• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

霧島のブログ一覧

2013年04月30日 イイね!

酷道アタック308 ~暗峠~

 世間では「ごぉるでんうぃいく」らしいですね。何それ食えるのおいしいの??

 生まれてこの方、ゴールデンウィークとやらの恩恵を受けた覚えが全くない。そろそろGWの実在性については大いに議論されるべきじゃないかな?かな?(真顔)

 まあ……連休なんてないものの、何やら奇跡的に休みがあったので……どうせだからどっか行こうってこーとでー。連休が始まる前までにMR2が返ってくるかなとも思ってたけど、そんなわけもなく。相変わらずのプレオによる代車生活なう。

 名阪国道、布目ダム、柳生369、宇治川ライン、各種林道に山道……奈良京都、あっちこっちの道でプレオの性能の高さは証明できた。……そして今回、プレオの走破性能を再検証すべく向かったのは……国道308号線、「暗峠」。



 暗峠(くらがりとうげ)。古代より、大阪と奈良を結ぶ最短ルートとして使われてきた街道。奈良県と大阪府の県境に位置する生駒山を越える峠道なのですが……その急な傾斜と、狭い道幅。そして荒れた路面は日本最高ランクの「酷道」として有名なのですよ……! なお、名前だけの「酷道(こくどう)」ではなくて、立派な「国道」です。

 前々から行ってみたかったのですけど、さすがにSWでは行き辛いものがありまして……だが、今は手元に軽自動車がある。なら、いつ行くか、今でしょ! ……うん、まぁ知り合いがつい一昨日、原付で行ってきたらしいので、完全に触発されただけの話です、本当にありが(ry

 今回も、ふりくしょん君を拾って出発。連休ってことで、あっちこっち大渋滞の奈良市内をあれこれ抜けて、308へ。



 とりあえずのスタート地点を、近鉄尼ヶ辻駅に設定。ここより東は三条通りってことで、片側二車線の広い道だしね……

 県立奈良病院の裏手、西へと向かってひた走る……住宅街なんだけど、既に細い。けっこう細い。離合は、それなりに気を使うかな?って感じ。もはや国道ではない。




 赤膚を超えて、砂茶屋の交差点。富雄川を渡ると……もはや「国道」の表示もなければ、そもそも行き先すらも書かれていない……この時点で「こっちへ来るな」と言わんばかり。



 まだまだ住宅街は続くのだけど、急激に勾配が強くなる。プレオのミッションをマニュアルモードに変えて、1~2速で上ってゆく。うん、スーパーチャージャーの恩恵は絶大で、パワー不足は感じない。軽のボディのコンパクトさも相まって、道幅の狭さもあまり気にならないね。

 道路は、奈良市内から大和郡山市内に一時的に進入する。



 住宅街は消え、山道と言っても差し支えないような光景。このあたりは矢田山地と呼ばれる丘陵地帯。ぶっちゃけ山です。この山を南へひたすら行くと、日本最古の厄除け霊場である「松尾寺」。さらに南へ行くと、斑鳩や法隆寺へ行き着くのですよ。



 その途中、こんなものが……「郡山警察犬訓練所」。そういや噂は聞いたことがあるけど、こんな所にあったのね……いや、ここいら、普通車ではあんまり来たくないよ……



 でも、308を走ってたら、けっこう普通車やらミニバンやらとバンバンすれ違うし、ハイキングと思しき人たちもいっぱいおられて……わりと気を使う。でも、離合に関しては、そこそこポイントが多い上、やはりこの辺を走る人は運転が上手い人が多いようで、スムーズにすれ違えますよ。歌姫街道とは違うのだよ、歌姫街道とは!



 矢田丘陵を越えて、大和郡山市を抜けて生駒市に突入。再び住宅街が姿を現して、道路も一気に広くなる。そして目の前に聳え立つのは、奈良の霊峰・生駒山。

 生駒山……古くは飛鳥時代、白村江の戦いにおいて敗れた倭国が「烽火(とぶひ)」と呼ばれるシステムを構築。万一、唐・新羅が倭国に攻め込んで来た場合、九州から狼煙のリレーを行って、唐の襲来を畿内の都へと伝えるというものでした。その烽火の最終地点が、この生駒山だったのですよ。

 自動車好き的には、ここは関西の走り屋のメッカ。東より、清滝峠・阪奈道路・十三峠・ぶどう峠などなど……有名な峠がいっぱいなのですよ。特に阪奈道路なんかは、80年代、何百台というバイクやクルマで埋め尽くされたって言いますね。かつてジャンプで連載していた「押忍 空手部」でも、峠バトルの舞台になってましたっけ。

 また、この生駒山を縦走する「信貴生駒スカイライン」は全長20km以上、高低差300m、コーナー数は軽く100以上……と、かつては関西でもトップクラスの走り屋の人たちが集まる難コースだったのですよ。ニュルブルクリンクも真っ青な信貴生駒スカイライン、確か「86峠セレクション」にも選ばれてたんですねえ。

 他にも、この山を走る「生駒鋼索鉄道」こと生駒ケーブルカーは、日本最古のケーブルカーだったり。生駒山山頂にある生駒山上遊園地(スカイランドいこま)にある飛行塔は、現存する遊園地の遊具としては日本最古だったりと、あれこれと見所も多し。ちなみに霧島、学生時代は生駒の遊園地でバイトしてました。懐かしいなぁ……今はゴールデンウィークなんで、一番忙しい時期ですよ。今も当時の仲間たちが、働いてまっす。

 後は……生駒山は関西随一の心霊スポットでもあるのですよね。十三峠で、フロントガラスに張り付いてくる女の幽霊の話なんかは、実際によく聞きますよ。信貴スカの首なしライダーとか。旧生駒トンネルなんかは、鉄道の大事故が起きた場所でもあって、「マジでヤバイ」と言われますねえ。大阪府側にある石切という町は呪術・占いの町としても超有名。色々と、曰くつきの山でもあるのですよ。

 走り屋スポットが多いってことで、悲惨な事故とかも頻発してますしね。何年か前にNSX2台と、EK9・EG6が絡んで炎上。NSXが跡形もなく燃えて溶けて無くなった大事故は、今もよく耳にしますかね……

 そして暗峠は、写真の通り、ちょっと生駒山の凹んだ場所にあるのですよ。そして我々は、今からそこへ向かって行く、と……



 矢田丘陵と生駒山に挟まれた「生駒谷」を越えて、ついにプレオは生駒山へと差し掛かる。「凍結時通行止」「この先行き止まり」等の看板があっちこっちに出現する。さらには……「車幅1.3m制限」の看板なんかまで……プレオの全幅は……1475mmだったよorz

 

 一時的に、道路の幅も広くなるのだけど、路肩には大量にクルマが止まっている……恐らくみんな警告看板を見てクルマを降りて、徒歩での登山に切り替えたんだろうなぁ……FJクルーザーとかいたけど、さすがに無理だと思われ……



 まぁまぁ、確かに勾配はなかなかなのだけど、特段苦労することもないなぁ。プレオも、なんら問題なくスイスイ走ってくれてるしね。なんやかやで、ちょくちょく大き目のサイズの普通車とすれ違ったりもするんで、軽自動車なら余裕も余裕って感じですよ。



 そして目の前に急に現れたる高架をくぐる。この高架が、信貴生駒スカイラインなのですよ。そしてトンネルを抜けると……



 道はなぜか、突然の石畳……もうゴッツンゴッツン言いながら走ってますよ……そう、ここが暗峠ですよ! ついに頂上までたどり着いた……! ちなみに、くどいようですが、これでも国道です。でもまぁ噂ほどじゃなかったなぁってのが正直な感想でしたねえ、「ここまでは」。



 そのままの流れで、大阪側へと下ってゆくのですが……勾配が……勾配が……。明らかに奈良県側よりも傾斜が急なのですよ……

 もうギアは完全に1速で固定。アクセルなんて全く踏まない、いや踏めない……!



 もうブレーキ踏んでないと、どんどん加速してゆく。ずーっと、フットブレーキを踏みっぱなしですよ……。それでどんどん加速しようとしてゆく車体を必死で押さえ込みながらズルズルズルズルと山を下ってゆく。



 恐らくここが、最大の難関だと思う。道路に、あまりにも生々しく刻まれたブラックマーク。勾配が急すぎてトラクションがかからないんだね……。それだけでなく、カーブのRも、ものすごいキツくて、教習所のクランクやS字よりもよっぽど辛い。



 ウィキペディアからパクってきた画像。最大勾配は……37パーセント!? 正直、なんか急ブレーキかけたら前に車体が前転しそうですよ……

 そういや昔テレビで、どこぞの芸人の人が電動自転車で、ココを走ってたなぁ……ようやるわ……。ちなみに足をつかずに上りきってましたっけね。



 懸案事項は、急な勾配だけじゃない。祝日ってこともあって、家族連れやおじいちゃんおばあちゃんの登山客が路肩にはいっぱい……ソロソロ進まないといかんから、余計にブレーキに負担がかかるかかる……何度も何度も歩行者の人たちに頭下げましたねえ……



 正直、この時点でブレーキがかなり危なかった。足裏からヌルヌルしたフィーリングが伝わってくる。めいっぱいエンジンブレーキを効かせて、人が歩くぐらいのスピードでそろそろ降りてるのに、ブレーキペダルをベタ踏みしても、ズルズルと5mぐらい進んでからやっと止まるって感じ。試しにパーキングブレーキかけてみたら、もう全然ダメ。どんどん下がるばかりで、その場に踏みとどまってくれない。

 おまけに……明らかにフロントタイヤの辺りから、焦げ臭い匂いが……。このままではフェード現象……さらにはペーパーロックの危険性も……? 最悪の事態が頭を掠める。ここでブレーキが効かなくなったら、もう完全に暴走状態……!



(あかん)

 直感して、ちょうど目の前にあった茶店の傍の空き地に逃げ込ませて貰いましたよ……ホントに助かった!

 タダで止まらせて貰うのも悪いので、茶店でアイスを買って食してみたり。その時、店の人に話を聞いたのですが……去年、山を下っていたキューブがこの店に突っ込んだそうな……ヒョェェ……。たぶんエンジンブレーキなんてものをよく知らなくて、ブレーキに負担かけまくってコントロール不能になったんだろうなぁ……ターンパイクみたいに退避所もないしね……

 そりゃあ、軽いボディの軽自動車、それも走りにおける信頼性は抜群のプレオRMですら、けっこう危険な領域に入ってましたから、普通車だと、相当ヤバイだろうなと思いますよ……。暗峠アタックって、大抵は大阪から奈良へ抜ける方向が主流ですし。

 ていうか、ここの坂を上るのかよ……上れるのかよ……って思って見てたらハイエースがグイグイと坂を上って行くし……(滝汗) 案外行けるみたいっすw



 いやでも景色はすばらしいですよ! 東大阪から大阪市内までが一望できます。左の奥手には、阿倍野のビルも見えてますしね!

 一方のプレオ。ふりくしょん君がボンネット開けて見てましたけど、ブレーキフルードが沸騰してる様子はなし。フロントブレーキも、えらく焦げ臭かったのが、段々と冷えてきたのがよく分かる。うん、これなら大丈夫そうってことで、再び山下り開始。



 道は完全に住宅街……ここでブレーキが効かなくなってたら……と思うとゾッとしますねえ……止まるのは止まっても、すぐには止まれないので、急に人やクルマが出てきたら、それだけでアウトでしたからねえ……


 大阪府は東大阪市、枚岡へと抜ける。ようやく勾配も終わって平坦な一般道。308沿いにあったセブンイレブンに入って軽食を摂る……いやぁ……上りがヤバイヤバイみたいな話ばかり聞いてたから、まさか下りの方がキツイとは思わなかった……ていうか、あの下りを逆に上ってみたらどうなるか……?

 あの急勾配、果たして非力な軽自動車、それもFF車でトラクションはかかるのか……?あれこれと好奇心は尽きないわけですよ。



 セブンイレブンを後にして、枚岡から308を暗峠へ向かって走り出す。マニュアルモードで1速、たぶんCVTの自動制御任せじゃ上ってくれない……

 いやでもコレは……案外いけるぞ……?



 あっと言う間に茶店を抜けて、山中へ。うん、もう明らかに下りの時よりもペースが速いという……。凄いなぁスーパーチャージャー、低速からトルクがモリモリ。そりゃガンガン上っていくってわけにはいかないけど、全くストレスなしに上っていきますよ……!



 やがて、あの最難関の区間へと突入。さあ、プレオ……グンマーの山奥で鍛えられた、その性能を見せてみろ!

 ……なんて言ってる暇もなく、何事も無かったかのようにクリアしてしまうプレオ……マジかよおい……。まぁまぁ、あの区間はインベタで走るとかワケのワカランことさえしなけりゃ普通にクリアできますけどね……ていうかあそこをシビックタイプRで走った方がおられたっけ(笑)

 1速で4000回転、時速20kmってところ。ぶっちゃけ2速に入れても上ってくれるぞ……ホントに軽かよコレ……。でも、過給気でも、ラグのあるターボだと、こうは行かないんだろうなぁ……



 ※国道です。誰がなんと言おうと国道です。幅が2mなくても、国道です。国道って言ったら国道なんだ!

 まぁ普通車でも走ってるからねえ……軽で走れない道理は無い……




 そうこうする内に峠の頂上。なんかもう、ヒヤヒヤしっぱなしだった下りと違って上りはあっと言う間でしたよ……!



 再びの奈良県。

 ちょくちょくミゾを越える時なんかは、多少はフロントタイヤが空回りするフィーリングはあったけど、全く気にならないレベル。確かCVTの制御で、タイヤが空転したら、自動的にCVTにおけるギア比をいじって、空転を抑えてくれるんだっけ……?上り坂でも有効なのかは知らんけど……



 奈良県側の下り。生駒市と奈良市を眺める。手前の山が、矢田丘陵、その向こうは春日~奥山で、その向こうには月ヶ瀬や柳生、山添から伊賀上野ってところですねえ。

 大阪側の下りと違って、奈良県側は道幅も広いしブレーキの負担も少なくて余裕余裕ですよ。まぁまぁ、さすがにアクセルベタ踏みからのフルブレーキングなんかはしなかったですけど、さくさく下って、308から一般道に移って「国道」を後にしましたとさ。




 そしてその後は、阪奈道路へ……。ここが阪奈道路(下り)の有名コーナー・通称「サブロク」。オメガ状の形をしてて、360度に近い形ででグルッと円を描くようなコーナーになってるんですよね。なお、上り下りが別々の道になってて、片側二車線道路です。

 昔ここでCR-Xが曲がりきれずに壁に突進。そのまま壁をかけあがって、ありえない高さの所にタイヤ痕がついた、なんてのは有名な話w


 しかし、今回のチャレンジでも、プレオには改めて脱帽しましたわ……。確かに下りでブレーキが危なっかしくなったのはあるけど……登坂性能に関しては文句の付け所が無い。FFでこれなら、4駆動なら……? RMでこれならハイオク仕様のRSはどんななんだ!? そしてマニュアル車だったら……?

 なんかもう、どんどんプレオが好きになってゆく今日この頃……個人的には、やっぱ車高とシートが低くて、サスの硬いクルマでないと物足りんけども……正直、セカンドカーとしてプレオが欲しいっすよ……いや、現行のじゃなくてね。

 とにもかくにも、今回もよくがんばってくれた。プレオ、お疲れ様!

Posted at 2013/04/30 00:06:10 | コメント(11) | トラックバック(0) | 自動車 | 日記
2013年04月26日 イイね!

「MR2の系譜」 AW編 第06回 ~MR2の誕生、そして~

「MR2の系譜」 AW編 第06回 ~MR2の誕生、そして~  1983年10月28日、晴海の東京国際見本市会場にて、第25回東京モーターショーが開催される。

 出品車両は945台と過去最大であり、この数字は、今なお東京モーターショーの歴史の中でも最高ランクの第三位に位置する数でもあった。120万人を超える大盛況の中、一際、大きな注目を集める車両があった。

 その名は「SV-3」。長らく開発が噂され、泥沼のスクープが合戦の渦中にあったトヨタのミッドシップスポーツカーが初めて公式の場に姿を現した瞬間であった……

 ホワイトとグレーのツートンカラーにイエローのライン。スピードメーターにはデジタルを、タコメーターにはアナログを採用したインストゥルメンタルパネル。スーパーカーの象徴とも言えるリトラクタブルヘッドライト。ルーフのウィンドウを取り外せばオープンとなるTバールーフ。そして、何よりもエンジンがリアミッドシップに収められたその躯体は、大変な熱気を以て迎えられたと言う。

 SVとは「Sporty Vehicle」、あるいは「Sports Vehicle」の略称と言われている。SVのコードを冠するモーターショーのコンセプトカーは、それまでにも二台存在し、SV-1は後の初代セリカのリフトバックモデル。SV-2はA60型セリカXXとして発売されていた。

 SV-3が、日本初のミッドシップカーとして市販されるであろうことは誰の目にも明らかであった。


~背中には、ふたりを酔わせるハートがある~

 東京モーターショーでの反響も受け、トヨタはSV-3の市販化へと動く。そして、その車は、『MR2』という名称を与えられ、遂に量産化が開始されることとなる。MR2とは、『Midship Runabout 2sheeter』という造語の略であり、「小型で軽快に走るミッドシップの2シーター」という意味であった。

 MR2第1号車ラインオフの式典の際、MR2開発の発端となった『従来の発想では考えられないようなコンセプトの車輛がトヨタにはあってもよいのではないか』というスピーチを行った豊田英二前社長もセントラル自動車に足を運び、自らテープカットを行ったという。


 ※セントラル自動車にて、MR2の第一号車ラインオフ式典の様子。

 トヨタの社長がラインオフ式典に訪れるのは極めて異例のことであり、その時の英二の笑顔は忘れられないと吉田は語る。

 ……そして1984年(昭和59年)6月8日。東京は赤坂のラフォーレミュージアム赤坂にて、MR2の発表会が開催され、 MR2は遂に世界に姿を現した。



 従来、自動車の新車発表会とは、メーカーの本社ビルや都内の一流ホテルなどの格式の高い会場を借りて行われるの通例であった。だが、ラフォーレミュージアムはファッションショーなどの比較的カジュアルなイベントが行われることの多い場所だった。

 「MR2という全く新しいジャンルクルマの発表において、照明や音響などの設備も豊富で、様々な演出も可能なラフォーレを用いて、斬新な雰囲気にしたかった」。そう、広報担当者は語る。

 MR2を覆うベールに当てられたスポットライト。BGMと共にベールが引き上げられ、ドライアイスの白煙が薄れてゆき、MR2が報道関係者の前に肢体を露わにする。このような発表会は、新車発表としては、極めて異例のことであったという。



 全長3925mm、全幅1665mm、全高1250mm、ホイールベース2320mm。最低地上高140mm。車両重量940kg。グレードは『Gリミテッド』『G』『S』の3種類。『Gリミテッド』と『G』には『AW11』。廉価グレードで、SOHCユニットの3A-Uを搭載した『S』には『AW10』の型式名が与えられた。

 緑色と金色に染め分けられた、シャーウッドトーニングと呼ばれるボディカラー。前年に発表されたスポーティFRクーペであるAE86型スプリンタートレノ/カローラレビンよりも、さらにコンパクトなボディサイズ。

 コンセプトカー・SV-3からは、デジタルメーターの廃止やウィングの形状の小変更。Tバールーフの廃止の変わりにムーンルーフと呼ばれるサンルーフが設定されるなど、細かな変更点はあったものの、その姿はほとんどSV-3とは変わらなかった。



 ミッドシップレイアウトに収められるのは、エンジン横置き型のFF用ユニットとして開発された4A-GELU。電子燃料噴射装置を備えた自然吸気直列4気筒DOHCは、最高出力130馬力、最大トルクは15.2kgを搾り出し、その非常に軽快な吹けあがりとは裏腹に、驚くほどの厚い低速トルクを生み出してくれる。これが、日本初のミッドシップとなるMR2の全容であった。


 MR2は、ミッドシップというスポーツカーの理想とされるレイアウトを採用したクルマであった。だが、絶対的な速さや走行性能を、ひたすら追求したスポーツカーでなかったのも事実。「MR2」とはあくまでシティ・ランナバウト、即ち「軽快にキビキビ走る楽しいクルマ」と言うコンセプトが込められた名前であり、実際にトヨタがMR2のことを「スポーツカー」と公に呼ぶことは決してなかった。かつてのトヨタ2000GT以降、トヨタが堂々と公式に「スポーツカー」を名乗ることを許すマシンは1993年のA80型スープラ、その次には2012年のZN6型86を待つことになる……


 ……MR2が発売された数年後、吉田は再びアメリカに渡る。かつて自身が居を構え、MR2の構想を練った西海岸のロサンゼルス。そこで吉田は、ある光景を目にすることとなる。

 吉田の前にシルバーのMR2がやって来た。運転席から降りてきたのは、現地の若い青年。青年はMR2を路肩に停めると、そのまま目の前の店へと入っていった。

 それを見た吉田は、手にしたカメラで思わずシャッターを切った。



 独特の若者文化の花開いた南カリフォルニア、「ここの若者たちにクルマを買ってもらうとしたら、どんなクルマが良いのだろうか」。それが、MR2の原点であり、全ての始まりであった。それから10年以上が経った今、かつて自身が思い描いた通りの光景が、まさに目の前に繰り広げられている――

 「感慨深かった」。吉田はそう述懐する。

~カー・オブ・ザイヤーの受賞~


 ♪「Le Train de Paris」/Sapho(邦題:「パリ・エキスプレス」のリミックスバージョン)

 AW型MR2は、日本国内だけで4万826台、海外を含めると10万台を超える売り上げを達成する。もちろん量産車としては決して「大成功」とは呼べない数字ではあるかもしれないが、かつてこれほどまでの人気を博したミッドシップは世界中どこを探しても存在しなかった。

 そしてMR2の売り上げ特徴として、女性ユーザーの比率の高さが際立った。メインマーケットとなる北米ではオーナーの50%が、英国ではなんと60%ものオーナーが女性となったのである。これぞ、MR2の開発陣営が徹底的に研究を行った、静粛性や居住性、快適性などが評価され、操縦性についてもマイルドなものではあるが「誰が初めて乗っても違和感なく運転できる」というトヨタが最も大切にしてきた哲学が「新時代のパーソナルクーペの、あるべき姿」として支持されたことに他ならなかった。


 ※MR2の宣伝ポスター。モデルはMR2のCMソングを歌うフランス人シンガーのSapho(サッフォー)。

 日本初となるミッドシップ・MR2。そのあり方には賛否両論があったが、誰もがMR2に深く注目し、そして大きな話題となったことは疑いようがなかった。

 そしてMR2が発売された年の1984年の第5回カー・オブ・ザ・イヤー。当然のことながらMR2もノミネートの対象となる。評点においては、辛口で知られる自動車評論家・徳大寺有恒が、自身の評点において最高となる8点を入れたという。徳大寺はMR2について別の場所で、後に主査となった有馬和俊に対して「刺激的な部分が欠落している、ちょっと魅力が足りない」ともコメントしている一方での、この評点。「これからのトヨタ」に対して、いかに期待を寄せていたかが見て取れる。

 また、選考員の中には「重量が重い。重くなるほど補強しているにも関わらず、ボディ剛性が不足している。そしてそれがハンドリングに影響している。だからMR2に3点以上は、どうしても与えられない」と述べて、DOHC16バルブのシビックに9点を投じた者もいた。(まあ……「ボディ剛性」って言ってる時点で、誰のことか言わなくても分かるよねえ……)

 だが、「あの」トヨタが。「石橋を叩いた上に渡らない」「冒険しない」「面白みがない」「家電製品ばかり作る」等々、実態は別として「極めて保守的」というイメージばかりが先行してしまっていたトヨタが、このようなクルマを国産メーカーの中で先駆けたことが、最もMR2が評価された理由であることに間違いはなかった。

 そして、選考員の一人であり、ベストカーガイド(現ベストカー)の創刊に尽力した正岡貞雄は、MR2に次のようなコメントを贈っている。

「MR2は、いま、一番楽しいクルマ」

 昨年の夏の終わり、ぼくはMR2で関西に出張していた。仕事も一段落して、真っ直ぐ東京に戻るのも能がないので、かねてより心惹かれていた河内長野に行くことにした。それは雨の日曜日であった。

 阪神高速、堺線で堺に出、光明寺池を経由して河内長野にある観心寺に着いたのは午後1時だったろうか。観心寺には、動乱の鎌倉末期に足利尊氏を散々悩ませた武将、楠正成が祀ってある。つまり、この寺から山路を東にのぼると、金剛山、千早城に出るわけで、ぼくはそのワインディングロードを愉しみにきたわけだ。

 観心寺から渓谷にそって千早城にむかう途中、小綺麗な喫茶店があった。そこで休息をとったあと、ぼくは千早城から水越峠を経て、葛城へ出た。

 葛城のいくつかの古い社を訪ねたあと、ふいと座席をみると財布やライセンスを入れた革の小さなバッグがない!
 
 さあ大変だ。これでは東京に帰れない。心を鎮めて、どこで失くしたかを考えてみた。ふっと河内長野の白い喫茶店が想い浮かんだ。

 それからは、もうMR2を飛ばしに飛ばした。ご存じかと思うが、葛城から水越峠越えは古代から有名な難所である。そこを、MR2はミドシップの特性を生かして、ひらりひらりとコーナーをこなしてくれたのである。

 これだ! クルマ本来のもつスポーツ性とは……。パワーが足りないとか、ミドシップ本来の姿は、こんな妥協の産物であってはならないという意見もあるが、逸る心を乗せてこんなにファン・トゥ・ドライブできるクルマが、いま、ほかにあるだろうか!? ぼくがMR2に最高点を与えた理由は、そこにある。で、幸い、ぼくのバッグは、予想通り、喫茶店のかわゆい娘さんが保管してくれていた。



 ――かくして、MR2は見事にカーオブザイヤーを受賞することとなる。

~MR2の系譜、そして歴史の始まり~

 MR2は翌1985年、北米において「'85 MOTOR TREND IMPORT CAR OF THE YEAR」を受賞。日米において二つのカーオブザイヤーを受賞することとなる。


 ♪「Globe Night」/Sapho(邦題:「コッチキテTongiht」のリミックスバージョン)

 1985年1月には、特別仕様車である「ホワイトランナー」を発売、同1985年6月3日、発売から一年を経たMR2は小マイナーチェンジを敢行する。マイナーチェンジとは言えど、バンパーやリアスポイラー、サイドマッドガードなど、それまで未塗装のブラックのままであったパーツを、ボディと同色化。さらに、「スパークルウェーブトーニング」や「ニューシャーウッドトーニング」などの新規カラーが与えられる。



 さらに1985年8月23日「Gスポーツパッケージ」と呼ばれるモデルが追加。これはGグレードをベースに、標準では設定されていなかったリアスタビライザーを追加。サスペンションを強化し、タイヤはポテンザRE71に設定。サイドマッドガードや7wayシートを採用するなど、よりスポーツ性を高めたモデルであった。

 1986年1月には、Gスポーツパッケージをベースとして特別仕様車「ブラックリミテッド」が限定販売される。


 ……MR2のデビューを見届けた吉田はやがて定年を迎え、トヨタ自動車を退職する。

 だが、MR2の歴史は終わらない。この先もMR2は、幾度も幾度もマイナーチェンジとモデルチェンジを重ね、その身を変えてゆくことになる。

 さらなるパワーを与えられたスーパーチャージドAW11。グループBの悲劇。「危険なクルマ」として世界中を震撼させることになるSW20。GT選手権の栄光。アンチパワー・ライトウェイトへの原点回帰・ZZW30、そしてハイブリッドへ――

 販売期間23年に渡るトヨタ・ミッドシップヒストリーは、今まさに始まったばかりだった……

(第7回へ)

※注:
※誠に勝手ながら、文中は敬称略とさせて頂いております。

参考文献:
 省略します。第一回を参照のこと。

関連項目:
「MR2の系譜」 AW編 第01回 ~主査・吉田明夫~
「MR2の系譜」 AW編 第02回 ~プロトタイプMR2 “730B”~
「MR2の系譜」 AW編 第03回 ~MR2のシャシー・駆動系~
「MR2の系譜」 AW編 第04回 ~MR2のボディ・エクステリア・インテリア~
「MR2の系譜」 AW編 第05回 ~MR2を巡るスクープ合戦~

スペシャルサンクス:
・アルティマ♪ 様(資料提供)
・しょっぺた様(車輌協力)
・正岡貞雄 様
Posted at 2013/04/26 11:39:02 | コメント(3) | トラックバック(0) | MR2の系譜 AW編 | 日記
2013年04月23日 イイね!

代車生活、プレオの日々

 ……あー。なんか最近、イベントの話ばっかで、クルマの話を全く書いてない気がする……次回のMR2の系譜とか、下書きを書き始めたのは2月26日だったよ……Oh.......

 まあ……この2~3ヶ月、色々とあったのですよ……色々と……。あっちこっちバタバタ走り回ったり、かと思ったら体調ダダ崩れで寝込んだり……その他諸々。なんかもうねぇ……知ってる人は知ってると思うけども……

 その間、MR2も色々とありまして……リアタイヤはパンクするわ、ウィングも補修しなけりゃならんくなるわ、エンジンからオイル滲みが出てくるわ……ああ、車検ももうすぐだわ。自動車税も言ってる間だねえ……

 
 それでも少しずつ少しずつリペアやらブラッシュアップも進めてはいるわけで……5月には2013年仕様も出来上がるんじゃないでしょーか!? ……今年もブレーキキャリパーのオーバーホールはやらずに終わりそうだけども。



 まずはタイヤの調達。もう一ヶ月ぐらい前の話だけどもね……。リアタイヤの純正サイズのポテンザRE-01が、どうにもこうにもならなかったので、205/45/16のプロクセスT1Rを履かせてたのだけど、そりゃまぁビックリするぐらいにリアのスタビリティは落ちるわ、ブレーキ踏んでも止まらないわ……だったので……本当は夏ぐらいまでリア205で通そうと思ったのだけど、あまりに危ないんでタイヤは一番最初に換えることにしましたよ。

 今回の銘柄は225/50/15のヨコハマ・アドバンネオバAD05/06。ヨコハマのモデル5が安くで譲って貰えるって話もあったんで、どうせならリア17のフロント16にしようかとも思ったけど、車高やらクリアランスやら干渉の問題やらもややこしいし、タイヤもいい感じのが見つからなかった。なので、ちょうど安くで純正サイズのネオバが出てたので、ネオバにしましたよ。さりげに初ネオバっす。



 ネオバ。現行モデルはファイヤーパターンのAD08なのだけど、SW20純正サイズの225/50/15はいまだ二つ前のモデルであるAD05/06です。作ってくれてるだけ、ありがたいっちゃありがたい。なお、05と06で二種類あるのは左右非対称形状だからです。

 今までリアタイヤは、RE-01を中心に、程度良の中古を使い続けて来たのだけど、初めて新品タイヤってものに手を出しましたよ……2013年第9週製造……もう表面のゴムがすんげぇ柔らかいのですよ……!

 フィーリングは……そりゃもうグリップ感がスゴいのですよ。ポテンザRE-01に比べたらサイドウォールの剛性が無くて、3.0気圧入れても指で押したら凹むぐらいの柔らかさ。ちなみにRE-01だと2.6ぐらいでもカチカチっす。

 でも、RE-01と違って、つっかえてる感やつっぱってる感がなくて……リアに絶大な安心感がある。今まで信じて使い続けてきたポテンザとは一体……(汗) そりゃ周りの走り屋さんたちが、揃い揃ってネオバを強く推しておられるわけだわ……

 タイヤのグリップ力ってのは、「粘着力」「凝縮力」「ヒステリシス損失」の三つで決定されると言われるわけですが……タイヤそのものの剛性を上げて、トレッド面の粘着力と凝縮力でグリップさせようとするポテンザに対して、ネオバはヒステリシスロスを積極的に使おうとしてるなぁ……と。

 限界がよく分からなくて、どこまでなら踏んでも大丈夫なのかってのが分かり辛いポテンザに対して、限界が比較的分かりやすいネオバって感じですかねえ……ていうか、どれだけ横Gをかけたら限界を超えるのかと(なんやかやで、まだあんまり走れてない)

 ただ、たぶん欧州とかへ持ち込んだら、断然ポテンザの方が人気はあるだろうし長持ちもすると思う。ネオバを欧州の環境で使ったら、一瞬でスリックに早がわりするんじゃないかな? 燃費もポテンザの方が上だった。思想と哲学が違うんだろうなぁと。

 現状は、リアがネオバ。フロントは純正サイズのRE-11なのですけど、フロントもリアもネオバにしたら、一体どーなるんだろ?って感じで恐ろしいっす。



 んで、次に手を入れたのは車高ですよ。霧島は去年の頭に、SW用が新発売になったKTSのSC DAMPER SYSTEM βを入れたのですよ。その時に車高を前傾姿勢に取ってたのですよ(まぁ、車屋さんが独断でやったのだけど)。

 まぁ、それでずっとあれこれ試してみたのだけど……どう減衰をセットしても、リアに不安感が残る。腰高感は当たり前だけど、減衰を一番落としても、すんごいリアサスが硬い……明らかにプリロードが足りてないなぁと。見た目はカッコ良かったんだけどね!

 とあるお方からも「前傾はよろしくない」ってことで諭されたので……一年経って、ようやく車高を再セットすることに。見て分かるかもだけど、今度は後傾姿勢。地面からフェンダー上部までの高さで測って、フロントに比べて1.5cmぐらいリアを低くしましたよ。



 そしてリア、このクリアランスである(汗) はい、指が入りません、本当にありが(ry RE-01の時は、車高をペタペタまで下げても、ここまではならなかったのだけど、今回のネオバが新品で、さらにサイドウォールの形状の違いやら何やらもあって、こうなった模様。

 絶対にストロークする時にリアに当たるなぁ……と思ってたのだけど、案外当たらないもんですね。ストロークした時、キャンバーがネガ方向へ傾いて、フェンダーの爪を避けてくれる模様。

 で、車高をいじった結果は……もうビックリするぐらいに良くなりましたよ! リアの安定感が段違い。ていうか別次元。フロントが高くなってるので、フロントタイヤの応答性が悪くなったり、フワフワ感が出るかと思ったのですけど、そんなの皆無。むしろフロントの手応えは良くなりましたよ……!

 さらに、すんげぇ曲がる曲がる……アンダーアンダーの連発になるかと思ったけど、むしろオーバー気味なぐらい。今まではタイヤ半分ぐらい外にはみ出る感じだったけど、もはや完全に手の内で曲がってくれる。ステアリングを切ることによって発生する応力を、リアがしっかり受け止めてくれる。力点支点作用点の概念が完全に当てはまるとは言わんけど、支点がしっかりして、きちんと曲がろうとする力がフロントに「返って」来てくれる(イメージ、伝わるかなぁ……たぶん理解はして貰えないだろうなぁ……)。

 SWの重心の位置を考えた時、フロントを接地させることを考えるより、リアを下げて重心をしっかり押え込んだ方が安定するってことだそうで……。それに加えてネオバが効いてるみたいですよ。まぁ、それらもあるのだけど、スタビライザーがパッツンパッツンで効きすぎてて、全然リアがロールしてなかったらしい。それもいじって、きちんとロールするようにしたのも大きいと思う。これのおかげで、姿勢づくりがビックリするぐらい楽に出来るようになった。

 見た目も案外いいですよ? SWのボディは前傾にデザインされてるので……車高を後継にすると、トータルで見た目の車高が下がって見えるのですよ。ぱっと見でミニMID4みたいになりました。

 そんな感じでレスポンスがえらい良くなって、そこいらで街乗りしてるだけでもすごい楽しいクルマになったのですけど、その後、風邪で寝込んで肝心のワインディングではほとんど全く試せていないというorz そうこうする内にオイル滲みの修理の入庫日も決まって代車生活に突入。代車はスバル・プレオです。



 平成12年式プレオ、グレードはRM。64psのインタークーラー付き直列4気筒SOHCスーパーチャージャーエンジンに、7速マニュアルモード付きi-CVTを搭載したスポーティモデル。ちなみに、さらに上のRSグレードだと、ハイオク仕様のDOHCスーパーチャージャーエンジンが載っかります。逆の下のグレードだと、インタークーラー無しのスーパーチャージャー「マイルドチャージ」エンジンだそうで。

 そしてまぁ……このプレオがすんげぇ良く走るのですよ……! トールタイプの軽では、初代ムーヴのNA3速AT、初代ワゴンRのNA3速AT、二代目ワゴンRのターボ4速AT、タントのNA4速AT……などなどと色々と乗ってきたけれど……プレオは輪をかけていいなぁと。

 加速力については、ドカンと来るターボには流石に劣るけれども、プレオには鋭く前へ前へと切り込んでゆくような加速がありますよ。この滑空するようなフィーリングはBRZに通じるなぁ。名阪国道オメガカーブを走ってみたけど、全く不安がない。普通車と並んで、右車線を巡航できますよ。てか、その辺のリッターカーと加速勝負して負ける気がしない。あのヴィヴィオの後継ってのも納得ですよ。

 CVTの制御も素晴らしいですよ。正直、7速マニュアルモードなんて使う必要が無い。踏めばキッチリ、ドライバーの意思に沿って加速してくれます。そりゃ、シートに身体が押し付けられるような加速Gってのは無縁ですけど、必要十二分。なお、燃費はリッター15km出ました。

 逆に街中でのトロトロ走行では、クリープが強すぎないので、停止や発進の際、普通のオートマチックと違って、急停止や急加速で「カックン」となることがない。不要な荷重変動が起きない。ものすごい扱いやすい。これは同乗者へのクルマ酔いの低減にも大きく貢献すると思う。

 ステアリングの味付けなんかも、少し重めのパワステがグッド。ワゴンRみたいにステアリングそのものの慣性モーメントや重量バランスの悪さで車体がフラつくってことがない。サスペンションに関しては、ちょい柔らかめに感じたかな。初代ワゴンRの方が硬めで、ワインディングを走るのは良かった。

 ただ……スイッチ類の配置はよろしくないなぁ。コラムシフトのレバーが邪魔で、エアコンのスイッチ類がドライバーから死角になってるんだなぁ。車内に時計ってのもありませんしおすし。ハザードスイッチも操作しづらい……ステアリングのシフトボタンも押しにくい。せっかく走りはいいのに、こういう所で抜けちゃってるのがスバルなんだよなぁ……トヨタ&ダイハツだと、こういうのは抜かりないのだけどね……



 先日は、プレオに乗って、前の職場の先輩のところに行ってきましたよ。バイク好きの先輩で、これが今、その人がメインで乗ってるヤマハのYZF-R6。ヤマハの海外専売車種で、カテゴリーとしてはスーパースポーツってのになるそうな。

 要するにレースに特化したバイクだそうで、ちなみに自然吸気600ccなのに120馬力というハイパワー、そして時速300km“出た”らしいです。ああ、レースもやってたって言ってたし、きっと鈴鹿のバックストレッチあたりの話でしょう。決して名阪アウトバーンや伊勢湾岸スピードウェイでは無い……と思う。

 一年半ぶりにお会いして、延々と「曲がるとは何ぞや」「タイヤとは何ぞや」ということで3時間ぐらい議論してましたよ……

 とりあえず。「クルマ」が曲がる上ではリアの存在が、ある意味フロント以上に大切ってことでは意見が一致した気がする。

 「グリップ感がある」ことと「グリップ力がある」こととは? 「ステアリングインフォメーションの伝達とは?」「硬いタイヤと柔らかいタイヤ、扱いやすいのはどっちだ?」「シリカの配合の功罪は?」「某社のタイヤは冷間時はいいけど、熱が入るとただのケシカス」「スチールベルトとアラミド繊維」「そして、部位によってそれを組み合わせタイヤ」。ポテンザとネオバ、ミシュランやピレリ、メッツラーの哲学や思想、設計の違いがどうのこうの……

 いや、ホントすっげえ勉強になった。あれだけで一冊、本が書けると思うわ……。その場に、つのさんがおられたら、えれぇことになったと思う。

 他にも、「ヤマハが開発中のクロスプレーンエンジンは、スタンダート足りえるか」「てか、エンジンの新開発なんてやってるのは事実上ヤマハだけだよね」「カワサキやハーレーのエンジンと、その魅力とは」……などなど、エンジンについてもあれこれ教えて貰いましたよ。いや、やっぱ2輪の世界も奥が深いなぁと……

 まぁ結局の所、「クルマでもタイヤでも、メーカーの哲学でも、個人の趣味志向でも『速い』のと『楽しい』のは必ずしも一致しないけど、そういうのを分かってない人ってのは多いよねえ……」みたいなことで締めくくられたような。


 そして、今日は今日とて、久しぶりの二連休。せっかくだしプレオの走行性能を、さらに深く検証してみようってこーとでー。ふりくしょん君に声をかけて、久しぶりに宇治川ラインを走って来ましたよ。



 京都府下随一の走り屋スポットである宇治川ライン……もはや走り屋さんが絶滅状態となっている関西においても、いまだ金曜土曜の晩ともなれば、多数のスポーツカーがあふれ返るという……ここに来るのは一年ぶりだなぁ……



 んで、宇治川ライン。しばらく来ない間に、こんな桟橋が出来てた。

 去年工事が始まった頃は「桟橋? 何で?」と思ってたのだけど、ダムに流れ込むゴミや流木が以前の集積場所だけでは拾いきれないから、手前にもう一個作ったのだそうな……うん、湖面を見たら、ゴミがヤバかった。

 ていうか宇治川ライン、ホントに土砂や流木の流れ込みが酷いのですよ……何かあったら、スグ土砂崩れが起きますしね。去年の夏の爆弾低気圧の時、二箇所ぐらい土砂崩れを起こして、長らく通行止めになってましたし。そして、いまだ完全には撤去されてない、と。



 こんな感じで片側交互通行ばっか。去年の今頃の時点では、土砂崩れによる片側交互は一箇所だったのだけど……今日一通り走ったら……8箇所ぐらいあったぞ……しかも、どれもこれも土砂崩れ……大丈夫かよ、この道……

 て言うかさ。2年前(ゆーさくさんと貧坊さんが豊郷に来た日に崩れた所だ……)に地崩れした箇所は、いまだ放置ですよ。ええ加減に片付けようぜ……?

 もはや、飛ばす飛ばさない以前に、まともに通行が出来ない宇治川ライン……を抜けて、宇治市木幡方面へ足を伸ばす。そして、JR木幡駅前には、こんな建物が。



 分かるかなぁ……? これが、かの有名な京都アニメーションの本社ですよ。ここに来るのも、かなり久しぶり……3年ぶりかなぁ。京都京都って言うけど、京アニは全然京都じゃないのですよ。宇治なんて京都じゃありませんからー。京都府アニメーションが正解です。



 前に来た時は、「けいおん!」の二期放送開始の日だったっけ。この掲示板には涼宮ハルヒの消失のポスターが貼ってあった。それが今は「たまこまーけっと」ばっかっすな……

 たまこまも面白かったっちゃ面白かっただけど、インパクトには欠けたかなぁ……いや、個人的にはああいうのは好きなんですけどね。頑張って出町柳の商店街とタイアップしようとしたっぽいけど、あんまりビジネスとしてはうまくいかなかったかなぁ……


 京アニ本社を後にして、再びの宇治川ライン。片側交互の多さに辟易して……お次は宇治田原&井出の山道へ。



 ホントに山道も山道。林道ってヤツですよ。対向車が来ても、離合が出来るポイントなんてほとんどないし、道には枯葉が落ちてて茶色に染まってるし。崖道も多いけどガードレールなんてもんはないし、もちろんケータイは圏外(auですらアウト)だし……な場所。ここも来るの、3年ぶりぐらいかなぁ。

 初めてここで、マニュアルモードが役に立った。2速~3速を多用して、急勾配の山道を駆け上がる。うん、いい感じですよ? そりゃぁ7kg前後しかないトルクじゃパワー不足は不足ですけど、車体が軽いんで、下手なリッターカーより登ってくれますよ。

 轍や路面の割れも多いけど、プレオの4輪独立懸架サスはいい仕事してくれますよー。ブレーキもいい感じで、下り勾配での、アクセル全開からのハードブレーキングでも、全然姿勢が乱れない。たぶんSWより突っ込んで行けるんじゃないかなぁ。やっぱ軽さって偉大だと思った。どうしても、絶対的な車高が高いんで、その辺りが怖いっちゃ怖いのだけど……



 そして、走りには直接関係ないのだけど、コレ! プレオのパノラマシート。どういうものかは見れば分かると思う。

 どうしても自動車ってのは、リアに座るとフロントシートやら、ドライバーとコ・ドライバーの頭で前方視界が最悪だったりするのですが……プレオはこうしてリアシートの高さを上げることによって、ものすっごい見晴らしが良いのですよ! うまい具合にドライバーとのコミュニケーションも取れますしね!

 こういうのって、さり気に大事だと思うんですよね……今バカ売れしてる、やたらと室内の広さ(だけ)を売りにしてる某社の某軽自動車がありますが……あれはこういうのが全く考えられてない。前は見えないし、横もちょうどぶっとい窓枠があって……全く景色を楽しめない。

 一方で、他の同じようなコンセプトの軽は、みんなちゃんと考えてリアシートを作ってるのにね。あれは頂けないなぁ……でもバカみたいに売れてるから、きっと霧島の考えが少数派なんでしょうね、ええ、よーくよーく分かってますよ?自分が間違った人間ってことぐらいは。



 山の上からの景色。天気が良ければ京都タワーも見えるらしいけど、さすがにそれは無理だった。

 ふりくしょん君にステアリングを譲って、霧島はリアシートに。うん、ホントに視界が素晴らしい。特にこの急傾斜の荒れた路面をアクセルベタ踏みでかけ下ってゆくのが、よく見えるってのは……ちょっと怖いw

 どっかんどっかん跳ねたり揺れたりしながら山道アタックするプレオ、四肢をフルに使って車体にしがみついてましたよ……ああ……このフィーリング……某・九州のお方の横乗りした時のことを思い出す……! (ちょっとトラウマ)

 いやでもホントにプレオは楽しい、ていうか凄いぞプレオ……。「走りのスバル」、その真髄の一端を見たわ……これがグンマーの山中で鍛えられた、走り重視の軽自動車……!(違う)

 ……正直、霧島は、軽自動車を買うならダイハツ製しかないと思ってた。走りはもちろんのこと、ユーザーインターフェイス、クオリティに耐久性、アフターパーツの価格……特に「耐久性」という点においては、トヨタに次ぐと思う。ていうか、トヨタに自社のエンブレムを付けて売ることを決断させてしまう時点で、その頑丈さは折り紙つきですよ(※ある面では、SUVの基準に達してるってことでもある)。ヴィッツシリーズに始まり、公道最速の商用車と名高いプロボックスなんかも、ダイハツのテクノロジーが多分に入ってるしね……

 「軽ならダイハツ」。この考えは今も変わらないけど……それでもスバルの軽はイイ。ホントにイイ。そりゃまぁ、エンジンはオイル漏れがどうにもならないぐらいに酷いって言うし、サンバーなんかもトラブルが多いってので有名だけど……それでもプレオには正直感服した。

 ターボのフィーリングや、カッコよくてゴッついエアロ。安いお値段等々……ダイハツやスズキやホンダの軽に比べたら、スバルの軽は、どうしても大人しくて、見劣りしてしまうとは思う……

 プレオは、「分かりやすい」良さには欠けると思う……でも、日本自動車黎明期より、軽自動車の先陣を切り、日本に大衆車をもたらし、自動車社会の礎を作ったのはスバルの軽だった。確かに、耐久消費財、商業製品として見た時、クオリティやクオンティティは、どうしても他社に劣る面はある……

 ……でも、その小さなボディの中に。スバルの純粋さと愚直さ、クルマへの情熱とこだわり。そしてなによりも、「クルマで走ることが好きだ、クルマで走ることはワクワクすることだ」という確かな「愛」が見て取れるのですよ。



Posted at 2013/04/23 22:10:21 | コメント(10) | トラックバック(0) | 雑記 | 日記
2013年04月16日 イイね!

吉野へ桜を見に行った……はずだったのだが、

 ……あー、4月も半分終わりですかそうですか。

 風邪で寝込んだり、あれやこれやで関係各所に連絡入れたり、行楽シーズン特需やら何やらで追い掛け回されて気がつかんかった。MR2の系譜……? 下書きを一ヶ月ぐらいほったらかしてるような気がする……(小声)

 書きたいことも書くべきことも山のようにあるのだけど、時間もなければ気力もない。おまけに5月26日の博麗神社例大祭10の日は、休みが取れないというね……

 あ、例大祭は行きますよ。当日、仕事ですけどね。24日の晩に夜行で京都を出発、25日の朝に東京入りしてあれこれ用事を片付けて、秋葉原に住んでる同級生の家に泊めて貰って、朝一でビッグサイトに並びます。

 んで、14時にビッグサイトを撤収して15時の新幹線に乗って関西に戻る。そして職場の最寄り駅(15kmぐらい離れてるけど……)に停めておいたクルマで出勤、夜からお仕事と……orz

 まぁ、それはいいや。もうしばらく先の話だ。で、今日は別の話。確か4月8日ぐらいの話だった気がする……奈良の吉野に桜を撮りに行って来たのですよ。本当はもっと早くに行きたかったのだけど、風邪で長らくダウンしてて、その時期まで、もうどうにもこうにもならんかったのですよ……

 吉野と言えば、そう! 本格美少女麻雀アニメ「咲 阿知賀編 episode of side A」の聖地……!



 阿知賀編Aブロック準決勝、なんかもはや完全に能力者バトルと化してる件。ていうか日本最強と謳われた白糸台が、完全にお姉ちゃんのワンマンチームだった件。「チーム虎姫」とは何だったのか……

 ……じゃなくて(汗) 古来より、桜の名所と知られてるとか何とかって有名なので……奈良という地に生まれ育ったなら、そりゃあ一回ぐらいは行っておくべきだろうってことで行くことにしたのですよ。

 名華祭から帰った次の日、ふりくしょん君に声をかけて、国道24号線~R169を南下。橿原から明日香、大淀へと抜けて、桜の里、吉野へ……



 ちなみに霧島のSWの今の仕様はこんな感じっす。こないだまでパープルSWさん特製の巨大リアウィングを付けてたのに、急に外したりしたもんだから周りから「あの羽根、どうしたの!?」と聞かれまくること多数……。もう説明がめんどいので「車検」って答えてますよ。

 ああ……でもやっぱSWはウィングレスもカコイイ……ウィングが無い分、車高がさらに低く見えますねえ……元はといえば、AWもSWも80スープラも、ウィングが無いのが本当の形なんですよね。横風安定性能を得るためにウィングが後で追加設計されたってこーとでー。

 吉野へと向かう途中、大淀町の道の駅で小休止。その時、観光インフォメーションセンターの方で、「……へ行ってきた人が全然ダメだったって言ってたわ。下も中も上もダメ。ガッカリしとったで……」という会話が聞こえてきた……ぞ……? ……この時点でいやーな予感がしたのは言うまでもない。

 R169を南へ下ると、大和の清流・吉野川へと突き当たる。二日前に日本を襲った爆弾低気圧の影響か、吉野川はけっこう濁ってた。川を右手に吉野方面へ……向かってたら……急に道路が大渋滞、ていうか全く車列が進まない……。同じ信号で、3回も変わるのを見たぞ……?

 吉野駅まで5kmってところ。あまりにも動かなくって、さすがにやっとれんってので、コッソリ目の前の橋を渡って、大淀町阿知賀地区から、吉野へと抜け道抜け道。なんとかショートカットして吉野神宮駅の手前まで来れたのだけど……やっぱり大渋滞! 観光バスが何台も目の前に見える。これ、全部花見客かよぅ……と。確か目の前のバスは栃木ナンバーだったような……遠くからようお越し。

 吉野神宮駅手前の踏み切りから、吉野山観光駐車場(下千本駐車場)に向かおうとしたら、交通誘導の人から、「こっちは観光バスのみに制限させて貰ってるので、別の方向へ行け」と言われて、しょうがないので吉野駅方面へ。うん、吉野神宮からは全く渋滞してなかった! ここでつっかえてんじゃん。もうちょっと交通整理、なんとかならんのか……

 山の上の方は通行止めになってるハズなので、吉野駅を過ぎた所にある私設駐車場に停めようと……思ったら……これまた満車……orz でも、なんかうまい具合に一台すぐに出庫してくれたので、わりとすんなり停められましたとさ。ラッキー。



 「兄ちゃん、運が良かったなぁ!」、料金1500円を徴収しながら言う駐車場のおっちゃん。普段は下千本駐車場がタダなんだよなぁ……桜のシーズンは下千本も1400円とるけど。「今週がピークやで」とか何とかも言ってたっけねぇ。

 周りのクルマのナンバーを見てたら、奈良京都神戸和歌山と関西はもちろん、グンマーだとかオカヤマだとか、なんかもう日本全国から大挙して押し寄せて来てますよ……こんな偏狭の地まで……

 駐車場を出て、一眼レフ・ペンタックスK-5Ⅱsをセットアップ。レンズはタムロンの28-75 F2.8を組み合わせる。吉野駅の駅前まで出れば、こんな光景……



 山の斜面には満開の万朶の桜が所狭しと咲き狂って……いなかった。あー、写真だとよう分からんかもしれませんが、めっちゃ桜、散ってますよ。3割ぐらい散っちゃってるんじゃないですかね、もはや葉桜に近いです。

 もはや、早くもガッカリムードが漂い始めたのですが、ここは吉野。山間部ですよ。まだ山の上の方ではちょうど桜が満開の可能性が……微レ存している……? 吉野には山の下のほうから下千本、中千本、上千本、奥千本と、桜が群生していてですね、今目の前に見えてるのは下千本なのですよ。例えるならこんな感じ?

中千本 「下千本が散ってしまったようだな」
上千本 「ヤツは千本桜の中でも最速散」
奥千本 「4月の第1週で散るとは、吉野千本桜四天王の面汚しよ」

 てなことで山の上まで行ってみることに。



 吉野駅からはロープウェイが出てるのですが……まぁこのシーズンは満席なわけで……駅も長蛇の列が出来てるのですよ……。ちなみにコレ、日本最古のロープウェイです。鉄塔は創業当初からのものが今なお使われてて、80年ぐらい経ってるんでしたっけね? ちなみに普段はガラガラの貸切っす。

 まぁ、周りのおじーちゃんおばーちゃん達に比べたら、まだまだ二人とも若いので、えっちらおっちら歩いて登ることに。



 「七曲の坂」。つづらなりにヘアピンの続く坂道ですよ。まぁ……この辺は桜なんて全くない。あるように見える? 気のせいです。ちなみに6月には紫陽花が綺麗っす。

 昼下がり、天気はぽかぽか陽気。もう暑いのなんの……ジャンパー、SWの中に置いてきてよかった。

 桜はないけど、景色はフツーにいいので、けっこうみんな写真を撮ってましたよ。って言っても、この辺りで撮ってる人は、コンデジとかミラーレスとかばっかだったけどね。



 七曲りの中腹あたりにて。うまい具合に? ロープウェイが見える場所を発見。ちょっと足を止めて、忙しそうに往復するロープウェイを撮ってたら……なんか周りの人もワラワラ集まってきて、みんなロープウェイ撮りだすし(汗) そういや外国人のお兄さんがオリンパスのOM-Dっていう最強のミラーレス機を持ってたなぁ。

 もうちょっとポジションを変えて、焦点距離の長いレンズを使ったら、すんげえいい写真になったかもだけど、テレ端75mmじゃこれが限界。それに足場もあんまり良くないんで、移動はしなかった。はい、めんどくさかったんです(爆)

 七曲りを上り終える。



 ここで標高300mぐらいかな? 反対側の山合いには一面に桜が……ないない。綺麗に見えるのは気のせいです。実際に見たら、ハゲ山の所々に散りかけて赤くなった桜がまばらに生えてるだけですよ……例え満開でも、そんなに綺麗ってことはないでしょう。

 そのまま上へと上っていくと……桜は全く無くなった。代わりに見えるのはこんな風景。



 いやもう人多過ぎだろ、どう見ても……普段は人っ子ひとり歩いてないのにね……。紅葉の時期でも、ここまでじゃなかった!

 時間も昼を過ぎてるってことで、みんな下っていくよ……。その流れに逆らいつつ登ってゆくのは、あんまり楽じゃない。

 そして実は昨晩から何も食べてなかったので、お昼にすることに。ちょうど弁当の持込可なテラスを見つけたので、桜まんじゅうなるものを買って、席に着く。



 左が、霧島が昔使ってたペンタックスK100D。右が、今使ってるK-5Ⅱs、ちなみにレンズはペンタックス最高の描写を持つとされるFA31リミテッドですよん。まぁ……世間で言われるほど、そんなに良いとは思わないんだけどねぇ……(ぇ

 ちょうど去年の今頃。デジタル一眼レフの勉強を志し、7年前の中古品であるK100Dを買って、毎月のようにポートメッセ名古屋のコスプレイベントに通ってはプラクティスを重ねたもんさぁ……例大祭や夏コミも共に戦い抜いたっけね。

 APS-CのCCD600万画素機だけど、今みたいなCMOS1600万とか2400万画素とか、過剰に増えすぎたデジカメとは違った、柔らかくて甘い色合いが出るのですよ。特にこういう快晴の日はね!



 桜まんじゅうを食べ終えたら、再び山道を登り始める。そうして見えて来るのが、この銅の鳥居(かねのとりい)。吉野は金峯山寺の門にあたるらしいですよ? 寺なのに鳥居っていう突っ込みはしてはならない。それ言い出したら、元々は修験道から端を発してたと思うしね……

 なお、ここが「咲 阿知賀編」の第一話冒頭にて、和・憧・穏乃が出会う場所なのですけど、人多すぎで撮ってらんねーよってことでスルー。

 さらにしばらく上がってゆくと、吉水神社っていう神社が見えてきまして……ここが阿知賀編の新子憧の実家のモデル……じゃなくて。

 かつては源義経が匿われたとか言う逸話もある神社なのですが、ここの境内からは「一目千本」と呼ばれる絶景が見える……って前回紅葉を見に来たときに聞いてたので入ろうとしたら……拝観料取られるってので引き返しました。おい、普段は境内までならタダじゃねえかよう……



 日本橋ストーリフェスタもビックリなぐらいに人人人で大混雑の吉野山。コミケより凄いのは間違いねーです。人ごみを掻き分け掻き分けで、金峯山寺に到着。ああ、もう人が多いんでスルーです。なお、ここの左に続く坂道をですね、

穏乃 「遅いよ、のどかー!」
憧 「普段運動してないんでしょー?」
和 「穏乃たちが……速すぎるんですよ……」

 ってなことで走って行って、和がズッコけるという……。ああ、桜のシーズン、人口密度が高すぎで、とてもではないですが、子供がダッシュで走れるような状況じゃないです。阿知賀編は嘘つきです(違

 ……ところでですね。どこへ行っても人ばっかりで、桜が全く見えないっていうか存在しないんですけど……?

 なんやかやで、吉野の旅館街の端っこまで来てしまった。ここまでロクに桜なんて見ていない。標高360mぐらい。さすがにはこのままじゃ帰れないってことで、もうちょっと山の方へ上がってみることに。



 ここで中千本ぐらいかな? 桜?どこにあんの?? はい、中千本も散ってます、本当にありが(ry

 坂道はすんげぇ急勾配になって来る。通行止め禁止エリアでも無くなってしまって、上の方からバンバン自動車が降りてくるし……こぇぇよ……クルマ一台ギリギリ通れるぐらいの幅しかねーもん。

 そうこうする内に、中千本も過ぎてしまう……桜?そんなもんどこにも無かったぞ!?? だが、まだだ……まだ終わらんよ……! 下千本や中千本がダメでも、まだ吉野には上千本、そして奥千本が残っている……!

 ちょうど奥千本行きのシャトルバスが出てたので、乗り場を覗いたら……人並びすぎワロエナイ。絶対に2~3本待つな……これ。地元の案内人の人に聞いたら「歩いて40~50分ぐらいですよ?」てなことだそうで……。ふりくしょん君と相談した結果「よし、歩こう」てなことになった。

 ……そして、地獄は始まった。

 歩けど歩けど、坂道は終わらず。登れど登れど桜はなし。だが、一縷の希望を求めて、我々は吉野の山を進んでゆく。もう時間は夕方、標高は400mを突破。汗が吹き出て暑いのなんの。途中でパーカーも脱いだわ。

 やがて標高500mのあたりかな……? いい感じの撮影スポットぽいところを発見。



「高所から見下ろす景色は壮観だ。なんでもない景色でさえ素晴らしい物と感じる。だがね、自分の住んでいる世界を一望した時に感じるのはそんな衝動じゃない。俯瞰の視界から得る衝動はただ一つ――」

 たとえ本人がそれを拒んでいようとも、不意に襲いかかってくる暴力のような認識。それを僕らは衝動と呼ぶ。では、俯瞰の視界がもたらす暴力とはなんなのか―――「それは遠い、だよ。」


                             ―奈須きのこ「空の境界」 第一章「俯瞰風景」より

 おかわり頂けるだろうか……この写真の中央部に写ってるのが金峯山寺ですよ……随分と遠い所まで来てしまった……。桜? 葉桜ですよ、もちのろん。



 スタート地点は標高230mあたりだった。なお、この場所、やっぱり写真撮影スポットっぽくて、みんなでっかいフルサイズ機に、すんげぇ高そうな三脚つけて写真撮ってましたよ。おじーちゃんがD800とか使って撮ってたなぁ。世界最強の解像力を誇る鬼カメラ、D800(D800E)でこの景色を撮ったらすんごい写真になるんだろうなぁ。

 ていうかFA31リミテッド、けっこういい仕事するよね……上の写真は圧縮して劣化してるけど、すんごいイイ描写してくれますよ。元々が広角レンズだから、風景向けなんだろうね。ポートレートじゃ真価が発揮できなかったんだなぁ。

 しばらく写真撮りつつ小休止した後、さらに上を目指す。だいたいこのあたりが上千本……の手前あたり。



 まあ……桜は相変わらず……ない。ていうか目の前のキャンピングカー、グンマーナンバーじゃない! よく来るなぁ、こんな所まで……

 おじーちゃんおばーちゃんに、カジュアルな格好した若いカッポーまで、みんな元気に歩いてますよ……はい、我々はが運動不足なだけです、本当にすんません……(小声)



 で、大体ここが上千本のあたりからの光景……。さっきより金峯山寺がデカく見えてるのは、レンズの焦点距離が長いのを使ってるからです。標高560m付近。桜は……まぁまぁ、中千本よりマシなぐらい? おっかしいなぁ……吉野町観光情報には「満開」って書いてたよねぇ……? どこに満開の桜があるんだと。

 駐車場を出発してから2時間ぐらい歩いてるかなぁ……しかし桜はホントに無いなぁ……なんて思ってたら、上の方から降りてきたおっちゃんが

「奥千本、ホントに凄かったなぁ!!」

 てなことを大声でですね……我々に聞こえるように言ってたのですよ……。

 奥千本……もはやクルマの通れぬ場所に存在するという、まだ見ぬ秘境、そこには一体何があるというのか……? もはや引き返すことなど出来なかった。いつ行くか? 今でしょ!

 上千本から、さらに山の深奥へと足を踏み入れる。高い杉の木々に囲まれた道は、舗装こそされてるものの、完全に日の光を遮ってしまい、かなり薄暗い。道には枯れた杉の葉が散らばっており、道は茶色にくすんでいる。おまけに、日陰になってるから道は湿ってて、路肩はドロドロ……

 ああ、なんかこの辺で、見かけないクーペが降りてきたと思ったらサイオンtcでした。北米専売車種のセリカ後継っすね。ふりくしょん君、よく分かったなぁ……

 ていうか、ちゃんとこの辺にも電線が通ってて、山の上の方へも送電が行われているのですよ。あっちこっちに人が住んでる形跡もあるしね……茶店とかもちらほらと。



(あかん……これはあかん……)

 標高は……ついに700mを突破……もはや奈良の生駒山よりたけーよ! まさかこんな所まで登るとは思ってなかった……。ようやくたどり着いたのは、シャトルバスの発着場。ここまで来たらもういいよね……? 帰りはバスを使ったって許されるよね……?



 バス亭のおっちゃんに「バス何時までですか?」って聞いたら「16時で最後」との答え。時間? 16時20分でしたorz もはや引き返すこともままならぬ。ならばさらに前に進むしかない……

 ここまで来たら、奥千本まで行くしかないなぁ。とりあえず、西行庵をゴールに設定して、さらに登ろうとしたのだが……待ち受けていたのは真の地獄だった……



 「修行門」。そう書かれた鳥居の先は……これまでで最強の急勾配……。絶望が、我々を、襲った。あかん、マジであかん……霧島、途中で身体が動かなくなって、座り込みましたとさorz

 地獄の80m(適当な数値)が終わって……ですね……次に現れてたるは、こんなスポット。



 「義経隠れ塔」。かつて源頼朝に追われた義経が身を隠し、追い詰められた際にこれの天井を蹴破って脱出したとかなんとかいう伝説のあるお堂ですよ。

 そういや隠れ塔、昔、来たことあるなぁ。大学の一回生の時、研修で黒滝村・天川村へ行った時、天川の側から来たっけなぁ。8年ぶりだなぁ。



 もはや一眼レフを構える元気もない……軽量小型コンパクトな一眼レフが山岳写真家から求められる理由がよく分かったわ……

 なお、この道をこのまま行くと、和歌山の熊野の方まで行けるらしーです。ええ、ここまでの行程は、ホントに最初の最初。アポロチョコのチョコの部分ですらなかったと言う……。昔の人、よくこんなマゾっぽいことやってたなぁ……

 ていうか、毎日毎日、こんな野山を駆け回ってたら「山の主」にそりゃなれるわ……。

「残念だけど大星さん そこはもうあなたのテリトリーじゃない」

 ああ、阿知賀編最終話は5月26日配信でっす。


 最終目標、西行庵までは、あと300m……そして伝説の奥千本も、同じ場所にある……!

「奥千本、凄かったなぁ!」

 さっきのおっちゃんの声が脳内でリピートされる。奥千本……人が訪れることもままならぬ山奥には、きっと満開の桜で石竹色に染まった桃源郷が待っているに……違いない……



 道は完全に登山道と化している。地面はグチャグチャ、下手したら滑って転ぶ。そんな悪路を、そろり、そろりと歩いて行く。しかも勾配はすっげぇし……300mってこんなに遠かったっけ……?



 標高は……780m……? 目標まで、あと100m……道は断崖絶壁。人間同士の離合もままならぬ。ああ、足を滑らせたら滑落死ですね(ニッコリ こんな時間帯に、こんな山奥で怪我したら、間違いなく誰も助けに来ない。

 そんな命がけのデスロードを歩んで……ついに目の前に目的地が姿を現した……!



 翼よ、あれが西行庵だ……! 平安~鎌倉時代の歌人である西行法師が、晩年に過ごしたという庵・西行庵……長年の夢かない、ついに我々は西行庵へとやって来た……!

 願わくば
 花の下にて
 春死なむ

 その望月の
 如月の頃


 「東方妖々夢」でも使われた名句ですね。その西行法師には一人娘がいて……それが妖々夢のラスボスである西行寺幽々子お嬢様なのですよ……。はい、東方の聖地の一つってだけで、それだけがここに来たかった理由ですた。

 しかし西行庵……周りには桜が咲き乱れてて、ここでゆゆ様のコスプレしたレイヤーさんとか立たせたら、すんげぇ素晴らしいロケが出来ると思ったのだけど……枯れ木しかねーじゃん!



 ようやくの西行庵。ていうかさコレ……どう見ても復元っつーかなんつーか……後世に作ったものだよね……。うんそりゃ800年も前の庵が現存してるわけないよね……



 中はこんな感じ。お賽銭が散らばってる。うん、これだけ。西行庵ってこれだけですよ。ホントにこれだけ。申し訳程度に解説板がある程度。

 いや……まだだ。まだ終わらんよ……! 確かこの辺こそが奥千本……! 桃源郷が……エルドラドが……マチュピチュが……この世のものとは思えぬ光景が……そこらに広がっているハズ……!



「……」

 ……この辺が、奥千本……のハズ……なんだけどなぁ……桜なんて一本もないよ……?奥千本とは一体なんだったのか……

 これが……こんなのが……結末だというのか……? これが、何時間も歩いて俺たちが求め彷徨った光景だと言うのか……? 千本桜とは一体なんだったのか……?

 ひどい……あんまりだよ……こんなのってないよ!

 真っ黒な絶望の色に染め上がったソウルジェム。もはや魔女化することを留めることは叶わなかった。我々は、衣服が泥で汚れるのも構わず膝をつき、天を呪って大地に拳を叩きつけた。

『奥千本、凄かったなぁ!!』

 だ ま さ れ た OTL

 騙された。完全に騙された。きっとあのおっちゃんも、我々と全く同じ気持ちを味わったに違いない……。そして、その憂さを晴らすべく、我々に聞こえるようにわざとあんな嘘を……!」

 ああ、ちなみに奥千本が満開になったのは、次の週だったそうです。まぁ満開になっても、きっと大したことは全く無かったのでしょう。断言してもいいわ。


 もはや精も根も尽き果てた。動く気にもならぬ……だが、これから我々は帰らねばならぬ。戻らねばならぬ。これまでの行程を、もう一度歩かねばならぬ……!



 行きはよいよい帰りはなんとやら。日も傾いて、さらに暗さが増した山道。上りよりも下りが怖い。ホントに滑って、そのまま下まで転がっていきそうだよ……。足への負担もですね、上りより下りのほうがキツいのですよ。あ、ふりくしょん君が足つった。

 最悪、もう彼を放置して、自分だけでも下まで降りてSWでここまで迎えに来ようかと思ったけど、その必要はなかった。ヨカッタヨカッタ。

 時間は18時過ぎ、ようやく吉野の旅館街に戻ってくる。もはや、あれだけいた観光客はほとんどいなくなって、まばらに歩いてる人らはたぶん泊まってる人らなんだろうなぁ……

 通行止めが解除された中、ようやくSWまでたどり着いて……奈良方面へとそそくさと帰りましたとさ。



 ちなみに、次の日の新聞。そういやヘリコプターが飛びまわってたなぁ……これだったんだなぁ……。

 くどいようですが、こんなに綺麗なもんじゃないです。ていうか絶対アレ千本もないだろ……一目千本とは一体なんだったのか……

 ちなみに例年より一週間早くに満開になってたらしーですよ? はい、吉野町の桜開花情報は大嘘つきです。要するに「もう散ってる」なんて言ったら観光客が来ないから「満開」ってステマしてるんだね。あれは酷い。てか人間ばっかで桜なんてどこにもないよ。下千本も中千本も上千本も奥千本も。千本桜?大嘘でしたよ。

 そして桜も、山の向こうにばっかり生えてるもんだから、全然間近で見られなくて……そこらの川の堤防に行った方が断然キレイですよ。マジでマジで。

 たぶん、もう自分が春の吉野に来ることはないでしょう。来年は信貴生駒スカイライン行くわ……往復1900円だけど、吉野へ行くよりは断然安いっしょ。

 ……後日。稀代の歌人である西行法師に感化されたのか、ふりくしょん君は次のように詠んだという。

 騙された
 春の吉野に
 桜なし




 P.S.

 復路の七曲りの坂。まだちらほら観光客の歩いている中、大声で、

霧島 「奥千本、ホントに凄かったなぁ! マジでヤバかったわ!」
Posted at 2013/04/16 09:12:01 | コメント(3) | トラックバック(0) | 雑記 | 日記
2013年04月08日 イイね!

久しぶりのポートメッセ、東方名華祭7!

 風 邪 を 引 い て い た 。

 行楽シーズンと何ぞのセールが重なって、仕事量が普段の3倍になってる今日この頃。先週の水曜日、夜勤明けで和歌山までレンタカーのNA3速タントで直行して、帰ってからというものみるみる内に体調を崩し……

 気がつくと熱が38度オーバー。風邪の症状はとっくに治ってるのに熱だけ全然下がらない。4日間、38度でうなされとったわ……。さすがにこれはおかしいと思って病院行ったけど、別にインフルエンザとかそういうのではなかった。んで、解熱剤貰って飲んだら、ビックリするぐらいにスルスルと熱が下がってゆくという……ここまで来ると医学の力って逆にこぇえよ……

 まだまだ鼻水は出るし、その関連で目と耳と鼻がスッキリしない今日この頃。あれこれクルマもいじったし、他にも色々と重大発表があったりなかったりだけど、まあ、熱のおかげで全部どうでもよくなった!


 んで、今日は今日とて東方名華祭7に行ってきたのですよ。名華祭、前回は産業技術館(トヨタテクノミュージアム)近くのサンライフ名古屋で行われたのが、今年からはポートメッセ名古屋に移り、規模も2倍以上になった、と……

 今や東海地方最大規模となった東方オンリー・名華祭。前回はあまりにも施設も規模も小さくて小さくて……正直何がなんだかよく分からないイベントになってしまってたっけねえ。雨は降るわ、人多すぎで3交代の入れ替え制になるわ、コススペースは全く盛り上がらんわ……

 本当は今年は名華祭はパスするつもりだったのだけど、まぁ知り合いのレイヤーさんも来るって言ってたし、ポートメッセにも長らく行ってないので、様子見がてらに行ってみようかとってこーとでー。

 これまた夜勤明け、シャワーだけ浴びて、朝の7時過ぎに木津を出発。ガラ空の国道163を伊賀上野まで走った後、大内から名阪国道に乗る……のだけど、ヤバイ、名阪がめちゃヤバイ……。何がヤバイって横風がですよ……。

 前日から、爆弾低気圧なるものが日本全国を襲ったらしいのですが、関西は雨がちょっと降った程度でして……。その代わり、今日は風がものすごかった。いやもう名阪、横風横風でいつものペースじゃ走れんよ……最初から最後までひたすら蛇行運転でしたもん。

 それでも名阪はまだマシで、東名阪はもっと酷かったなぁ。風向・風力を指し示すこいのぼりが完全に横向いちゃってんですよ(白目



 おまけに今の仕様は……ウィングレス。空力的に車体を押さえつけるデバイスが一切ない……。唯一の救いはリアタイヤを純正サイズのネオバに換えて、車高もリア下がりにセットしなおしてあったって所ですかね……いやネオバ、ものすっごい食うのですよ。今まで使ってきたブリヂストンとは、RE-01とは一体なんだったのかってぐらい。

 どっちかって言うとタイヤそのものの剛性感はないのだけど、コンパウンドで粘りつくようなグリップ。でもトータルでは断然ネオバだなぁ。燃費やコンフォートを考えたらRE-01だろうけども。現行のAD08は知らん。SWリア純正サイズはいまだAD05/06モデルしかないのですよ。

 東名阪から伊勢湾岸に入った日にはもうね……。1●0km/hでゆるい弧を描く超高速コーナー、左右に波打ちながら曲がってゆくのですよ……あれはアカン。それでも、タイヤがブレイクするようなことは全くない。クルマって、タイヤってすごいなぁと正直思ったわ……。ああ、そういや伊勢湾岸でST205セリカGT-Fourのカストロールカラーレプリカを見ましたよ! あれは凄かった!



 強風のあまり、ニヤニヤが止まらないままで伊勢湾岸・名港中央ICからポートメッセなごやへ……。駐車場は、なにやらスポーツカーやらチューニングカーやらでいっぱい。「なんで?」と思ったら、エキサイティングカーショーダウン?とか言うチューニングカーのイベントが開催されてたんですねえ……はい、全く見向きもしませんでした(爆)

 ごっつい赤いSWが一台止まってましたけど、おぜう様が乗ってたので、どうやら目的はエキサイトじゃなくて名華祭だった模様……。あと、幸せの黄色いⅢ型GT-Sと、長野ナンバーの赤黒中期GTOがいるかなぁと思って探したけど二台ともいなかったのぜ……



 !? 駐車場を出て、3号館へ向かってたら目の前に現れる長蛇の列……え?名華祭、こんなに人が来てるの!? もはやこれ⑨州祭を軽く超えてんじゃん!……と思ったら「東方名華祭の待機列はこちらではありませーん!」とスタッフの人が叫んでました。なんか色々と見取ったら、ABK48?だかなんとか坂47?とかなんとかのイベントがあったらしーですよ(エキサイト以上に興味なし)



 ……そしてコチラが名華祭の待機列……。うん、ですよねー。これぐらいが名華祭ですよねー。それでも去年のサンライフに比べたら断然人が多いですが……。

 カタログだけ買って待機列へ並ぶ。時間は9時20分ってところで、木津を出てからちょうど2時間プラスαってところかな? まぁまぁ、強風で飛ばせなかったわりにはいい感じの時間ですよ。



 ポートメッセ3号館は分割できて、1ホールから3ホールまでの3分割することができる。いつもコミックライブが行われてるのは3号館の1なのだけど、名華祭は3ホールだった。ここに入るのは初めてだなぁ……1ホールは去年散々来たし、2ホールも一度だけ入ったことあるのだけど。

 天気は雨雨言ってたけど、ぽかぽか陽気の快晴ですよ! 名港は風も強いけど、今はそんなに強くもない……いい感じの待機列ですよー。やっぱ即売会は春か秋が一番だよね! 例大祭シーズンだと、もうちょっと暑いぐらいですし……



 これが今回のカタログ、1000円也。うん、規模の割にはちょっと高いね! コミックライブの方が規模も大きいし安いよね……。たぶん頑張って大きな会場を押さえたから、レンタル料がキツかったんだろうね……

 開場までの待ち時間、カタログをパラパラ読んでみる。うん、去年のに比べたら作りも装丁もしっかりしてるかな?しっかし、イベント注意事項マンガにおいて、なぜ喫煙者担当はもこたんなのか……訴訟も辞さ(ry

 9時45分列移動が開始。

「ゲームをやりながら歩くのはやめて下さ~い! もしゲーム機を落っことしたら、悲しみを背負うことになります!」

 そんなスタッフさんの名言に大爆笑が起こったり色々とありつつ、そして迎えた10時……東方名華祭7、開場である。

 まぁまぁ、地方の小中規模のオンリーイベントなので大きな混乱もなく入場……しかしポートメッセ3-3、広いな! 公民館だったサンライフはもちろん、こないだの京都みやこめっせであった八雲幻想祭より断然会場が大きいよ!

 ともすれば⑨州祭より大きいんじゃね?と錯覚するレベル。たぶん面積だけなら、そんなに変わらないんだろうね……名華祭……いつの間にか立派なイベントになっちゃって……!

 とりあえず入場したら本部横のコスプレ/撮影登録で受付を済ませる。500円也。このコス登録って面白いもんで……大混雑するイベントもあれば、すんなりと登録を済ませられるイベントもある。八雲幻想祭みたいな中規模イベントは長蛇の列だったけど、日本第二位の紅楼夢とかはあっさり済ませられるしね。ああ、でも例大祭が殺人的なのは言うまでもありまそん。

 無事に登録も済ませて、会場内をぶらぶらと……。会場の広さもあって、人間弾幕の密度はそれほどでもない。そうそう、こんな感じが名古屋の即売会なのですよ! 今はだいぶ数も減ってるらしいけど、名古屋って同人文化が日本で一番盛んな地域なのですよ。大阪で言うとコミックコミュニケーションクラスの即売会が毎月行われてる感じ。

 会場の片隅では非想天則大会が行われて、ものすごい人を集めてる。かたやカラオケコーナーは、早くも大音量の歌声が……

 即売会スペースでは、有名なサークルさんもちらほら。IOSYSやら狐の工作室やら……珍しくコスプレROMを売ってる所もあった。でも、先月に東海最大の東方オンリーとされてきた「東方絢文録」があったので……大手はそっちに行ってたんだろうなぁ。

 あと、東方祭実行委員会(⑨州祭・新潟祭の主催ね)がスペース出してて、大量にグッズとか売ってたっけ。⑨州祭の公式グッズの紙袋とかも売ってたので、オーイタの某氏とグンマーの某氏にヤマト便で会場直送テロを……やってない。

 今回は例大祭を控えてるってこともあって、何も買わない……何も買わなかったんや……! その代わりに色々ともらって来ましたよ。



 即売会名物(?)、各地の同人誌即売会のチラシですよ。9月22日の大⑨州東方祭8しかり、11月3日の京都「文々。新聞友の会」「科学世紀のカフェテラス」「求代目の紅茶会」しかり……もう今年の東方イベントは大体出揃ってますね……ああ……もう年末が見えてきた!

 11月の京都は今年から河城にとりオンリーの「エンジニアワルツ」。そして本居小鈴&稗田阿求オンリーの「ビブロフィリアの休日」も同時開催になったようで、今からめちゃ楽しみ。もはや⑨州祭に次ぐ規模の東方オンリーに成長してますよ!



 そして何よりもコレ! 奈良県初の東方オンリーイベント「仙仏蒐合(せんぶつしゅうごう)」ですよ! ついに今回の名華祭で公式チラシが配布になったのですよ! 2014年3月9日……奈良のかしはら万葉ホールにて……ヤバイ、これは絶対に行くわ……!

 あと一年かぁ……まだ時間あるな……霧島も何か同人誌つくろうかな……? 絵心はないけど、テキストならいくらでも書けるしね。コスプレロケでの奈良県聖地巡礼本でも作る?w


 そんな感じで今回はお金を使わずに「祭り」の空気を楽しむべくぶらぶらと……それにしても久しぶりだなぁポートメッセ……去年の7月だったなぁ、最後に来たのは。一年前、一人のコスプレイヤーさんにポートメッセで出会って、それがきっかけとなって写真の勉強を始めたのだっけ。

 最初のうちはカメラのいろはも分からず、とにかく試行錯誤の連続。「本当に一眼レフなんて扱えるのか!?」なんて不安になったりもしたっけねえ……。そしてここで多くのレイヤーさんと出会ったし、楽しい思い出もあれば悔しい思いをしたこともある。

 ある程度自分で満足のいく写真が撮れるようになったのは、まだ最近の話。当時とは腕も機材も段違い。そして再び、ポートメッセへと還って来た。 懐かしいなぁ……ポートメッセ。ここは自分の原点だと思う。

 会場してある程度時間も経って、コススペースにも少しずつ人が増え始める……って言っても、何か閑散としてるなぁ……これは去年のサンライフの悲劇が再びかなぁ……?とか思いながらカメラをセットアップ。F値を最大まで開いてSSを1/40ぐらいまで遅らせても、やっぱISOは800ぐらいまで上げないと無理っぽい。やっぱポートメッセは環境が苛酷だわ……それでも大阪のインテックスよりは断然ましだけどね!

 まだまだ人のまばらなコススペース。だが、そんな中でお一人、見覚えのあるレイヤーさんが……ってあの人はまさか……!?



霧島 「ひょっとして、Sさんですか?」
S 「そうです! 何で知ってるんですか!?」

 やっぱり! 忘れもしない夏コミ2日目……芋を洗うかのごとくの第一コスプレ広場にて、大勢の人を集めておられたレミリアがおられたのですよ。その方だった……!

 そして去年の11月、京都府の中古車情報誌である「オートスキャナー」にも掲載されていた、あの超有名コスプレイヤー・Sさんですよ……!



 うそマジで!? 確かに東海の人って聞いてたけど……まさかお見かけするどころか、ご挨拶を差し上げる機会に恵まれるとは……ビックリですよ!

 ……てかさ。後で色々と見てたら……去年の冬コミではSAOのアスナをされてて……はい、思いっきり撮らせて貰ってました。さらに去年5月のコミックライブではレールガンの黒子で……それも思いっきり目撃してましたとさ。

 ……ホント、どこで誰に出会ってるもんか分からないもんだね(滝汗) さらに言うと、ストフェスの女王ことHさんともお知り合いだったという……なんとまあ……

 いやもう今回はSさんにご挨拶できただけでも来た甲斐があったと言うものですよ、ありがとうございました。

 そして今回は……いつもお世話になってるレイヤーさんが関西から遠征されて来るハズだったのだけど……ぜんぜん見当たらないなあ……と……(もはやいつものことw)

 だーいぶ時間が経った頃、ちょうど更衣室から出てこられたばかりの霍青娥を発見。いつも関西のイベントでお世話になってるAさんですよ。



Aさん「今日は比較的早い時間に来れたと思います!」
霧島 「 え っ ! ? 」

 Aさーん……もう時間は11時半っすよぉ……みんな買い物も終わって一服してる時間帯っすよぉ……テンソク大会はとっくにエントリーが終わってるし、カラオケ大会も、えんもたけなわっすよぉ……



 大阪より、コスプレイヤーのAさん。今年1月の「こみっくトレジャー21」で他を圧倒する勢いで人を集めていたパチュリー=ノーレッジがおられたのをご存知の方も多いと思う。
 

 3月の八雲幻想祭ではアリス=マーガトロイドで、遅刻しながらも会場に来るなり大行列を作っておられた、関西を代表する超人気レイヤーさんっすよ。この方の妖々夢冬服咲夜さんはガチ、あれは一回見とくべき。

 「人呼んで、仏のA」、おっと今回は仙女でしたっけw ていうか去年の紅楼夢でも青娥娘々をやっておられたんですよねえ……当時は全く親交もなかったしお名前も存じ上げなかったけど、今でもハッキリ覚えてるわ……

 ちなみに、かなりのゲーマーで、京都のナ●コワンダータワーや名古屋の金山コム●ックスに行けば、DDRでフィーバーしまくってるAさんが見られるとか見られないとか。


 それにしても今回は、神霊廟キャラが多かったねえ……神霊オンリーも併催されてたしね。そして……東海圏の東方レイヤーの方々って、なんか身内で固まっちゃってて外部の人間は撮りづらいってイメージがあったのですよね……経験上。

 でも今回は、ちょうどいい具合にそれぞれがそれぞれに程よいぐらいに人を集めておられていい感じでしたよ! コミライで3~4人はいるみたいに特定の誰かが大行列! みたいなのもなかったしねえ。

 撮ってる側の人たちを見てても、ガチ勢な方もチラホラ……。レフ板を持ち込む人が多いのも名古屋のイベントの特徴かな?

 そして今回はなんと、大判のフィルムカメラを持ち込んで撮ってる方もおられましたよ……ってあの人、サークル「街角麻婆豆」の方々やん! 去年の11月の「文々。新聞友の会」でも自作大判カメラやペンタックス645、二眼レフカメラを展示されてた方たちですよ。

 声をかけたらちゃんと霧島のことも覚えて下さってました。「ペンタックス使ってる方は珍しいですからね!」とのこと……うん、まさしくその通りっすw 今回のイベントもペンタなんて使ってるのは自分ぐらいっすw ストフェスはペンタ率が異様に高かったんだけどねぇ。

 「大判カメラ、評判いいですよ!」とのことだそうで……。一回一回の操作に時間と手間はかかるけど、これで桜を撮ろうもんなら花びらの一枚一枚までクッキリだとか。レイヤーさんの側も、珍しそうに見ておられて、けっこう喜んで撮って貰ってましたよ。霧島も大判機の操作とか見たのは初めてでしたよ……

 お話を伺ってたら「マミヤの6×7を持ち込んでる人もいましたよ! そのうちハッセルブラッドとか出現するんじゃないでしょうか!?」とのこと……ひぇぇ……世の中広い! てか今も目の前でペンタックス645(しかもAFが搭載される前の初代モデル)でコスプレを撮るという、超希少な光景が展開されてるのですが……(汗)

 他にも、非想天則大会決勝では、ゆゆ様vsみょんの主従対決になってて、みょんが圧倒的な強さで優勝してみたり。カラオケ大会覗いたら『ひそぉてんそくぅぅううううううううううううううっ!』で大合唱になってたりw どこを切り取っても大盛り上がりでしたよ。

 ……うん、東方名華祭。いいイベントに成長したな! これなら来年も期待できそうだ!

 そして時間も15時、名華祭は終了。会場内を拍手が包み込む。皆さん、お疲れ様でした!


 帰りがけ、駐車場に出たらどこからともなくすっげぇエキゾーストノートとスキール音が聞こえてたなぁ……名港で誰かヤンチャしてたんじゃないだろうな……?去年もエキサイティングはどこぞの一団が問題起こしとったしね。

 復路の伊勢湾岸は……強風も強風で50km/h制限がかかってた……普段の伊勢湾岸スピードウェイは150km/h制限なのにねぇ(違 あんなにトロトロ走りの伊勢湾岸&東名阪って初めてだったよ……140km/hとか出したら間違いなく吹っ飛ぶわ……

 そんなこんなで東方名華祭はおしまい。次は5月の例大祭だな! 日本最大の東方Projectオンリーイベント、博麗神社例大祭、それも今回は記念すべき第10回。今からwktkが止まりませぬwww
Posted at 2013/04/08 08:23:11 | コメント(8) | トラックバック(0) | イベント | 日記

プロフィール

「@辺境伯 通勤快適(?)仕様なので、距離がどんどん伸びます。じゃんじゃか傷んできます……」
何シテル?   01/30 16:31
こんにちは。基本的にはぐれ者です。 一般に広く受け入れられて支持を得ているようなものよりも、マイナーなものや、世の中から認められないもの、あまり人気のない...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2013/4 >>

 123456
7 8910111213
1415 1617181920
2122 232425 2627
2829 30    

リンク・クリップ

17万kmを超えて 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/04/30 22:55:21
アスク・スポーツ 
カテゴリ:チューニング&パーツショップ
2011/11/07 17:09:24
 
トヨタテクノミュージアム 
カテゴリ:トヨタ
2011/09/24 22:39:02
 

愛車一覧

トヨタ MR2 トヨタ MR2
〓詳細〓 ・車種:トヨタ MR2 ・型式:SW20 ・年式:平成10年5月登録 (Ⅴ型 ...
トヨタ MR2 トヨタ MR2
〓詳細〓 ・車種:トヨタ MR2 ・型式:SW20 ・年式:平成8年4月登録 (Ⅲ型) ...
その他 その他 その他 その他
弟の東京土産……って言っても、普通に奈良でも売ってる一品。 日記用の画像保管庫です。

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation