
ぬれさぶい@ひでエリです。
雨が降っている秋冬時に「ぬれさぶい」という言葉を使ったことはありますか?
基本的に婆ちゃんの言葉ではありますが、言い得て妙。
雨の降る秋冬にはこの言葉しかないといつも思います。
さて、シーズン1を経て、シーズン2の大奥が本日終了しました。
まず改めて私はマンガ原作、全巻読破で最高評価をつけています。
なにより作者であるよしなが先生のネームと筆致が素晴らしい、どこにも文句のつけようがないです。
それを実写でドラマ化すると聴いた日には、そりゃ気持ちもあらぶりますよね。
ドラマを見終わった後、手持ちの電書「大奥」18,19巻(最終巻)を見直してしまいました。
マンガ原作がともかく丁寧に丁寧に描き込まれているので、ドラマはどうしても足早に感じられますし、老中のあの辺もっと描いて欲しい!とかはシーズン1にはあったのですが、シーズン2は非常によくまとまっていて、原作を知っている人でも楽しめる内容になっていたと思います。
シーズン2は前編の医療編と後編の幕末編に別れていました。
シーズン1の綱吉(仲リリサ)のような激烈インパクトは流石になかったものの、医療編は安達祐実のキレキレ松平、仲間ちゃんの暗黒公方様は演技がめちゃくちゃ素晴らしかったです。
特に仲間ちゃんの悪女っぷりはオシッコちびりそうになるレベル。半径2mに入ると毒殺されそうw
黒木の慟哭、平賀源内の報われなさも良かった…。
幕末編は、史実とリンクさせるためのつじつま合わせの脚本(=ネーム)が地味に美しいという展開でした。
最後の数話における徳川慶喜がとにもかくにもクッソムカつくヤツで、歴史の教科書で読んで知っているイメージとは全く違い、自分のしりぬぐいを勝海舟にやらせるわ、厚顔無恥な性格で恥も外聞もなく天璋院(篤姫)に命乞いに行くわ、自分の半分は宮家の血が流れているということで、朝敵になるのは絶対いやとかいうヘタレな理由で戦をほったらかして逃げて帰ってくるし。
ドラマでは大東駿介さんが慶喜役を演じましたが、このいやらしさがすっごく出ていました。
そしてシーズン2でイチオシなのは、瀧内公美さん演じる阿部正弘でした。
正弘は劇中では道半ばにして病でこの世を去りましたが、幕末3代の将軍大奥の総取締を勤めた瀧山を苦界から救って大奥総取締に登用し、能力さえあれば家柄や経歴は関係ないというその登用方針で、既存の老中たちには煙たがられますが、時の公方様、徳川家定(演:愛希れいか)には心から信頼され、近代日本の礎を作ったといってよい老中でした。
が、まあともかく史実としては全然違う訳です。
これをどう史実にリンクさせるのか?
そこでよしながふみ先生は、
徳永の世は実はほとんど女が築いてきたもの、しかし諸外国含めて聞こえが悪い。そこで西郷隆盛の登場で彼を悪役にして、
「そういえば名前は全員オトコじゃった」
ということで、すべて男が仕切っていたものとして、話を切り戻し、更に上乗せで、その場面を和宮(演:岸井ゆきの)が
「今までの徳永の女たちが築いてきた歴史は、西郷、お前の好きにしていい。しかしその代わり、彼女たちが愛し築いてきた江戸の街には指一本触れるな!」
この場面にはしびれました。
このダイバーシティな世の中において、こういう展開は非常に考えさせられるものがありますね。
まあ「昨日なに食べた?」のよしながセンセですから狙ってやってんでしょうけども。
足早ではあったものの、しっかり骨太な脚本で、原作を損なわず非常に高品質なドラマをみることができました。
NHKさんありがとう!
大奥シーズン1レビュー こちら
大奥マンガ原作レビューこちら
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サブカル | 日記
Posted at
2023/12/13 23:49:01