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今回の昭和車ですが、
スバル・アルシオーネ(初代)のうんちくを語りたいと思います。
スバル・アルシオーネ(初代)
変態
このクルマを一言で表現するならば、この言葉以外に表しようがないでしょう。インテリア、エクステリア、メカニズムに至る、
何もかもが変態なクルマは、そうそうお目にかかれるものではありません。
とはいえ世界は広いので、
上には上がいるのは事実ですが。
まず、アルシオーネが誕生するまでの軌跡を簡単に振り返りましょう。
1980年初頭、それまでの日本の自動車史を大きく揺るがすセンセーショナルなクルマが登場します。
そのクルマとは、
トヨタ・ソアラ(初代)です。
トヨタ・ソアラ(初代)
カッコいい……
80年代当時は最新とされたスクウェアなボディライン、トヨタの持つ最新テクノロジが惜しみなく投入された装備品、更にはメルセデスSクラスやBMW 6シリーズといった高級パーソナルクーペに真っ向勝負を挑めるだけの走行性能を持ち合わせた完成度の高さこそ、ソアラが大ヒットした最大の理由でしょう。文句無しにカッコいい上、豪華で速くてドイツ車より安い。こんな素晴らしいクルマが売れないわけがありません。
ついでに紹介すると、ニッサンも
レパード(初代)なんて高級パーソナルクーペを造ってはみたのですが、
余りモンを寄せ集めたハッタリクーペだったので、あっという間に
ソアラにぶっ殺されました。合掌。
故ニッサン・レパード氏
※画像は
このページより転載しました。
日本におけるソアラの快進撃は止まりません。お金持ちはこぞってソアラを購入し、
おさがりをDQNが購入するといった、完璧な食物連鎖のピラミッドを築き上げるほどの一大ブームでした。
ピラミッドの末端
※画像は
このページより転載しました。
そして、アルシオーネの開発の裏にソアラの存在が見え隠れすることは否定できません。
アルシオーネはスバルが造ったソアラと言っても過言ではないでしょう。
ところで、私はスバルのクルマ造りを
理想主義の追求と表現しています。中小メーカーであることを武器に、大手メーカーで採用しない高級なメカニズムを積極的に取り入れるんですね。
スバル・サンバーなんて理想主義の塊のようなクルマだったのですが、それはまた別の物語。今回はアルシオーネの話を先に進めましょう。
アルシオーネは、
理想主義に徹底的に拘るスバルが造った高級パーソナルクーペです。アルシオーネとは、すばる六星団の中で最も大きな星、すなわち
スバルのフラッグシップであることを示しています。
そんなアルシオーネに垣間見ることのできる、スバルの理想主義を見ていきましょう。
まず、エクステリアです。
変態
ごめんね、スバルくん。どう見ても
変態です。
カミソリとも比喩されるウェッジシェイプは、空力性能を徹底追求した結果の賜物。cd値=0.29という、
当時の日本車における最小値をマークしました。
理想のためなら変態であることも厭わない。
ここにスバルの男気を感じます。
やるじゃないか、スバル!すごいぞ、スバル!
次に、インテリアを見てみましょう。
※画像は
このページより転載しました。
変態
ごめんね、スバルくん。何度も見返したけど……
やっぱ変態です!
まず、
ステアリングが変態。
ステアリングは左右対称、という固定概念に挑戦状を叩きつけたものの、
敢えてここに個性を主張する意味はあったのでしょうか?
わからない。私にはわからないぞ、スバル!
あとは、ワイパーやらライトやら、ステアリング横にあるコラムスイッチの機能を、ダッシュボードのボタンスイッチに割り当てました。航空機のコックピットを模倣したとも言われていますね。
しかし、
使い勝手は大幅に悪化
ああスバルよ、理想主義とは何ぞ?
わからない。私にはわからないぞ、スバル!
次に、メカニズムを見ていきましょう。
サスペンションは、速度に応じてダイナミックに車高を切り替える、E-PSと呼ばれるエアサスを装備。もちろん、ドライバーがボタン一つで車高を調整することも可能であり、スバルのお家芸である4WDシステムと組み合わせることで、道を選ばないオールラウンド性をアピールしました。唯一残念なのは、搭載するグレードが限定されていること。
その4WDシステムも、路面状況、急加速、ブレーキングに応じて前後のトルク配分をダイナミックに切り替える、ACT-4と呼ばれる先進的なメカニズムでした。このACT-4にCYBRIDと呼ばれる電子制御パワーステアリングとABSを組み合わせることで、先進的な能動安全性をアピールしました。
いずれのメカニズムも先進的かつ独創的なものであり、スバルの技術力の高さを象徴するものといえるでしょう。
さすがだぞ!スバル!
細かいことはよくわからないけど。
最後にエンジンです。理想主義を追求するスバルのこと。当然、腐れソアラやビチグソレパードでは太刀打ちできないような
大排気量の6気筒エンジンを搭載してくるに違いありません!しかも、スバルのお家芸は、
スムーズさに定評のある水平対向エンジン、ときたもんです。
水平対向6気筒といえば……
かのポルシェ911と全く同じエンジンではありませんか!!否が応にもクルマ好きの気分は盛り上がるってモンです!!
で、アルシオーネに搭載されたエンジンは……!!
レオーネのエンジンにターボのっけただけ。
ズコー
ええええぇ!?
そりゃあんまりっしょ!
それがクルマ好きの総意でしょう。
しかし驚くことなかれ。
なんとアメリカ市場では
廉価でオシャレなクーぺとして女の子にウケてしまったのです!むうう……アメリカ市場を見据えた上での判断だったというのか。何たる先見の目。流石はスバルよ。腐れソアラなど既に眼中にないというのか。
しかし、2年後には
水平対向6気筒としたER27エンジンを追加。
やっぱ何も考えてなかった!
水平対向6気筒といえば
ポルシェ911が真っ先に浮かびますが、アルシオーネのエンジンはというと、
いつもの山坂道で「眠ったいエンジン」と批判されてしまうほどの、スポーティさとは程遠いエンジンでした。あーあ、やっちゃった。
いつもの山坂道にて(16:30〜)
てかさ……
空力抵抗以前の問題だろ!
まずエンジンつくれよ!
2気筒くらい足せよ!
あーもう※%○$@
レパード≦アルシオーネ<<<<<<<ソアラ
この関係が決定的となった瞬間でした。
確かに、アルシオーネは理想主義を形にしたスバルの意欲作でした。しかし、最後の最後で
天然っぷりが炸裂してしまいました。御愁傷様でした。
残念ながら、私は初代アルシオーネに乗ったことはありません。が、私の先輩にスバリストがおり、彼の所有するアルシオーネSVXに乗ったことがありますので、その時のインプレッションを軽く。
実はあまり印象がないのが率直な意見ですが、6気筒のフィーリングは4気筒ツインターボのレガシィに比べて穏やかであり、静かなエンジンだなぁという印象を受けました。
だからこそ余計に記憶に薄いのかもしれませんが、少なくとも911のような暴力的なエンジンとは180度異なる味付けでした。
初代アルシオーネは、名前の示すスバル6星団の頂点とは程遠い結果で終わってしまいました。更に、トヨタ傘下に入った以上はレクサスの存在を無視できず、今後スバルブランドからフラッグシップが登場する可能性は極めて低いでしょう。
トヨタ傘下に入ってからが顕著ですが、スバルの持っていた「理想主義」を失っている気がしてなりません。隠れスバルファンとしては、アルシオーネのような理想主義の原点に返ったクルマづくりを行ってもらいたいなぁ〜と、ついつい思ってしまうのです。
最後に、初代アルシオーネを見て
ずーっと気になっていたことを告白します。
ぶっちゃけ似てね?
※注釈のない画像は、全てウィキペディアよりお会計ぃ〜いつもありがとー!
Posted at 2013/06/27 23:54:16 | |
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