そろそろ虫画像も完結が近付いてまいりました。
くれぐれも苦手な方は回避してくださいませ。
いつものように、朝の水遣りを
のほ~んとやってたその時。
複雑に絡み合った、オクラの苗とゴーヤのツルと葉、
その間隙に、
──居た!
ついに羽化を完了し、成虫(おそらく)第一号となった蟷螂が・・・
慌ててカメラを向けますが
クルマの作業記録とオークション画像専門である
「CX-1」では
これっぽっちもピントが合わない。
「この艦では・・・敵に勝てない(沖田十三)」
相手は人間にビックリしたように、奥へ奥へと隠れてしまいます。
一瞬で見分けが付かなくなってしまいました。
さすが擬態のプロフェッショナル…
(危機を察知すると棒状になって静止することもあるので、よけい解りにくい)
注意深ーく目を凝らすと、ゴーヤの支持棒の内側に
ぷらりんことぶら下がってます。
無駄に動かないから、人間の眼のゲシュタルト認識能力程度ではなかなか見破れない。
お邪魔なのはご勘弁頂こう、まずはその勇姿を納めたい。
カメラをCX-1からGXRに持ち替え、おそうじ用のミニ熊手を手に取る。
そして、そろ~~っと植生のなかへ差し込み、それとなく乗り移らせて引き出し・・・
ご対面ー!!
すらりと伸びた、ストライプの入った翅。
へたに掴めば大の大人でも怪我をしかねないほどの剛力に育った大鎌。
前にも記したとおり、断定は出来ないのですが
観察から伺われる彼らの行動範囲や、生育状況の足並みの揃いからして
やはりおそらく、くだんの救出組の生き抜いた結果と見て間違いないと思います。
あれから2ヶ月余り。
大きくなったな・・・よくぞここまで・・・
ずっと見守ってきたので、半年も経ったような気分ですw
これを撮影した時点での目撃数は
脱皮寸前まで生育したものが、あと3匹。
褐色タイプも健在。
残りの連中の羽化を待って、…
彼らにはちっとばかり迷惑な話なんですが
いわゆる
「あらぶる蟷螂のポーズ!」威嚇戦闘姿勢を
一発だけでいいから撮りたいと思う所存ですw
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【8/29;画像追加と追記】
いちいち新規投稿にしても、ええ加減しつこい事だし
自身の観察日記を兼ねてるようなもんなので、こっちの記事を増幅しようw
現在、生息を確認できるもの;
チョウセンカマキリのオスが新たに2匹羽化
昨日写したメス@緑色型が1匹
羽化寸前のメス@褐色が1匹
暗褐色コカマキリ性別不肖1匹
明緑色ハラビロカマキリ成虫オス1匹
今朝の庭メンテナンスで確認されただけで、これだけいました。
まあ私も学者や観察の専門家じゃないので、拙い眼力でありますが・・・
今年は、そこそこ庭の葉っぱの生育状況がいいと思われます。
ほぼ無農薬栽培に等しいので、害虫の付着によるレース状の葉も多いですが
植生の勢いのほうが勝ってる感じです。
新芽を悉く食い荒らされるようでは、伸びる余地がありませんからね・・・。
恐らく、大量放流した蟷螂たちの活躍を無視することは出来ないと思う。
オンブバッタなんて、彼らにしてみれば、それはもう据え膳状態のカモだし
ナス科の苗に来るカメムシなんて、それはもう無尽蔵に食材が得られるわけだし
ヤブカ、小バエ、アブ、蛾やその幼虫etcetc.....
全てが凡て害虫とは言わないが、とかく獲物には事欠かない。
しかも、ここには敵らしい敵が殆どいない。
人間が徘徊するから、大型種のクモは巣を張れず
攻撃性のハチは我らが追い払うか、甚だしきはその場で処刑執行・撃墜も辞さない。
脅威の最たるものである鳥類も、基本的に寄り付けない。
せいぜいウチのネコが、たまたま興味を惹くかどうか・・・という程度
(それも『そろそろ妙齢の』『飼い猫』なので、動き物への執着もノラに比べたらよっぽど薄い)
そんなこんなで、救援・放流した数量の割には驚異的な生存率で
ここまで来れたのかなっ、と思うわけだ。
こうなると、彼らは天然農薬だw
見てる傍から、その大鎌で害虫をバッタバッタと仕留めていくのだから。
あと、彼らは個体識別が可能なほど
一度観察を始めた場所から、さほど大きく移動しようとはしない。
ある程度のナワバリがあるようにも思えます。
また、よほど状況が悪化しないかぎり、狩場と定めた範囲内で粘りに粘るようです。
なので、これまでの幼虫の期間に
「二車線幅の道路を跨いで公園から歩いて来たよ!」ってのは、殆ど考えられない。
駐車スペースの塀の向こうは、それなりに手入れされた庭だが、移動するには遠い。
生け垣を挟んだほうのお隣は、全くの「不毛地帯」。ほぼ全く庭をやってない。
裏庭から歩いて来るほどのスタミナや行動力も、なさそうに思われる。
この先のことを言うなら「I Can Fly!! Wryyyyyyyy!!!!」とか言いながら
飛翔することに覚醒し、旅立っていくのかもしれないけれど。
(特にオスは、メスを求めて拡散・移動してゆく傾向にあるそうだ。これは遺伝子拡散の観点からも重要な行為)
庭や塀など、何処を見ても卵のうが見当たらないこと、
今年は多いチョウセンカマキリに比べて、他種の生息が誤差範囲程度しか確認されない現状などからも、
彼らが高確率で
「黒ゲート号生まれ」である事が確信されるのです。
───それにしても。
蟷螂ってのは、まあ元々強い親しみを持っていた相手ではありますが
こんな形で、その親しみを掘り下げることになるとは思ってもみなかった。
冷静に考えれば、彼らは憎みとも余りある「G」の近縁種だとゆーのにww

↑オンタの羽根を見て「あーなるほど確かにwwwww」と思わされました、今更w
でも触るの平気w 手乗り上等ww この待遇の差って何よwww
何でなんだろ・・・と考えたとき
私はどうやら、この子たちを「6本足の昆虫」と認識してないっぽい、と気付きました。
──所詮彼らも、本能と機能で生きる「昆虫」に過ぎず
その活動に、人間はもとより高等生命体的な「知性」は、全く介在しません。
狩りにしても、理屈で考えてやってるわけではないんです。
有利な相手か、危険な相手ではないか、手に余る大きさではないか・・・
それらを純粋な「データ」として瞬時に判定し、極めてドライな、本能的・機能的な行動としてやってるだけです。
基礎的な動作スキームはこうです。
巨大な頭部は、昆虫としては極端なほど柔軟で広い可動範囲を持ち、
彼らは獲物を発見すると、そちらへ「顔を」向けます。
首根っこには、「頭部の向いている方向を検知する」センサーが並んでいて
獲物との方位を、これで定めます。
大きく発達した複眼は、人間の両眼のごとく視差があり、距離計の働きをします。
視差で不足する分は、体を左右に揺することによって補ってるらしい。彼らによく見かける動作ですね。
『目標を捕えた!左舷11時の方向、仰角プラス60度、距離50cm!』
遥か頭上のゴーヤの花に来たイチモンジセセリを、瞬時に捕捉したところ。
(獲物になる昆虫は、特定の波長の光を強く反射しているのでしょう。人間が目の前でカメラを構えても平然としているのに、こんなに離れた小さな獲物に敏感に反応します)
えー、旧い海軍の軍事に詳しい方なら一言で説明が出来ます。
これは、まさしく
旧い軍艦で言うところの『方位盤』の機能に他なりません。
そして、自分がそろりと接近するなり、相手が寄ってくるなりして
鎌の射程に捕えます。
すると、複眼の焦点が合い
『目標、射程に入った!』
これをトリガーにして、その目標地点へ、瞬時に、正確に、大鎌を繰り出します。
『撃ち方はじめ! テーイ!!!』
この理想的な一連の動作に嵌めてしまえば
たとえ大型のハチでも、高い確率で仕留められてしまいます。
なお、近接格闘戦にもつれ込んだ場合
こんどは近縁種たるGさながらの機動力で「リアル蟷螂拳」になりますww
結構侮りがたいですよ、実際(被害者は語る←挑発しといてなにをいうかー
狩りについてだけ挙げても、これが実情です。
言うなれば「全自動キラーマシーン」。
それでも、あまり昆虫的な見方にならないのは
『大きな頭と、2本の巨腕を持った、4脚歩行型のモンスター』
という「デザイン的な印象」で見ているからだと思うのです。
頭脳を思わせる大きな頭部は、実際には脳など入っていない、
巨大な照準機と口吻器官の集合体でしかありませんし
(彼らの脳は胸部にあります)
大きな鎌にしても、所詮6本足の「前脚」。

それでも、やはりデザインの影響は大きいもので、
すらりと直線的に伸びたボディを、バランスのいい4本の脚で両天秤のように支え
知性的な頭脳を以って、破壊力抜群の巨腕を振りかざし狩猟生活をする異形の怪物・・・
と、私は見てしまっているようですw
まるでこちらの存在を知覚して睨んでいるかのような「偽瞳孔」の存在が
より一層「表情」を感じさせるのも、その印象を後押ししています。
(実際には複眼特有の視覚的現象で、球面上に配置された無数の複眼センサーのうち、こちら側を向いているものだけ「センサーの底まで見えるので黒く見える」状態です)
今回いろいろと撮ってきて、

こういう「昆虫」然とした撮り方より
このような「知性を持ったモンスター」を思わせる撮り方が面白いと感じました。
その象徴たるものが「あらぶる蟷螂のポーズ!」威嚇姿勢なのですが
ウチの子たちは育ちが良すぎたのか
随分おっとりしたもので、挑発に乗ってくれませんw
仕方ないね・・・_(┐「ε:)_
代わりにこれ貼っとこ。
くれぐれも苦手な人は踏んじゃダメ!!
「偽花魔王蟷螂」
凶悪すぎるだろう・・・それは_:(´ཀ`」 ∠):_
これから深まりゆく秋。
彼らの活躍の季節は、まだまだこれからだ!