
行ってきましたよ、東京モーターショー2011。初のTMSですよ。
なんか知らんが今回から会場が東京ビッグサイトになったんでしたっけ。ビッグサイト行くのも初でした。前回の幕張ではFT-86 Conceptが出るってので行きたかったのですが仕事その他で行けずに悔しいのぅ悔しいのぅした覚えが・……やっと念願叶いましたよ。
金曜日、鬼のように山と詰まれた仕事を徹夜で一人で片付けた後、家に取って返してシャワーを浴びたら即、京都。新幹線で東京へ。東京駅で栃木から出てこられた、GTO乗りの ゆう@KFC7号さんと合流。丸の内から無料シャトルバスで会場へ……
モーターショーは一般公開日初日ということもあって人の数が半端なかったです。来場者は10万人を超えてたとか何とか。夕方真っ暗になってもチケット売り場に長蛇の列ができてましたよ。ちなみにコミックマーケットだと14~15万人来るんですよねぇ(滝汗)
まずは東館から突入です。東の4・5・6はヤマハやカワサキなどのバイクのブース。それにホンダと三菱。それにポルシェやVWなどのドイツ車勢が中心でしたかねぇ。
正直、あまりこの辺りは面白いのは無かったかね。人も少なめでした。ホンダとかも現行車種ばっかり持ってきてたしね……アコード、でけぇよアコード。「ビートの後継か!?」なんていわれてる「Small Sports EV」もあったらしいんですけど完全に忘れてた(汗)
その中で目に留まったのはコレです。
そう、ミラージュです。ミラージュと言えば古き良き時代の三菱が発売していたコンパクトハッチ。決してパワーのある速いクルマというわけではありませんでしたが、その整備製の良さやパーツの汎用性の広さなどからラリーでジムカーナでサーキットで大活躍したボーイズレーサーでもあります。
そのミラージュが復活するとかなんとか言ってるんですけど、参考出品車ってことで書いてあるデータを見ると1000cc3気筒のMIVECエンジンにCVTを組み合わせて“目標”燃費はリッター40km。アイドリングストップシステムに回生ブレーキも載せるらしいですよ? 本気かいな……
デザインはマーチとデミオとコルトを足して3で割ったような感じ。もう素直にマーチでもOEMしときなさいよ
「トヨタ車体」なんていうブースもありまして。GRMNのスポーツハイブリッドコンセプトⅡが来てましたね。いわゆるMR-Sハイリッドだったものです。デザインはなかなかだと思うのですが、正直アクが強すぎて個人的には……
故・成瀬弘さんが「一番出したいクルマ」と言ってただけに非常に面白いクルマだそうです。むしろコレよりもアイゴベースのライトウェイトFR,・「GRMN Hot Hatch Concept」が見たかったなぁ。
続いて東館の1~3。マツダや日産ブースがある所です。そちらに入ると、ひときわ大きな人だかりができているクルマが2台。
4ドア4シーターのスポーツクーペコンセプト・「靭 シナリ」。
そして、スカイアクティブディーゼルを組み込んだセダン・「雄 タケリ」。
マツダは鼓動(魂動)をテーマにしたコンセプトカーを2台投入。マツダはいつもコンセプトカーのデザインに力を入れますよね。
厨二病爆発なネーミングもナイス
ただ、まぁこの二台、何にしてもデカイわ・・・。タケリなんかは市販を強く意識してる(次期アテンザ?)らしいですけど……このボディサイズは北米を意識してるとしか思えない。
でもマツダが強いのは欧州市場ですし、実際問題タケリはディーゼル載せてます。正直、マツダの内燃機関技術で北米は・・・虎の子のスカイアクティブも微妙だし。トヨタからハイブリッドの供給を受けるから、北米にも販路を広げたいのは間違いないみたいですが。
ちなみにスカイアクティブ、クレームがもの凄いことになってるらしいです。ま、そうだろうね。タイヤも超燃費スペシャルの専用開発なのはナイショ。
そうそう、スカイアクティブって別にエンジンだけと言うワケじゃなくて、シャシーとかボディとかドライブトレーンにおいても用いられるコンセプトなんですね。デミオはエンジンだけスカイアクティブってことらしいです。そして、初のフルスカイアクティブとして登場するのがCX-5らしいですが、写真撮ってねぇや。つうか、シナリとタケリは注目度がすごくて、写真撮るのメチャメチャ苦労しました。
そんな大盛況のマツダの横で寒風が吹いていたのが日産ブース。もはやリーフとかGT-Rとか珍しくもなんともないしねぇ……。霧島が見てた時はまだCOTYの発表は行われてませんでした。
ちなみに日産、COTYの選考員と評議員を沖縄に招待して色々やってたらしいです。
現行車種ばっかりで正直つまらない日産ブース。珍しいものといえばリーフのニスモRCぐらいでしたかね。注目は……あまり……。カッコいいのにねぇ。閑散としてるのが写真からでもよく分かるのではないかと。
マツダに負けないぐらいに人が集まっていたのがスバルブース。
スバルの「アドバンスド ツアラー コンセプト」。スバルのアイデンティティであるAWDにハイブリッドシステムを組み込んだツーリングワゴン? ちなみにこのクルマ、ドアはセラタイプのガルウィングを採用してます。
デザインやギミックはともかく、将来のレガシィを意識したものかもですね。どっちかって言うとエクシーガですけど、もはや最近はレガシィとエクシーガの違いが分からないよ(爆)
そして、今回のスバルの目玉と言えばコレ!
そう、BRZですよ! もう感激です。遂に……遂に発売されるのか……! 実物を見ると胸が熱くなりますよ、マジでマジで。
BRZは、このホワイトの車体の他にスバルブルーの車体が持ち込まれておりまして。ブルーの方は自由に触って、運転席にも座らせて貰えました。まぁ順番待ちが壁サークルみたいなことになってたので諦めましたけど……orz
ブルーの方は人だかりが凄くてまともな写真が撮れなかった。めちゃめちゃ綺麗だったんですけどねorz
スバルブルーのBRZは、スバリストたちの聖地=中津川スバルの代田社長のブログ・「
中津スバルの濃いスバリストに贈る情報」にプレスデーの時の写真が載ってますから、そちらを見ると幸せになれるかも。エンジンルームも見られます。
スバルと言えばAWDというイメージが強いですけど、スバルはもともとFRに強い憧れを持っていたんですよね。アルシオーネSVXの味付けはFR的なものを目指したってのは知る人ぞ知る話。
「PROUD of BOXER」
速くもGT選手権にBRZを投入する気満々です。この写真を撮るのも苦労したんだ……つうか写真撮ってる人は多かったけど、そのほとんど(特に一眼レフ持ってるハイアマチュアカメラマン)がクルマじゃなくてコンパニオンのおねーさんばっかり撮ってるんですよ……言っちゃなんだかホント迷惑だった(迫真
さて、東館を終えると次はいよいよ西館へ。コミケの時にエライことになるという連絡通路を通って西へ西へ……。西は大本命のトヨタブース&ダイハツのブースがあるのですよ。
まずはダイハツ。正直、今回のモーターショーの中ではダイハツの展示演出が一番見事でした。現行車種より一段も二段も高いステージ上にコンセプトカーを並べてパーソナリティの方々がテンポよく紹介していくというスタイル。もちろんステージ上に客を招くことも忘れない。
「BIG ANSWER from small」。今の日本車で一番堅実な造りをしてるのってダイハツじゃないかね。
ダイハツだったらコレでしょう、「D-X」。SUVを彷彿とさせるエクステリアに2気筒660ccターボエンジンを搭載! もちろんコペンの次期モデルを占う一台です。「かわいい」コペンが「カッコいい」コペンになりました。下手したらホントに次期ビートが喰われるよ?
こういうSUV的な要素を取り入れるのが「当たり」なのは日産のジュークが証明してますね。欧州でも今、SUVがちょっとしたブームだとか。そういやこのD-Xはミニ・GT-Rに見えなくも無い。
AZ-1・ビート・カプチーノのKカースポーツ御三家と比べると地味なイメージのあるコペン。しかし、このD-Xはデザインだけでなく走りも意識されている。これは期待大ですよ! まぁ市販されないに一票入れときますけどね(爆)
そしてダイハツの隣は、ラスボス=トヨタ。モーターショーで随一のスペースを確保。「ReBORN」「Fun to Drive, again」と言うトヨタのモットーを大々的に表示。現行車種はもちろんのこと、コンセプトカーから発売予定車種までよりどりみどり。もちろん大本命はコレです。
ハチロク! 遂に市販モデルのお披露目です(!?)
今回は、このオレンジメタリックのモデルのみが展示。一台しか展示されてないもんだから、人垣がヤバかったですよ。正面から写真撮るのがどれだけ苦労したことか……! 人混みを必死で掻き分け数センチずつ近づいて。正面からハチロクを補足することに成功した時には「撮った!」っとホントに叫びかけましたよ。つうか、スバルみたいに写真撮る用と触れる用で2台展示してくれないと困る……詰めが甘いなぁ。
BRZのデータと同じとすると、全長4240mm、全幅1775mm、全高1300mm、ホイールベース2570mm
。エンジンはFA20って書いてました。最高出力は200ps、最高トルクは20.9kgとのこと。FB20よりも高回転重視のエンジンだとか。ディーラー配布のセールスマニュアルによると、車重は1230kg。
型式名は「ZN6」だという噂が流れてます。(※スバルの型式規則に準拠、トヨタ版もそうかは知らん)
まぁぶっちゃけた話。一発の速さなら、SW20型MR2のVVT-i搭載型3S-GE “BEAMS”を積んでるⅤ型NAの方が上でしょうね。パワーはほとんど同じだけど、Ⅴ型NAの方が若干軽いし何よりもミッドシップだからトラクションは上。絶対的な物理的バランスからフルブレーキング時のスタビリティも上だろうね……ただ、コントロール性やチューニング性についてはハチロクに分があるんだろうなぁ。
うんでもハチロク、カッコいいですよ? デザインだけなら個人的にはBRZよりもハチロクの方が好きかな。ぶっちゃけ欲しいでつ。ただ、まぁSW20を手放してまで欲しいかと言われると……ね。正直、MR2乗ってる人なら、ハチロク買う金でMR2を徹底的にリフレッシュした方が満足度が高いと思う。
エコカーの方ではPHVとかEVもありましたけど、やはり「アクア」が将来の主力車種でしょう。
早い話がプリウスをコンパクトカーにしちゃったっていうクルマですね。リッター40km走るとかなんとか言ってますが……まぁさすがに無理でしょう。でも、クルマとしてのパッケージングは最高でしょうね。早い話がバカ売れ中のヴィッツにバカ売れしてるプリウスを融合させたようなもんですから。
やたらと存在感をアピールしようとしてたプラグインハイブリッドプリウスやEVのiQに比べたら本当にポンと置かれているだけの地味な扱いでしたが、フィットやデミオ、ミラージュを駆逐する「核弾頭」になるのは間違いないかと。ヘタすりゃヴィッツも? エコカー戦争の覇者となるか? プリウスAQUA!?
トヨタブースだけでなく、さりげに今回のモーターショーで一番注目を集めていたのはコレ↓です。
「Fun-Vii」。早い話がクルマがスマートフォンになったって言うクルマですよ。これの集客力は半端なかった。ステージ上で俳優さんを使っての紹介方式だったのですけど、まともに見られなかった。つか、我も我もと押しかけるから、本気で押し潰されるかと思った。よく事故にならんかったな、と。ケガ人が出てもおかしくなかった。
トヨタは、もうちょっと展示レイアウトを考えるべきだった。いや、考えないとダメ。
コミケだったらトヨタは100%ペナルティ喰らいますよ。
トヨタブースでフラフラになった次に待ち構えるのはレクサスのブース。もうFun-Viiとハチロクで気力も体力も残ってねぇよ。
レクサスLFA・ニュルブルクリンクパッケージ。先日、ニュルブルクリンク・ノルドシュトライフェで7分14秒を記録したマシンですよ。50台限定で4000万円オーバー。購入者にはもれなくニュルでのドライビングレッスンが付いてくるとか何とか。
LFAのベアシャシーの展示もありましたよ。560psを搾り出す自然吸気4800ccV10ユニット・1LR-GUE。重量バランスをリアヘビーにすべくリアにマウントされたラジエーターへの巨大なエアインテーク。「天使の咆哮」を奏でるエギゾーストシステム……。
圧倒的な性能と有機的な形状を有しながらも、決して高圧的な感じや嫌味は無い。素朴な美しさを備えていますよ。フェラーリやランボルギーニのようなエクスクルーシブ(「傲慢」「排他的」とも取れる高価さ)ではない、ワビとサビのある和製スポーツカーですよ。NSXとかも、そんな感じですね。
ベアシャシーのLFAはノーマルLFAのようです、タイヤがポテンザS001でしたから。ニュルパケは反則ラジアルと名高いポテンザRE070です。
メーカーだけでなく、部品メーカーや工具メーカーも来てましたよ。「TONE」の前田金属工業とか「Snap on」とか。「Mitoloy」の水戸工機が来てるのにはビックリ。エクゼディやアイシン、ブレーキの曙の展示も面白かった!
変り種ではドアミラーや赤色回転灯、スプリングやカーボン繊維を専門に作ってる企業とかも来てました。エーモンのLEDキットの展示も良かったすねぇ。
NATSがまたやってくれました。分かりにくいですけど、初代インサイトをベースに、ヘッドライトには36型スカイライン、ミッションはレオーネ、リアバンパーは初代エルグランドなどなどと、NATSお得意のツギハギ工作。なんと電気自動車のミッドシップスポーツカーですよ! これはドライブしてみたい……
4~5時間かけて回ったけど、時間なんて全然足りなかったですね。2~3日かけてゆっくり回らんと、とてもでは無いですが全てを見切れないです。人も多かったしね……
来場者の客層は……30代ぐらいが一番多かったかな。若い人は……20代も少なくは無かったですけど……まぁまぁってとこですかね。
クルマってのは燃費だとかエコだとかじゃなくて。「ワクワクすること」が大事なのだと思うのですよ。
いくら凝ったCGを使ってCMを流したり、数字で燃費をやたらと強調してみたって消費者の心には届かないです。そんなのでは所詮「家電」ぐらいにしか受け止められないです。「クルマが欲しい!」と思わせることはできないのですよ。そういう努力を怠ってるクセに「若者のクルマ離れ」なんて大笑いですよ。
「クルマ離れ」だと嘆くのではなく、欲しいと思わせるようなクルマを提案することこそが大切。「欲しいクルマがない? だったらクルマの楽しさと面白さと魅力を教えてやるぜ!」っていうぐらいの気概がメーカーにはほしい所。
でも、今回のモーターショーを見てたら気合の入ったメーカーが多かったと思いますよ。エンジニアたちのクルマ造りにかける情熱が見え隠れしています。少しずつですが、メーカーも「クルマで走ることは楽しいことだ。ワクワクすることだ」ということを伝るべく努力している、変わろうとして来てるように感じられます。
――いつか、この日のことを思い出す時が来るだろうか。
「全てはここから始まったのだ」、と。
---------------------------------------
参考フォトギャラリー
2011/12/03 東京モーターショー2011 トヨタ・ハチロク
2011/12/03 東京モーターショー2011 スバル・BRZ