもダメージが大きいです。既に修了検定の後もみっちり教習の予約が埋まっているので、ここでアウトになると全てのスケジュールが大幅に狂ってくるのです……!
「車内後方よし! 左後方よし! 右後方よし! 発進よし! 左振り出し注意!」
確認歓呼と共に修了検定スタートです。確認歓呼も本当に多いのですよね。試験中、ひたすら歓呼しっぱなしです。
「車内後方よし! 発進よし! (発進)」
「後方注意! (ブレーキ)」
「右よし! 左よし! 右よし! 音よし!発進よし! (踏切)」
「車内後方よし! 信号よし! 発進よし! 右よし! 左よし! 左巻き込み注意! 右振り出し注意! 横断歩道よし! (信号発信からの左折)」
……等々。11m、10tもの巨大な車体を制御しながら、瞬時に目視確認&確認歓呼。かなり大変です。一瞬の迷いも許されません。ちょっとミスれば、それは致命的な失敗に繋がります……
坂道発進で30cmほど下ってしまったりもしましたが、路端停止も隘路もとりあえずは上手く行って、修了検定が終わりました。結果は……合格でした! いやもうやれやれです……
修了検定合格に伴い、場内での教習は修了。次は実際に路上での教習が始まります。ほっと一息ついたのも束の間、実際の公道では更なる苦難が待ち受けていました……
続く
Posted at 2019/03/10 16:26:08 | |
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