
昨今、アストンマーティンの販売はそこそこ順調なようであります。
単純に売れているとは言っても他の車種のような勢いで売れている訳ではないのですが、この価格帯が苦戦する中では「景気に左右されない購買層」が強い車種がアストンマーティンなのでしょう。
そんな訳でお邪魔しました麻布台のアトランティックカーズさんでは、もはや販売出来る在庫は写真のV8モデルが1台のみで、他にもバックオーダーを多数抱えておられる状態という羨ましい状況だそうです。
以前にもここで触れましたが、ラゴンダ、ヴィラージュと言った車種は触れた事があるのですが現在のアストンはよく見かける事はあっても未知の存在でありました。しかしそうしたバブル期のアストンの方がむしろ異端で、現在のアストンは嘗てのDBシリーズの血統を受け継いでいる正式なアストンであるようです。客観的に見てポルシェやフェラーリのような分かり易い記号性は持っていないかもしれませんが、そこがこのアストンマーティンの魅力のひとつで、これを買われる方はステイタス性などはさほど気にしない本当の車好きの方ばかりなのでしょう。
室内に入ってみると正直あまり心が昂るような演出はされておらず、むしろ歴史のある旧い教会に入った時のような神聖な気持ちにすらなります。そしてエンジンをスタートさせると熱い咆哮が始まります。フェラーリの咆哮がパバロッティのテノールならば、こちらはバリトンという感じです。そしてここから先は興奮の中にも冷静な気持ちでのドライブが待ってます。恐らくこんな気分を演出してくれる車は他に見たことがありません。
良い意味でかなり古典的な硬い乗り味なので、単純に乗り心地はXKRやフェラーリカリフォルニア等のほうが良いかもしれません。しかし本来英国のスポーツカーとは少し野蛮なこういうものこそが正統な姿と思います。
V12は乗ってないのですが、きっとこれこそがアストンの真髄を味わうには最高の車なのでしょう。
布張りのカタログにはすごい数の内外装カラーが用意されており、それを選ぶだけでも大変で楽しい作業になると思います。
今の時代にこれだけ様式美のあるスポーツカーが存在することにとても嬉しく思いますし、いずれこの名門の車を自分の車庫に収めたいという気持ちにもなりました。秋に発表される4ドアクーペの「ラピード」の資料も拝見しましたが、これもサルーンではなく完全なクーペです。発表されたら案内状を下さるそうなので、今から楽しみな車であります。
Posted at 2009/08/14 08:24:51 | |
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