20世紀末が近づく1998年、25歳でローンを駆使しながらバブル期の国産ビッグスポーツの中古車を何台か乗り継いだあげく、最終的にスバルのアルシオーネSVXにたどり着きました。
戦闘機のキャノピーをイメージした奇抜なデザインは、3200gtと同じイタリアのカロッツェリアの巨匠ジウジアーロの作品です。フラット6エンジンは和製ポルシェとも呼ばれました。
<めちゃくちゃかっこいい国産車 SVX>
先日、3200gtを手放す直前、国道で停車中に中学生くらいの少年がカメラをこちらに向け無心に撮影してました。「この車知っているの?」と聞くと「3200gtでしょ、大好きなんです」と大きな声で返してくれました。若者が車離れしてる中、マニアックな子供もいるんだと感激しました。
3200gtはジウジアーロの長男がデザインしたそうですが、テールランプは個性を追及されて仕方なく修正したものです。世界で初めてLEDを使用したテールライトですが、個人的にこれを超えるデザインのテールランプを未だに見たことがないです。アメリカでは光量不足のため発売されなかったことが、さらに希少価値を高めることにつながりました。
<最も好きなリアデザイン 3200gtの世界初LEDテールランプ>
なんだか3200gtべた褒めになってきたのでgrancabrioのデザインに話題を変えます。
近年のマセラティで受賞歴があり、デザインの評価の高いものはピニンファリーナ(ケン奥山氏)が手がけた5代目quattroporteとコンセプトカーのBirdcage 75th、および元ピニンファリーナで現行giuliaなどを手掛けたMarco Tencone作のコンセプトカーalfieliです。granturismoのデザインはbirdcage 75thやA6GSCからインスパイアされたそうです。
<ケン奥山の傑作 5代目quattroporte 特に初代フェイスが秀逸 数々の賞を総なめ>
Red Dot Design Award、Import Car of the Year (Japan Automotive Hall of Fame Association)、Wallpaper Design Award for Best Car、Best “flagship” for Quattroruote, Auto Motor und Sport and L’Automobile Magazine readers、“Best Concept” of the Editors’ Choice Awards assigned by the American Autoweek magazine、Louis Vuitton Classic Concept Award
<Birdcage 75th、ケン奥山とJason Castriotaによりgranturismoの基本イメージとなった>
Louis Vuitton Classic Concept Award (2006)、 Best Concept Geneva Motor Show (2005) 、The most beautiful car in the world (2005)
<alfieri 文句なしのカッコよさ。圧倒的支持で2014ベストコンセプトカー受賞>
最初にgranturismoのデザインを見たとき、アクが強いなあ、、と感じ、よく評される美しくエレガント、流麗で妖艶などと全く思いませんでした。しかし近年の流行である縦長ヘッドライトのデザインに慣れてくると、ヘッドライトの位置とフロントフェンダーの張り出しの造形が絶妙なバランスで、全体的にも直線と曲線を融合した秀逸デザインだと感じるようになりました。
鯉の口のように突き出たフロントグリルは 、2017年に開催された世界最高峰のクラシックレースカーを決めるザ・ペニンシュラ クラシックス ベスト オブ ザ ベスト アワードでNo1になったA6GCSをモチーフにしているようです。テールランプは写真よりも実物の造形はかなり凝っており立体的です。奥山氏が好きなガンダムの目に似ています。
grancabrioのデザインですが、冒頭のラフスケッチが示すサイドラインが非常に気に入っています。Jason Castriotaはサーブへ転職したため、当時ピニンファリーナに在籍していたチーフデザイナーのGuglielmo CartiaおよびディレクターのLowie Vermeerschがgranturismoをオープン化するリデザインを手がけ、grancabrioの見事なプロポーションを完成させました
大人が4人乗れるオープンカーはマセラティとして初の試みで、メタルトップのフェラーリカルフォルニアと差別化するため、クラシックなソフトトップが採用されました。これはデザイン的にも大成功だと思います。
2009年パリにて、フランスの雑誌L'Automobile Magazineが設立したTrophee du Designで、最優秀デザイナーにピニンファリーナが選ばれました。その要因は458italiaとgrancabrioのデザインだったそうで、受賞式においてLowie Vermeerschは機能品質とデザイン効果の両立を模索することがデザイナーの役目と言っていたようです。その両立を果たしたgrancabrioと458italia。どちらも同じ系統の傑作エンジンとピニンファリーナの傑作デザインながら、中古車価格は2から3倍も違います。grancabrioはかなりお買い得と思いますよ!
今回も情報整理のため長々と書きました。
これからは走行や実用性などのインプレッションおよび
メンテナンスを記録していきたいと思います。
(参考)
Dexigner ニューヨーク発
https://www.dexigner.com/news/19539
ピニンファリーナ公式
https://pininfarina.it/en/work/maserati-granturismo/
Jason Castriota、Ken Okuyama インタビュー記事
https://www.fastcompany.com/76776/oral-history-design-behind-maseratis-2008-granturismo
AUTO DESIGN
http://autodesignmagazine.com/en/2010/06/maserati-grancabrio-naturalmente-aperta-elegante-e-sportiva/
grancabrio wiki
https://it.m.wikipedia.org/wiki/Maserati_GranCabrio