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イイね!
2012年05月12日

ガバナ特性の違い【ATをMTに換装して感じる】

今回は頑張りました!?
力作で相当マニアックであります(爆




MT換装後の道程はまだ道半ばということが分かりました。

その理由がこの燃料ポンプのガバナ特性の違いです。ATとMTではエンジン クランク軸へ負荷の掛かり方がトルコンのスリップが緩衝となって掛かるATに比べてMTはダイレクトに加わるので、その回転の安定性を高めるためにガバナ特性がより負荷に対して敏感に反応し且つ安定化作用(燃料の増量など)が強いという事が漸く分かりました。

分かれば至極当たり前の事でありますね。。。。

さてこのガバナ特性についてそのポンプ内での仕組みが垣間見れる記述をサービス週報に見出したのでご紹介したいと思います。


サービス週報 633号(y60-3) 1989年 9月より********************

●燃料ポンプ

静粛性向上のため、低負荷時の噴射タイミングを遅角させるロード タイマーを採用しました。


●ロードタイマー

負荷の検出はガバナ スリーブの移動量により行います
ガバナ スリーブの位置は
エンジン回転数に関係するフライ ウエイトの力
と、
コントロール レバーに関係するガバナ レバーASSYの力により釣り合いますが、

低、中負荷走行時
にはフライ ウエイトの力が ガバナ レバーASSYの力に比べて
大きいためガバナ スリーブが右(図に於いて)に大きく移動します。

ガバナ シャフトには噴射ポンプ入口に通じる通路があり、
移動によりガバナ スリーブに設けてあるポート(穴)と一致して
噴射ポンプの室圧が
ガバナ シャフト ポートからレギュレーティング バルブ →燃料入口へと燃料が流れ、
噴射ポンプ室圧が低下するため、タイマーに作用する圧力が下がり、
進角量が低減します。

また、高負荷時は、ガバナ レバー ASSYからの力が大きいため
ガバナ スリーブ の移動量が小さく、通常の進角が行われます。

 
************************************


もう少し理解しやすいようにポンプの分解図でこれらの文中に出てくる主要部品を
確認してみましょう。

95:ガバナ レバー ASSY
115:ガバナ スリーブ
8055:フライ ウエイト

フライウエイトはエンジンの回転に応じてその遠心力で広がろうとする力をガナシャフトの軸方向の力に変えてガバナレバーASSYと押しあいガバナスリーブの移動量を決める部品です。

ガバナレバー ASSYはコントロールレバーに関係するとありますが、これはアクセルから伝わる力を伝えるレバーでレバーの移動量をガバナ レバー ASSYに伝えるスプリングがATとMTでは異なります。ATではスプリングが2段階になっており、MTではシングルなので当然ガバナレバーASSYの押す力は異なります。

ATはそのガバナレバーASSYを押す力が非線形の2段階のカーブをおそらく描き、MTはスプリングのバネ定数による線形カーブを描くことになります。これらがガバナスリーブの移動の傾向を変え運転フィーリングを変えているのでしょう。



 


下の写真はいすゞミュー4JB2のポンプですがブーストコンペンセンサーがある以外はNAのポンプと腰下の基本構造は同じです。写真一番右端にある細い棒がガバナシャフト(上図:108)、写真中央付近左のカプラーの横にある十字の切り欠きがある丸柱状の部品がガバナ ウエイトが入るもの(上図:112)  見にくいけど図の左下歯車の上、ブーストコンペンセンサーシャフトダイヤフラムの間に有る切り欠きが入った楔型のウエイトがフライウエイト(上図:8055) 歯車の右上に有るチョウバンの様な物がガバナ レバー ASSY(上図:95)なのです。

こうやってみるとけっこう原始的といいますか物理的に制御しているのがお分かりいただけるかと思います。



ディーゼルは低速トルクが強いといいますがこれは実はこのガバナが有っての事でもしこれがなければガソリンエンジンよりもあっさりと止まるそうです。ある回転でクランクが回っていてこれに負荷が掛かり回転が落ちようとするとそのままのスロットル開度ではその軸トルクを負荷が上まった時にエンジンはストールします。このような状況の時にガバナが負荷に応じて燃料を増量させ回転を安定させようとする機構がディーゼルの粘りというものを生み出すのです。

当然変速機が違えばそれに合ったガバナ特性にするのは当然で、ATの場合はドライブに入れてクリープが発生する時にドバドバ燃料をくれてやっても仕方ない訳で、この時はガバナであまり燃料をくれてやらないようなセッティングにしている訳です。これがMTになった場合にいきなり駆動の負荷がクランクにかかるのでクリープ時とは比較にならずエンジンが負けそうになるのでしょう。アクセルを踏んでもAT用のポンプではガバナがすぐに働かずアクセルの踏み込み量を多くしなければならずこれが線の細さとして感じるのだと思います。

分配3Bではこのガバナ レバー ASSYの力を決めるスプリングを別の車種の物と交換するだけでアイドリング時にクラッチをつないだ瞬間の粘りがかわりました。あっさりとエンストしていたのがぐぐぐっと粘るようになりましたね。この経験からもコントロールレバーからガバナ レバーASSYにつながるスプリングをAT→MT用に交換すればガバナスリーブの移動のパターンが変わるので粘りは違ってると思います。またフライウエイトがATとMTで同じか調べてみる必要もあります。もし違うならばこれをMT用にすれば同じ味付けにすることは理屈上可能です。

内燃機屋の社長に言わせるとポンプの基本設定はMT、AT共に同じそうです。これはトータルの燃料噴射量、進角度合いなどで先程書いたアクセル開度に応じて燃料をくれてやる基本パターンでこれにガバナが加わって味付けをしているだけなのです。今回の記事?独り言を書いているうちになんとなく自分が調べるべき目標が見えてきました。まずは品番からのポンプのデーターシートをそれぞれ見比べて噴射量などの相違の有無です。回転域、アクセル開度に応じて相違があればMT用のポンプのセッティングに全部ばらして組み換えが必要になります。それが特に大きな相違がなければポンプ上部のカバーを外して出来るコントロールレバーとガバナ レバーASSYを引っ張るスプリングをMTのものに交換、様子を見て必要とあらばフライウエイトの交換という感じですね。

自分の想像ではワゴン・MT用とバン・MT用のフライウエイトは違うような気がします。また先のコントロールレバーとガバナ レバー ASSYをつなぐスプリングも違うと思うのです。バンとワゴンではバンが噴射時期が2°早く燃焼状態が既に違います。ワゴンは性質上Noxの発生を控えるためにEGRの低温燃焼化も図っているのでバンと同じタイミングでタイマーを作動させているとは考えにくいのです。少し遅めにしているような気がするので“燃焼音が大人しく、TDの怒涛のトルク感があまりなく回ってしまえば変わらないけど何か今ひとつ物足りない”という評価になっていると思うのです。

ATの場合は恐らくバン同士ではタイマーの作動タイミングはそんなに差がないのではないかと思います。一番はガバナ レバー ASSYのガバナ スリーブを押す力のかかり方が違いこれがガバナ特性を大きく左右しているのでしょう。例えばこのスプリングを強くすると低負荷時に進角を遅らせるタイマーの差動が少なくなりレスポンスがアップするということになりますね。


さてこのような感じで一つの方向性が見えてきました。何れにせよポンプの蓋は開けなければいけません。上手くいけばそれだけで済み物足りなければポンプを下ろして全バラシですね。内燃機屋の社長と資料を見比べながら作戦を練りたいと思います。要するにフルロードを開けて燃料を増やすだけでは物事は解決しないということです。



あ~疲れた!(爆
ブログ一覧 | Y60 | 日記
Posted at 2012/05/12 08:25:05

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この記事へのコメント

2012年5月12日 16:05
む、難しすぎます・・・w

コメントへの返答
2012年5月14日 11:29
16nightsさん
こんにちは^^
気にしないでください。
寝言だと思って(爆
2012年5月12日 16:51
読むのを諦めました(笑
コメントへの返答
2012年5月14日 11:29
ぶらんさん
こんにちは^^
途中までチャレンジ有難う御座います。
読破したらサファリが近くなる!?
2012年5月12日 17:24
よくわかりません(笑

とにかくATとMTで違うというわけですね(汗

ついていけません\(^o^)/
コメントへの返答
2012年5月14日 11:31
BJ60君
こんにちは^^
はい先日運転したもらったけど
あの状況はこういうことなんですよ。
そうそうPZ君あそこに行った様ですね。
保護者に連絡しとかないとって
東京から連絡がありました(笑
2012年5月12日 22:03
あと20歳若ければ読んで教養を身に付けたいですが
今となっては優先順位が、、、、、、(汗)
コメントへの返答
2012年5月14日 11:33
ランクルマニアさん
こんにちは^^
あはは。
1HDも1HZもこういう事なんですよ。
特に1HDんもブーコンシャフト回転させて
当たり位置を変えると走りは変わります。
回転させて遊んでみてください^^
2012年5月13日 6:06
初コメ失礼します。

噴射ポンプは皆同じ(汗)・・・
と思っていたのですが、
勉強になりました。やはり1度ばらして
のぞき込まんと今一つぴんと来ないね。

これは保存版ですね。
ありがとうございました。
コメントへの返答
2012年5月14日 11:39
OTTOさん
こんにちは。
初めまして。GIZさんのところから時々お邪魔しております。
ポンプの基本構造はボッシュなら同じです。内部のガバナ特製やフィードポンプの容量などに違いがあるだけです。自分もそんなに詳しくないのですが、友人でポンプマニアがいていろいろ教えていただきました。今は内燃機屋(ポンプのOHをしている)の社長に色々プロの立場から教えていただいてます。この分解図もその社長に貰ったもので一般には出てきません。社長に言わせると簡単にその気になれば簡単に力は出せるよとのとで15BTも勿論出来ます。。
最後まで御精読有難うございました。
2012年5月13日 10:24
負荷時 無負荷時の圧縮上死点での自然発火の適正化

ガソリンEGの点火時期進化である 手動進角 ガバナー進角 セミトラ フルトラ化
と云うような 理解でよろしいでしょうか?

グローを除去し6番相当の点火プラグを入れ あとは、ナガイ電子さんに相談しようかと・・・ (爆!!
コメントへの返答
2012年5月14日 11:43
GIZさん
こんにちは^^
先日からの懸案事項のひとつの解決への対策指針が今回のものです。これでダメならワゴンMTのポンプを小変更して付けましょう。ひとまずレイニモレヅ切込み隊長として僕の車から試してみます。その次はADで最後にGIZさんですね。

ガソリンで言えばそういうことだと思います。ディーゼルもガバナ特製如何でエンジンは別物になりますので。このような結果になっております。

これからまた悩ましい日々が(爆
2012年5月13日 11:58
おおー、
今まで孤立無援状態で手作繰りであれこれ調べていましたが
自分の調べていることや悩みを文章化されているくらい状況が似ているの面白いです♪
12Hでも同じ理屈でATとMTのガバナは全然違いますね~。。
ブーコンとポンプなんかは記述されているとおり同じなんですけどね、
外的診断としてはストップレバー触れば解るっていうかスロットル手で押せばわかるっていうか、

あー、私も、もう一度ポンプ降ろそうかなぁ。。
自分以外に同じ所で思案されておられる方がいらっしゃるってSNSならではですね。

一度お会いして軽油臭ーいトークに花咲かせたいです☆

 
コメントへの返答
2012年5月14日 11:52
60deathさん
こんにちは^^
あはは
どうりで貴殿は同じ軽油の臭いが(爆
流石ですね。孤立無援状態でここまで考察を深められるとは。ランクル仲間内でも2Hから12Hの載せ換え例は有りますがやはり線の細さは有ります。最も過給を上げてある程度ごまかせますが、過給が掛かるまでは誤魔化せません。単にどっかんターボが強くなって乗りにくいランクルということを考えると合格ラインは出せません。

スロットルの遊びというかやる気になるまでにクリープの分だけあるのは感じます。実際に走っているときにアクセルを踏み直すと力が出るので最近感じてました。ただクラッチミートする瞬間はアクセルはほとんど踏まないのがこのクラスの車で、結局ガバナが作用しないのでナヨナヨした感じになります。

3Bの分配でもガバナスプリングを某ライトバンの物に交換するとクラッチミートする際にヘダラだった物が粘るようになります。
機会があれば軽油トークしたいですね。多分周りで聞くと暗号様でしょうね(笑
2012年5月13日 13:49
へぇ~、ナルホドです。 ^^

レンジも、同じ様な事になっているのかな?
興味深い情報でした。
コメントへの返答
2012年5月14日 11:57
N・アシュレイさん
こんにちは^^
ご無沙汰しております。
ディーゼルならば基本は同じです。電子制御になってくると種々の情報をコンピューターで管理してソレノイドでガバナをコントロールして燃焼条件を安定化させます。ですから電子制御になってくるとCPの制御がうるさくなってくるのであまり悪戯できませんが。。。
国内販売最終の頃のDEFのディーゼルは高圧噴射になって修理が大変になってますがそれ以前のモデルでは古典的構造なのでガバな特性を変えると雰囲気はガラッと変わります。
2012年5月13日 18:15
こんにちは^^

これは凄く貴重な情報ですね!
液晶パネルに穴が開くくらい読ませていただきました(笑)

エンスト寸前のドドドッという粘りはガバナのお陰だったのですね。

ターボが有るか無いかでセッティングも変わるということでしょうか!?

1KZのセッティングも気になります。
コメントへの返答
2012年5月14日 12:05
孝道@KZN185さん
こんにちは^^
僕の寝言しっかり読んでいただき恐縮です(笑
おおそらくそうだと思います。
1KZの場合は電子制御になっているのでこれらガバナなどはソレノイドで制御されてます。
もともと優秀な設計のエンジンですからあまりいたずらしなくても十分ですが、この頃の電子制御ならばまだなんとかなるそうです。内燃機屋の社長の知り合いのkZJ90プラドあんまり遅いので燃料漏れの修理のついでにちょっと弄ったらビュンビュン走るようになったとか。勿論ブーストなんかはいじらづにですね。そうそう先にも書きましたが、ブーコンシャフトは削り方が均一でないので取り付け方を少しづつ回してやるとアタリが変わってそれだけで過吸に対する燃調が変わって走りが変わります。わざわざ高いもの買わなくても出来るんですよ~

2012年5月14日 22:31
はじめまして,以前CD20のADバンに乗っていましたが,これも低速の粘りがググっとあるディーゼルでしたが,じつはガバナで調速していたんですね.どおりで,アクセルが回転数指示で踏んだ位置で負荷に合わせていてくれたんですねぇ〜今時のガソリン車では電スロで同じようなことができてるはずなんですが,ガソリンの場合はなんて言うかディーゼルのような粘りは感じられないですね…最近はコモンレールになってディーゼルっぽさが薄まったと感じるのも,排ガス性能無視して燃料増量できていたからなんでしょうか…性能は良くなっているんでしょうけどねぇ
コメントへの返答
2012年5月15日 14:53
白い変入さん
こんにちは^^
初めましてコメントありがとうございます。
濃い内容のブログ拝見させていただきました。
面白かったです。ADバンやカローラバンのディーゼルは車体も軽くまだエンジンに燃料を食べさせられたので結構軽快に走り17km/lぐらいは普通に走ってくれた記憶があります。あの粘りと高速域での回転の安定性はガバナのおかげで有ります。コモンレイルは賢いミッションとセットで能力を発揮する精密機械ですね。これは燃料の質が悪いと直ぐに機嫌を損ねます。
現代人のように今で気の車は賢いけどここ一番の時の根性は無くなったような気がします。ヤッパリしっかりと飯を食わねばエンジンも人も底力はでないようであります。

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