「外出自粛企画」だったんですが、
非常事態宣言も解除されたのでマイナーチェンジ。
30年超経過の雑誌を見ながらの思い出語り第2弾です。
今回のお題は 月刊自家用車デラックス。
83年8月、アタクシはまだ高卒就職1年目にして、
自動車教習所通いの身でありました。
免許取得間近ということで、
スーパーカーブームのころ以来5~6年ぶりに手に取った自動車雑誌です。
今井雅巳さんという方らしいですが、
当時いろいろなところでこの方のイラストを目にしていたように思います。
表紙に描かれているのはタモリさんですね(^o^)
「笑っていいとも!」が始まって、そろそろ1年が経とうとしていた時期です。
巻頭は、発表を控えた新型車の予測記事です。
「スクープ」と言えるかどうかは微妙なところ。
翌84年、
シティのオープンモデルがリリースされるのは捉えられていたようですが、
「カブリオレ」ではなく
「コンバーチブル」となっています。
登場時期が近い(85年)パルサーEXAのコンバーチブルとごっちゃになった?
また、ターボ(無印)までのナローボディがベースになっています。
実際にベースになったターボ2はまだ発表前なので、
さすがにそこまで情報を詰め切れなかったんでしょうね。
もう一台はトヨタMR2。
名前はまだ特定できてないようです。
MR2といえば、このあとの東京モーターショーに
プロトタイプというべき「SV-3」が出展されますが、
これまた未だ世に出てないタイミングなので、
「トヨタが日本車初のミッドシップカーを発表!」
というニュースを掴んだというだけで褒めてあげるべきか。
イラストはあんまり似てません(^_^;)
お次は
S12シルビア/ガゼール。
記事によると、2ドアノッチバックが先行し3ドアハッチバックが後で追加されるような書き振りですが、そうでしたっけ?
同時だったような気が・・・
イラストは、サイドのディテールは割と正確なのに、マスクは違いますね。
トリを飾りまするは
Z31型フェアレディZ。
V6ターボ搭載の情報、
セミリトラ(パラレルライズ型)を持つボディシルエット、
共に核心を突いています。
やはり発表間近のモデルほど確度の高い情報が載せられるようですね。
続いてニューモデルの試乗記事。
この記事で
バラードスポーツCR-Xとの邂逅を果たしましたが、衝撃でした。
小さく、軽く、速い。
そして何よりカッコいい。
このときは3バルブの意味も解りませんでしたが、
DOHCほど仰々しくなく、かつ理知的で
CR-X(と、ワンダーシビック)にお似合いのエンジンだったと思います。
もう一つの試乗記は、スタリオンターボのインタークーラー追加モデル。
このころは「ツインカムか、ターボか」の時代で、
二刀流を気取っていたのはニッサンのFJ20ETとトヨタの3T-GTEUだけ。
(ただし3T-GTEUは2バルブ)
またターボにしてもインタークーラー併設はまだ少数派でしたから、
たとえOHCでもこのスタリオンは屈指のスポーツモデルと言えるものでした。
2リッタークラスなら先のFJ20ET(190ps)に次ぐ、175psを誇ります。
スタリオンもカッコよかったですね。
ガンダムチックと揶揄されたりもしましたが、
今ならガンダムチックは誉め言葉かもしれません。
そしてこの号のメイン記事、
国産乗用モデルせいぞろいの巻。
このころ、こういう特集記事の不動の1番バッターはスターレットでした。
いまだとヤリスからなのかなぁ。
最近新車の記事を力入れて読まなくなったのでわかんないですけど。
そのスターレット、
モデルチェンジサイクルのあやで、まだFF化されていません。
この時期、カローラ・スプリンターが
横置きFF+FR(言わずと知れた)、
コルサ・ターセル・カローラ2が
縦置きFF、
スターレットは
FRと・・・
トヨタだからこそできる、あれこれ試行錯誤戦略遂行の真っただ中でした。
同じくトヨタ車のページ。
コロナはFF5ドアが出てきましたが、まだFRが主流です。
前も書いたけど、この2ドアハードトップはカッコ良かったです。
カムリ(FFとしては初代)・ビスタは質実剛健。
まだ「スープラ」と呼ばれる前のXXは、
4気筒セリカの派生モデルという位置付けで、一纏めにされています。
マーク2とチェイサーはともに、セダンとハードトップがあり、
別項掲載のクレスタはハードトップのみ。
次の代から、ハードトップがチェイサー、セダンがクレスタ、両方あるのがマーク2というバリエーションに整理されます。
クレスタが真逆になったので、ちょっと面食らったものです。
日産の過剰な
5兄弟大衆車群。
そのあとに
スタンザ/オースターという、5兄弟より少し上のこれまた兄弟車。
今にして思うと絶妙なページ構成といいますか、
1年前まで「リベルタ」というクルマは
「スタスタ」コンビ(^_^;とともに3兄弟だったのが、
格下げされてパルサー軍団にスライドしていたのでした。
ここではクーペという車種の変遷も垣間見れます。
パルサーには、チェリー時代からハッチバッククーペがあり、
サニーにもファストバックのクーペがありました。
しかしパルサーEXAはノッチバック&リトラという、
プレリュードと相通じる姿に変貌し、
ここではまだ残っているサニーも間もなくクーペを諦め、
こちらは
ファミリアコンセプトの
台形ショートハッチに活路を見出すことになります。
三菱のラインナップです。
軽のミニカを除くと、
ボトムはこのミラージュ&ランサーフィオーレの兄弟車。
共通のメカニズムを用いながらやや上級のコルディア・トレディアと、
そのはざまでやや取り残された感じのランサーEXが並びます。
「フルライン」が好きな三菱ですが、
このころはフルラインターボ展開の真っ最中。
特記すべきは、そのうち小排気量クラスでキャブ+ターボを積極展開していたことでしょうか。
この中ではミラージュが1400キャブターボです。
コルディア・トレディアもそうだったのですが、
この号の少し前にターボが1600から1800に格上げされ、
それに伴ってECI化されました。
フルライン化を急ぐあまりのキャブ続投だったのかもしれません。
軽は4メーカーから5車種のラインナップ。
いまと比べてごく簡素ですが、実はこの中に
「売れ筋」はありません。
売れているのは
アルト、レックスコンビ、
ミニカエコノ、
ミラクオーレの
いわゆるボンネットバン(4ナンバー)です。
そちらはリアシートがごく小さいので、3ドア一択のラインナップになります。
ミラ/クオーレが先鞭をつけた背高レイアウトが主流になるのはこの次のモデルチェンジサイクルで、
まだ小型車ハッチバックの縮小版的なシルエットが大勢を占めます。
ターボはミニカ(アミL/エコノ)のみ。
秋以降各社が追いかける展開となります。
アミLターボは友人が乗ってましたが、
ヒュンヒュンという吸気音が刺激的な1台でした(^_^)
次!
「自家デラ」誌のお家芸企画、ライバル各車の比較対決です。
小型車枠のオースターJX、ビガー、カムリ
大衆車枠のカローラ、サニー、ファミリア
リッターカー枠のマーチ、シャレード、シティが
俎上に上っています。
何故かアタクシ、
トランクルーム容量には並々ならぬ関心がありまして・・・
それにこたえてくれるゴルフバッグ詰込み対決です。
「ゴルフバッグ
4セット」なんて、最近の小型車クラスで考えても
決して低くないハードルのような気がするんですが・・・
もしかして基準とするゴルフバッグの大きさが昔と今で違うんですかね?
ゴルフやらないんで全然わからないんですけど(-_-;
ゴルフバッグの他には、
段ボール箱詰込み対決なんてのもありました。
また機会があれば載せてみたいと思います。
そして現代の主役、
多人数乗用車(ミニバン)と
高床式悪路対応車(SUV、もしくはクロスオーバーSUV)はこの時代、
「
RV車(レクレーショナル・ヴィークル)」と十羽一絡げで、
見開き4ページの小商いを細々と営んでいました。
もちろん潜在需要はあり、立派に商売として成り立っていたわけですが、
一般の家庭でこれらのモデルを所有していると
「ちょっと変わった人」認定必定の80年代前半。
個人的には86年発売のテラノ辺りから、
世間の認識が変わっていったような印象があります。
広告です。
アフターパーツも今と昔ではずいぶん趣が異なります。
どっちがどうということはないんですが。
これは通販のコンソールボックスの広告。
思えばコンソールボックスなんて非装着が普通、
正面のセンターコンソールもスポーツモデルのみなんて時代でした。
高齢化でスイッチ類の大型化が進み、
ナビの普及もあってセンターパネル周辺の土地需要は増すばかり。
コンソールボックスも、ないと電源ソケットやUSBの配置に困るところですが、
音楽はスマホつなげて・・・という昨今、
テープやCDを満載する必要もなくなり、またこんな箱は要らなくなってくるのかも。
いまってこれ、各社どうしてるんだっけ?・・・という
「女性仕様車」の特集。
女性が車を運転することが特殊だった時代はとっくに終わってましたが、
その名残りという面と、
低グレードのお買い得車設定で男性にも食指を伸ばしてもらおうという思惑があったように感じられたものです。
男性と女性の意識差もなくなった現代では、
もはや「女性向け」を売りにする必要がない、
もしくは却って販売の足を引っ張る可能性もありそうです。
「低グレードベースのお買い得車」だけあって、
通常高グレード車にしか設定されない装備が標準でついていました。
シートリフターやチルトステアリング、リモコンミラーなど、
小柄な女性が使うことを想定したアジャスト機能を奢るのはマストだったようです。
バニティミラーが運転席側に付くのもあるあるでしたが、
ほんとに女性はこれを使って化粧を直したりしてたんでしょうか?
専用のシートファブリックやデカールなど、
実際のいまどきギャル(死語)の好みに合ってたのかどうか、
アタクシには知る由もありませんm(_ _)m
そして例外なく、走りの要素は薄められていました。
DOHCやターボエンジンは選べないし、ホイール・ブレーキも廉価グレードのまま。
タコメーター装着車もほぼ皆無だった気がします。
まあ大方の想定ユーザーにはこれで問題なかったことでしょう。
自分で買う気にはなりませんでしたが、
女性からクルマ選びを相談されたら、
これらから入ればそう間違いは起きなかったものです。
これも自家デラ誌名物の
「値引き情報」です。
いまはどうしてるのか知らないのですが、
当時は全車種3段階評価+コメント付きと、非常に力の入った構成でした。
おそらく当時の自分が、何も情報なしにクルマ購入を考え始めると
「え、そんなのも考えなきゃいけんの?」と
途端に面倒くさくなったんじゃないかと思うのですが、
こういう記事のおかげで商談などにも興味がわき、
抵抗なく進めることができたような気がします。
まあしがらみが多い田舎で、あんまり
競合をあおるわけにもいきませんでしたが。
当時感が良く出ている、ユーザーへのインタビュー記事。
海老名サービスエリアで取材したもののようです。
皆がクルマで遊びに行く時代・・・思わず視線が遠くになります(^_^;
右下の記事があれ?って感じで、見出しと本文で言ってることが真逆になってます。
いまなら
大炎上ですかね?(^o^;
ところで今回、ページをスキャンして気づいたのですが、
モノクロページが
インク色の違いで3種類ありました。
最初の方が
青、中間が
黒、このページを含む終りの辺りが
緑という具合です。
カラーではないのに何か微妙な豪華さを感じさせます(^。^;
この自家デラ誌は紙も若干厚く、そのせいもあるのか平綴じになっています。
裏表紙は
「足のいいやつ」カリーナの広告でした。
マイナーチェンジで4A-Gエンジンが載り、
スポーツ色を増した黄色いカリーナとともに
千葉真一と岸本佳代子がポーズをとっています。
千葉ちゃんといえばJAC。
83年は「宇宙刑事ギャバン」最終回のいっこ前に、ギャバンの父として登場。
我々を喜ばせてくれました。
でも息子・ギャバンはカリーナではなく、
スズキジムニーに乗っているのでした(^_^;