サスペンション構造と[自作]サスペンションリング+α取り付け
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
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小型車で採用されているセンターロック式のフロントサスペンションの取付方法
部品点数を減らしコストカットにも貢献しているようですが、サスペンション上部がしっかりボディに固定されておらず、動いてしまうという欠点もあります
このためステアリングの特性があまりよくはありません
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こちらが部品構成のイメージです
先ほどパーツは6番、アッパーマウントは5番になります
本来であればアッパーマウントは取付ボルトが付いていてボディに固定されるのですが、センターロック式ではボディはサスペンションに乗っているだけになります
そのままではボディが浮いたときにサスペンションが脱落してしまうので、6番のパーツで落ちないように押さえています
ただサスペンションの動作やステアリングを切った際にはこの部分が動くので逃げも必要です
このため純正では普段は少し浮いた状態となっています
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横から見ると1~2mm浮いているのが分かります
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こちらは構造を図にしたものです
こんなイメージで取り付いています
分かりやすくするため絵の方は少し大袈裟に書いています
ご了承ください
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アッパーマウントはゴムでコーティングされていて年数とともに痩せてくるので、アッパーマウントは徐々に上にずれ上がっていくことになり、この隙間は少しずつですがある程度まで拡大していきます(左図)
この状態でボディが浮くと隙間分だけサスペンションが下に落ちる(右図)ようになるので、着地したときにアッパーマウントがボディを叩き強い衝撃と音を出します
それでもサスペンションが合わせて縮んでくれればさほど衝撃はないと思うんですが、コスト重視のショックアブソーバーでは動き出しが重いので、サスペンションが縮まず棒で叩いてるようになるのかなと思ってます
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この隙間を埋めつつゴムの弾力で逃げも確保しようというのがこちらのパーツです
左はウレタンゴムで厚さ1cmくらいでしょうか
右はシリコンゴムで厚さ5mmくらいですね
どちらもゴム系の素材を使って逃げを確保しつつ、ゴムの硬度と厚さで特性を考えているようです
両方とも試していないので確定的なことは言えませんが、衝撃を和らげるだけならどちらも変わらない気がします
ただ厚さによりステアリング特性は少し変わるかもしれません
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サスペンションはアッパーマウントの赤点を支点にして動きますが、上の金物は青点を押さえに行くので2点間の距離によってかかる力に差が出ます
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ゴムの厚みを増すと距離が離れるので、より強い力がかかるようになります
逆を言えばより強い力で押さえるので、サスペンションの円運動を固定することができます
ゴムの硬度にもよりますが、逃げが少なくなる分ステアリング特性が良くなると思われます
しかしゴムへの負担は増えますので、早期の劣化やカジリなどが発生しやすくなるかもしれません
経年とともにアッパーマウントのゴム痩せなども起こるため、この隙間に関しては徐々に増えていくと思われますが、使用するリングのゴムの硬度がある程度あり走行距離が少ない車ならば3~5mm程度の厚みがあれば十分と思われます
年数の経った車ではもう少し厚みがあったほうがいいかもしれませんね
あまり極端に厚いものはゴムを押し潰して取り付けるようになるのて、固定はされるもののクッション性はなくなるかもしれません
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と、ここまでは勉強のお話
ここからは自作パーツの話です
検証するためにも自分で作ってみることにしました
ちなみにこれを留めているナットはロックナットではないので何回緩めても問題ありません
この下のナットは外したことがないので分かりませんが
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自作ゴムシートを作ってみました
一番左は3mm厚のゴムシートを切り出したもの
奥の金物に合わせて外形72mm、内径は36mmにしました
奥の金物はプレスで作られているので、上のほうは34mmですが、下のほうは35~36mmとなっています
素材は一番安かった天然ゴムを使用しました
非常に柔らかい素材なので、逃げには良いと思いますが、固定という意味では弱いと思います
しかしサスペンションがボディから離れるのは防止できるので、そちらの検証は出来ると思います
簡単に取り外せるのでどの素材がいいのか、どの厚さがいいのかはこれからの課題です
右の2つについてですが、こちらはスラストシートとして作成したものです
滑らせて逃げを作るためのものになります
こちらはサスペンションのスプリングの下に入っていたりして、バネの捻じれを逃がすのに使われたりします
当初は代用できるものを購入しようかと考えましたが、みんカラを検索すると自作している方がいて、ステンレスシートとPP(ポリプロピレン)の板だということが分かりました
そしてPP板はダイソーのまな板が代用できるということで、さっそくダイソーで購入してきました
それを切り抜いたのが真ん中のパーツです
厚さは0.8mmで半透明と黒がありました
ステンレスシートはホームセンターで買ってきた加工のしやすそうな0.1mm厚です
薄いのでハサミで切ることができました
スラストシートを入れようと思った理由ですが、製品では取付時にグリスを塗るようです
おそらく逃げとしての動きの助けと異音防止だと思うのですが、熱の影響を受けるエンジンルーム内にグリスを塗ると柔らかくなりやすいので、垂れてきたり汚れが付着しやすくなると考えます
そこで何か代わりになるものはと考えたのがスラストシートでした
この組み合わせがいいのか、熱に耐えられるか、どれくらい持つのかなどは全く分かりません
これから様子を見たいと思います
これらはサークルカッターというコンパスのようなカッターで切り出しました
安いものだと500円もしません
材料のほうですが、全部で1000円ぐらいでした
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取付は一番下をステンレス板、次にPP板、そしてゴム板としました
下側にスラストシートを入れた形です
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この理由ですが、ウレタンゴム装着車ではゴムが削れてダメになってる画像が多かったんですよね
おそらく赤矢印の角と擦れて削れているのではと推測しました
なのでここから守るために一番強いステンレスを一番下に入れてみました
不具合があるようなら順番の入れ替えも検討します
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取付が完了しました
合わせて4mmくらいの厚さになっています
ゴムがちょっと潰れるくらいのテンションですね
とりあえずまだ近所のスーパーに一度乗っていっただけですが、変化はステアリング切り始めで反応が良くなった気がします
また減速時に不安定になる挙動が減ったかも…
天然ゴムシートでも効果がありそうですね
ただ熱には弱いのでいつまで持つかは分かりませんが…
衝撃の緩和は状況がなかったのでまだ分かりません
また何か分かったことがあったら追記させてもらいます
ちなみにまだ実験中なのでオススメはしません
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2023.12.29追記
雪予報もなく、しばらくは雪国に出かける予定もないのでタイヤを戻しました
なので山道を少し高めの速度で走ったりして試してきました
やはりステアリングの切り始めが楽というか反応が良くなってますね
ほんと始めだけですが、自然な感じです
あとブレーキを踏まない減速時にステアリングがフワフワする感じが軽減していました
サスペンションですが、ハスラーのフロントはバタバタする印象でしたが、ちゃんと伸び縮みするようになったみたいで乗り心地も少しマイルドになりました
根本的なショックのダメさは変わりませんが、固定されたことで多少なりとも仕事をするようになったみたいです
えぐれた路面にタイヤを落とすようなシーンはなかったので突き上げについてはまだ分かりませんが、マンホールの窪みにタイヤを落としてもさほど衝撃を感じなかったので多少改善しているかもしれません
やはりアッパーマウントがボディから離れることでバタバタしていたのでしょうか
スラストシートも含めて今後も検証していきたいと思います
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2024.01.21追記
取り付けしてから数百キロ乗りましたが、ステアリングを端まで切ると少し音がするようになりました
そこでバラしてみたところ、一番下に入れたステンレスシートがこの様な状況でキャップに押されて変形してました
こちらは少し穴を小さめに作っていたので想定された変形ではありましたが、変形に耐えきれず1部破断しています
押されたら上手く変形して馴染むかと思いましたが、そうはいきませんでしたね
そしてキャップとステンレスシートが擦れて音が出ていたようです
この変形によりステアリングを端まで切った時に外側にのみ大きく傾くことが分かりわりました
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というわけで、組み付ける順番を変更しました
上からゴム、次にステンレスシート、そしてポリプロピレン板です
ステンレスシートとポリプロピレン板の配置を入れ替えました
ステンレスシートはゴムと密着してしまうので上のキャップと合わせて動きます
ポリプロピレン板はボディと密着すると思うので、ステンレスシートはスラストシートとして滑る予定です
これでまた様子を見たいと思います
真冬ではありますが、熱の影響は今のところないようです
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