今回は「サファリ馬鹿」特に全開の記事ですので最初にお断りしておきます。
週末は夜中にダンパーを交換したりして遊んでましたが、その翌日山間部に入り込み走り回った時に感じたことを書いてみたいと思います。今回のコースはハイスピードワインディング、つづら折りのタイトコーナーの続く山道、標高の高い地点での延々とつずく曲りくねった勾配、所々で荒れた林道と言った感じです。
今まで自分が所有した車でこのコースを走ると結構気を遣い精神的、肉体的にも疲れたのですが、今回は至って快適でy60の魅力を素直に感じました。タイヤ外径を750mmとしているのもあり低重心とギア比の適正化の恩恵はこのような上り勾配が続く路面では非常に大きくODをオフにするだけでほとんどの上り勾配もことが足ります。ワインディングでのコーナリングも古いチビたスタッダレスにもかかわらづ終始安定していてきれいにラインをトレースしていきます。ロールもさほどせずにスタビが効きだして唐突にロールスピードが変わったり、路面の入力に対する応答の変化が起こるわけでなくじわっと踏ん張るように車体を傾けそのままの姿勢で走り抜けます。コーナー外側のタイヤに前後ともしっかり荷重が掛かっているのが分かり極めて安定していて恐怖感や不安感はなく乗用車的感覚で走ることができした。もちろん乗り心地もしっとりとした感じで非常に良いのは言うまでもありません。
つづら折りのタイトコーナーの続く山道では対向車が見えないブラインドコーナーやアップダウンが連続しハンドル操作が忙しいものです。ロールする車では左右に絶え間なく体が翻弄され”あら!もう40”の私には些か辛くなってまいりましたが、y60は驚きの安定感を見せます。ほとんどロールせずに鼻先を左右に振り向けます。いやはや見事という感じでこれには驚きでした。こういうところだと大抵路面のアスファルトに穴があいていたりそれを塞ぐアスファルトがてんこ盛りになっていたりと更なる苦行を強いいられるのですけどこれに関してもしっとりと走り抜けます。楽ちんであります。もう一ついいのがこの10~40kmの間でのアクセルレスポンスの良さでこれは1HZよりも秀逸でコーナーで減速してアクセルを踏むと即座に加速体制に移ります。TD42の96×96mmのスクエアなストロークと4169ccの排気量が効いているのでしょう。結果コーナリング時の安定性とアクセルレスポンスの良さで楽にこのような道を走り切ることができました。
標高の高い地点での延々とつずく曲りくねった勾配に差し掛かると今度はギア比の適正化が効いてきます。エンジン負荷が少ないので水温の上がり方も少なくそれなりに力強く駈け上がります。流石に標高が上がり勾配がきつくなるとトルコンのスリップが増えATのセレクターを2にしますがなかなかよく走ります。こういうところに来ると感じるのが排気量の恩恵です。13BTのタービンが回りだすと活発に走りますが、クラッチミートをした瞬間や加給がかかるかどうかの瀬戸際ではどうしてもモタモタしてしまいます。ましてや標高が上がるとその傾向は助長され乗りにくくなるのでどうしても回転数を上げ気味にして走り同乗者がいると特に気を使ってしまいます。このようなときにこの排気量はありがたくしっかりとトルクを発生するのでそんなにスピードを出さなくてもいつもと同じように走ることができます。1HZもこの様なときは素晴らしく3速ホールドでアイドリング10kmから90kmぐらいまではカバーできました。ほんとこの排気量になるとMTで2速に入れることはほとんどないです。3速の守備範囲が極めて広くほんとにゆとりのトルクの中で甘えることができます。このアイドリングから2000回転ぐらいまでのレスポンスはTD42が良いですね。力強く運転が楽です。ロングストロークの1HZは力がないわけではなく吹けが遅くもったりしますがその一方で回転が上がってくるとパワーがもりもり出てきます。両者味付けの違いです。
所々で荒れた林道に差し掛かって2年のって初めてy60の足の良さを最も感じたのです。ブッシュやダンパーを交換して漸く初期性能に近くなったと言うのも有りますが今まで何台か四駆に乗ってきて一番の足の仕上がりですね。素晴らしいというのが感想です。古いちびたスタッドレスに2.5kgの空気圧結構な条件でしたが登りはFRのままスリップすることなく登りきりました。雨で侵食したり水切りの溝が横切るように切ってあったり、ドロ止めの金属のものが露出した状態で道を横切ったりしていて今までなら確実に徐行するか下を噛むぐらいの突き上げを覚悟して突進するしかない状態ですがリアのスタビを解除して走っていると左右には振られるものの激しい突き上げは皆無でダヨンダヨンと大きな揺れの中走り抜けます。かと言ってフラフラしてコーナーで盛大にロールする訳でなくしっかりと鼻先の向きを変えます。恐らく独立懸架の車両ではもっと左右の揺れはないかと思いますが十分にリジットアクスルとしては合格点であります。このような路面で独立懸架よりも安心感があるのが大きなギャップにそれなりの速度で侵入してフルバンプしそうになるときです。y60は今回も底づきするかな?と身構えるような時もありましたが結局そこづきもせずにストロークの範囲内でしっかりと仕事してました。独立懸架のばあいこのような時にオイルパンを強打するケースがあり余無理できません。リジットはその心配が無いのが好きです。40km/hぐらいで走ってましたが快適にこの荒れた路面を走ることが出来たのには正直驚きで今まで経験したことがない事でした。y60が設計時に先代のモデルよりも縮みがわのストロークの拡大を行なったというのが実感できる体験でした。本当にy60の足は良く出来ていると心底思ったのはことと気が初めてですね。
林道での走りに驚きオンロードに戻るとまたしっとりとした乗り心地に戻りあれだけの道をそれなりのペースで走ったのでショックが熱ダレしてフラフラするかな?と思いましたがそんなこともなく平静を保ち走ります。下りのコーナーが続きますがすすっと鼻先の向きを変えるのは健在でいやはや参りました!不正地に入り込むとリアのしなやかな動きと低重心の安定性から素晴らしい走破性を見せるのは周知のことですが、荒れた林道での走行安定性と乗り心地の両立、連続コーナーが続く道でのアクセルレスポンスとロールせずに曲がる回頭性の良さ、ハイスピードワインディングでの安定性と乗り心地の両立本当に様々な路面での安定性と乗り心地の両立は本当に素晴らしいの一言です。かと言って電子デバイスで誤魔化しているかと言うとそうではなく古典的な構造でありながらセッティングで発揮させるこの足回りは本当に素晴らしいの一言です。日本にこんな素晴らしい車が有ったのですね。ランクルばかりしか見向きもしなかった食わず嫌いの10年に後悔です(爆
今回思ったのがいくら優秀な車でも初期性能を発揮している車両がどれぐらいあるだろうか?というのは思いますね。自分の車も初めて乗ったときはびっくりするぐらい乗り心地が悪く落胆したのが2年前の春。これもへんちくりんなダンパーが付いていたのが大きな原因ですが、ようやくここにきてその片鱗を見ることができました。ほんと機会があれば初期性能を発揮するy60に乗って見ることをオススメします。こんなにいい車だったんだ!と驚くと思います。残念ながらGRやKRは本来の姿ではなく特装車に入ります。+35~25オフセット、外径750mmの細身のタイヤを履いたy60は別物です。今回痛感しました。
ランクル人気に埋もれるサファリですがそれゆえに密かにあるのがサファリ(PATROL)神話のようなものですね。あちこちで聞いた話の寄せ集めですが、オーストラリアで妊婦が運転してアウトバックを走れる車、リーフ車の衝撃加速度を測定してリーフと決別してコイルリジットにした、国際協力隊で最初は一番の不人気車であるが最後は取り合いになる、直進安定性が優れているので130kmほどで運転中に物でハンドルを抑えて走ることができるなどなど。。。
最後に静岡の友人が以前から私に言っている事をご紹介して
今回のサファリ馬鹿全開の記事を終わりにしたいと思います。
日本が世界に誇る深海調査船、しんかい6500は10,000m級のマリアナ海溝や日本海溝の最深部には行けませんが、それでも全海洋面積の98%をその調査範囲に収めています。個人的には、標準状態のサファリもこれに近いものだと思っています。
Posted at 2011/10/03 10:40:47 | |
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Y60 | 日記