一週間前になりますが、笠間稲荷や笠間焼で有名な笠間市にある笠間城の跡を訪れました。
小さい頃に笠間稲荷を訪れた際に、麓にある藩主の屋敷跡の公園へ来た事はあったのですが、城跡まで行くのは今回が初めてでした。
なぜ今回この笠間城を訪れたかというと、関東では数少ない石垣を備えた城で、今でもその石垣や曲輪を見る事が出来ると最近になって知ったからです。
茨城には鎌倉時代の屋敷跡から戦国時代、江戸時代のものまで多くの城跡はありますが、そのほとんどが土塁で築かれたもので、空堀や盛られた土など人の手が加えられて作られた思われる遺構を見て、辛うじてそこに城があったという事が分かるものがほとんどなので、石垣の城跡が見られるとあっては行かずにいられないかなと。
笠間城は戦国末期までこの地を支配していた宇都宮氏の一門が笠間氏を称して、佐白山に城を築いたのが始まりとされているようです。
その後、小田原の役で北条氏側についた笠間氏は滅亡し、その後に蒲生、松平、小笠原、永井、浅野(忠臣蔵で有名な浅野家が赤穂に移る前に笠間の地を収めてました)、本庄、牧野氏と続いて明治を迎えました。 現在残っている石垣は蒲生氏がこの地に移ってくる際に西国から石垣の職人を伴ってきて整備したそうです。
城の入り口にあたる大手門の前に千人溜まりという、戦時に兵が集合する広場があって、そこが駐車場となっておりました。 行く前にネットで調べて寂しい感じのする場所だとは聞いてましたが、周囲を大きな木で囲まれたいわれていた通りの寂し気な場所でした。
昼の休憩と思われる車や、城跡を散策しに来たと思われる人の車が何台か止まっていたから良かったものの、自分一人だけだったらちょっとコワいかなという雰囲気のところでしたね。
大手門の跡には何本もの木が生えてましたが、張り出した根のすぐ下にも石垣が残っておりました。
これを見てワクワク感が増して来ましたよ~♪
さて、大手門の跡から本丸を目指していくと、道の脇に石垣が見えて来ました。(*'▽'*)♪
それほど険しい道ではないのですが、残暑厳しい中を歩いていくと本丸までの10分ほどの行程で汗
だくになりました(´∀`;A
本丸跡は開けていて、周囲が土塁で囲まれており土塁の上には櫓が建っていたようで、石碑が建てられてました。
本丸の広場を抜けると天守へと続く石段が目の前に現れます。天守台へと続く石段の入り口は土橋になっており、空堀も確認する事が出来ました。
石段を登ると天守台の石垣が目の前に現れて気分は最高潮に♪
これぞ城跡という雰囲気を漂わせていますよね。
山頂の天守台跡には佐志能神社が建てられています。
この佐志能神社の建材には、解体された天守のものが使われているそうです。
そう言えば古そうですし、板が抜けてしまったところは補修がされていました。
神社の土塀には天守の瓦が使われているそうです。 おそらく明治維新の際に解体されたものだと思いますが、神社にせずそのまま天守を残しておいてくれたらどんな姿がみられたのだろうかと思うと何とも残念です。
三層の天守の姿は、今となっては想像する他ありません。
それでも、解体された天守の板材や瓦が姿を変えつつも、こうして今も見られる事は素直に喜ぶべきかもしれませんね。
有名な話ですが、明治維新で薩摩と並んで中心勢力の一翼を担った長州藩の藩の政治の中心となっていた萩城は維新後の廃城令により取り壊されて、解体された天守の板材は風呂屋に薪として払い下げられたくらいですから、それを考えたら・・・・・・。
それにしても、明治新政府には長州出身者も多くいるというのに、かつて自分達が城下から崇めた城をそんな風にしてしまって、なんとも思わなかったものかと私には不思議でしょうがないです。
昨年はNHKが製作に時間とお金をかけて製作した事で話題になった,司馬遼太郎さん原作の「坂の上の雲」がドラマで放映されたりと、明治の頃の日本人の精神など、その良さを見直されています。
一歩間違えば欧米の植民地に成りかねない状況の中で、見事に近代化を成し遂げたり、困難な状況の中で日清、日露の大戦で勝利を収めたりと、そういう面では大いに評価されてしかるべきと思うのですが、欧米へ近づけと近代化を急ぐあまりに廃仏令、廃城令などで日本の建築物の美しさを見失ってしまった点だけは非常に悔やまれます。
改革というものは、それ以前のものを否定するものではありますが(特に城は権力の象徴としての一面を持っていただけに真っ先に槍玉に挙げられたのかもしれません)、文化遺産としての価値にも気づいて欲しかったとまでは言いませんが、なんとか残してはもらえなかったものかと後世を生きる者の身勝手な理由とは分かっていながらも、そう思わずにはいられないんですよね。
残りはフォトギャラリーにて
笠間城その1
笠間城その2
笠間城その3
笠間城その4
Posted at 2010/09/20 00:22:11 | |
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