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terry997のブログ一覧

2024年04月13日 イイね!

欲しいポルシェが無いという幸せ…3

欲しいポルシェが無いという幸せ…3彼の会社の駐車場を出る時に一方通行を右折すると、目の前に大通りが見えてくる。




昼時のせいか、道路上は自分しかいないような状態だった。車の状態もよく分からないので、とりあえず早めのペースでドライビングしてみると…実に速い。
速いし、振動は少ないし、ボディはがっしりしてるし、911にしては路面の音(凸凹を受け止める音も含む)は十分抑制されているし、時折遠くから良いエンジンサウンドが聞こえてくる…この手のカテゴリーの車としては快適さが際立っている。

その後もその辺をぶらぶらタウンスピードで走ってみたが、道路に他車がいないせいか実に快適だった。これじゃ面白くもなんともないので、高速に乗ってみようと入り口に向かうために左車線に車線変更しようとしたら、

「???」

妙な違和感、というか直感があって、軽くブレーキを踏んでしまった。
どうやら左車線に左折して入ってきた軽自動車を見落としていたようだ。
死角に入っていたのだろう…と考えて、あることに気付く。

 911ってこんなに死角があったっけ…。

道路が空いているのをいいことに、路上駐車の車のシルエットで確認してみると、今まで乗ってきた911よりも遥かに大きい死角があることが体感できた。
911にはリアに三角窓があるのだけど、あれは死角を減らす効果がかなりあって、きびきびと走るための安心感につながっていた。

車で何千万も損をしてきて、他に使うべき時間を浪費して、それでも趣味として車が好きだという生活から経た教訓の1つに、資質に優れたスポーツカーであるためには死角は好ましくないと言うのがある(ゼロにはならないけど)。だって「道路はみんなのもの」だし、速い車には、自分も含めた車の周囲の安全を確保することがより重要だということだ。

車には死角がある。だから十分に時間をかけて自分が確信を持てるまで車線変更はしないし、出来ない。
従って、その確信が持てない車は「良い車」としての資質に欠く。それが動力性能的にスポーツカーであるならなおさら…実際はそんな車が結構あるのだが。

世の中のスポーツカーには、右車線に合流するのは相当なリスクを要するという車がある(LHD車の場合)。物理的に、本当に必要な視野や視覚情報が殆ど無いという車があるのだ。そんな車に乗る時は、窓を開け放って車外の音を拾うなどの工夫が必要なのだが、そういう車に限ってマフラーが交換されていたりする。それに昔に比べてEVやキックボード勢も増えてきた。そんな車で200kmオーバー?湾岸線をスラローム?相互監視社会化しているのに?

これは途方もないリスクだ。
自分でもそういう車の1台を買ったことがあるけれども、すぐに売却に向かったのはこんな背景もある…。

「速く走ることが出来る車」には死角が極力無いほうがいい。

数多ある自動車メーカーの中でこれを理解していると思わせたのは、なによりもポルシェだった。ポルシェがどんどん「アクセサリー化」している中でも、自動車造りの矜持というか、車を分かっているよねと思わせたものだ。そしてもう一社はマクラーレン。マクラーレンは車を本当に分かっていると思わせる作り方を随所にちりばめている。

 ポルシェって、911って、そういうのを忘れちゃったのかな…。

エンジンフード上の「遊び」にアセットを消費するくらいなら、こういった真に必要な部分に労力を注いでくれる方がポルシェのイメージなのだけど(それともブラインドモニターオプションを買えと言うプレッシャーなのか)。

(続く)



Posted at 2024/04/13 13:41:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記
2024年04月10日 イイね!

欲しいポルシェが無いという幸せ…2

欲しいポルシェが無いという幸せ…2

指定の場所に赴くと、秘書さんが愛想よくキーを渡してくれる。



 



 「社長のところにもっと来てください。機嫌が良くて助かるんです」


キーを受け取りながら、それは利害関係が殆ど無いせいなんだよな…なんて思いながら、軽く会釈してお礼を告げた。


ドアを開けるのは一苦労、ではなく、にゅっと出てくるドアノブを引っ張る…なんか気持ち悪い。なんでグリップ式を止めたんだろう、あんなに蘊蓄を語っていたくせに。


運転席に座るとあれやこれやのボタンが一杯あって、ダウンロードした取扱説明書を見ながら11つ確認していく…GTSなだけに結構な標準装備の数々だ。


いつまでたっても出発しない僕の様子を秘書さんが心配そうに、チラチラとこちらを見ている。大丈夫ですよと伝え、お仕事に戻ってもらった。


さて、ノブを捻ってエンジンを始動してみる。中々良いサウンドが聞こえてきた。乾いた、粒のそろったスポーティなサウンド。水平方向にシリンダーが6つも並んでいるとは思えないくらい。


納車されたのは結構前のはずだけど、やはりほんのちょっとしか走っていない。

まあ、分からなくもない。彼の好みから少し外れていることは想像できる。なんで買ったのかって?彼しか分からないことだけど、多分、ちょっとだけ気になったんだと思う。要らなくなったらいつも通りに息子さん辺りに流れていくはず。


MT動作は普通の車と殆ど一緒。クラッチもさほど重くない。くせが無いと言えなくもないが、少なくとも1速や2速は大丈夫。

取り急ぎ、ミラー類だけ調整してと…こういったスイッチ類、意匠が随分と変わった。自分の好みではないけど、本質的な部分ではもちろん無い。


さて、まずはその辺からぶらぶらとしてみよう。欲しいポルシェが無いなんてのは、自分にとっては一大事なわけで、この短期レンタルで変化が生まれるなら実に喜ばしい…。

少し楽しみになってきた。


(続きます)

Posted at 2024/04/10 22:31:34 | コメント(3) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記
2024年04月08日 イイね!

欲しいポルシェが無いという幸せ…1

欲しいポルシェが無いという幸せ…1

目の前にあるのは992GTS





なんとまあ、大きいことか。実際は現行M2の方が僅かに大きいのだが、こちらの方がずっと大きく見える。


もうすぐ返却時期が来るけど殆ど乗っていない。乗らない理由は1つ。それは持ち出すのがなんか億劫だから。こんなこと911であっただろうか。


それは数週間前のこと。

 

 「最近、欲しいポルシェが無いんですよね…」

 

Aさんとこんな感じで他愛もない話が続いていく。

彼と会うのは半年に1度くらいのペースよりも、もう少しスローなくらいだろうか。

普段猛烈に忙しい方なのだけど、たまに色の違う人(僕)から意見が欲しいようで、お誘いがあれば必ずそうするようにしている。

彼は欲しい車ならほとんど買えるだけの財力を持っているけど、買い漁るようなことはしない。コレクションを見せびらかすことは決してない。そしてきちんと自分で弄れるだけの知識と技術力を持つ、僕が本当のエンスージアストと感じる人たちの内の1人。

 

 「来週から出張だから、しばらくうちのGTSを乗ってみればいいじゃない」

 

そんなことを簡単に言ってくれるけど、実のところそんなに嬉しいわけでは無い。


気の向かない素振りの僕を気にすること無く、彼はその場で秘書にキーを持ってくるように指示を出していた…。


(続く)


Posted at 2024/04/08 23:53:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記
2023年05月30日 イイね!

スチールとアルミ(一部追記)

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ここ1週間ほど、手元に991のPDKモデルがある。
長くあるわけではないので…それにこういう機会もあまり無いだろうから、努めて乗るようにしている。
もう700km位は乗ったかな。

ポルシェの初体験は964のカブリオレ。
騒音の大きさと幌の開閉のめんどくささに常用することは諦めた経緯がある。
その後、素の996のMTモデルを買いに行ったり…実はあまりに普通で静かで感動しなかったので買わなかった(笑)。
それにステアリングがテレスコのみで、いまいち好みの姿勢が取れなかったこともその理由にあったかな。
その996がモデルチェンジして997になって…なぜか衝動的に997を購入して、現在に至る。

ポルシェ911は50周年なんて囃し立てられているが、50年同じモデルが作り続けられていることも驚きだが、もっと驚きなのは、その残存率。
なんと作られた911の50%が今もどこかを走っていたり、大切にされているらしい。

ポルシェの残存率の高さは、理由は本当にそれぞれだけど、どこかのレポートにあったようなフレーズだが、「感性を通じて車と会話しながら走ることが出来る」と言うのが大きな要因と信じている。
そういうフレーズを支えてきたのは、踏めば反応するエンジンの出来によることも大きいとは思うが、
その素材、即ちスチールボディの作りこみにあるのではないかと思っている。

スチールボディはアルミボディ全盛の2000年代においても、911については使われ続けてきた。
昔の話だが、その理由をヴァイザッハのエンジニア氏によれば「スチール素材の撚れ具合の作り込み易さ、味わいと先の読み(訳があっているかどうか自信ない)」と、「リペア性の高さ」に上げていたように記憶する。

金属の疲労を表す指標としてS-N曲線というのがあるが、素材の厚さや入力の大小を考慮しなければスチールはある一定のところで金属疲労が止まるというか、耐える状態が続くのに対し、アルミニウムは永続的に金属疲労を貯めていき、それは破断するまで続く。
もちろんX軸に時間をとれば、その傾きが穏やかになるようにアルミ素材を厚くしたり、構造に工夫したり出来るだろうが、それだと重量増加を誘うし、わざわざリペア性の低い素材を使う必要も無い。
結局、「金属疲労を常にためていく」という金属の性質自体は変わらないそうだ。

911はスポーツカーだから、モータースポーツで酷使されたり、事故を起こしたりした車も多いだろうが、その多くは修復され路上に戻っていく。
それは町工場で容易に溶接できたり、叩いたり、ジグに据え付けられて元も形に戻されたりされたわけだ。
アルミでは、もうそういうことが出来る場所は少なくなっているだろう。

CADの発達や構造計算プログラムの汎用化は、それを出来るサプライヤーを大きく制限することになった。
アルミシャシーの殆どは、「これこれこういう捩れ強度で、ここにはこういう穴を開けて…」とメーカーがサプライヤーに指示すると、「サプライヤーが設計、製造、配送」までやってくれるのが、現在の状況のようだ。
ポルシェがそうだとは言わないが…なぜそれならアウディやらランボやらと…なぜこうまでシャシーの振動が似通ってくるか、理由が分からない。
991とアウディのRSモデルで同じような感触を得ようとは、全く予想していなかったわけで…。

ファナティックが多い911だから、メーカーにはこういう声が届いているに違いない。
MCでどう弄ってくるか、もしくはこないか(笑)。
多分、「MQB-!」なんていっている価値観は、このマーケットには似つかわしくない価値観というのがもうじき理解できるはず。
新車の911は991しかないから、主張しているように「積み上げてきた伝統」をよく理解してオファーしてもらいたいと思う。

(それさえないメーカーが多数という日本の日本人として、少し恥じ入りつつ。)※2023.5.30追記。個別車種に限定されるが、
「積み上げてきた伝統」を理解しているメーカーはある。


Posted at 2014/01/06 17:50:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記
2022年08月19日 イイね!

漢の意地を見せるでやんす…992GT3RS

漢の意地を見せるでやんす…992GT3RS正直言って、全く興味が無かった992GT3RS。
発表されたと聞いてAGのプレスリリースを読んでみると、なんとも天晴な仕上がりに驚きました。

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(BodyColourはPTSからMeissenBlue)

アンチ911の人たちからは、911なんて商業主義的だとか、重量配分が間違っているとかありきたりの自動車工学的な批判を受けてきたけど、そんな戯言はAGは百も承知と言わんばかりのブチ切れっぷりでした。
(ちなみにAGのエンジニアはそういう批判に対して「そいつは”プロダクツ”を理解していない頭でっかちだ。正しい自動車技術の追求だけで製品が作れると思っているのか、ど素人め」と怒っていました(笑))

WrongEndは絶対に譲らない、これは出自の問題だから。
でもそれ以外はね、最後だからやりたいことをやりましたよ、と言う感じなのでしょう。

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(ドアハンドルはグリップ型に戻りました。事故時の対応でしょうね)

911って、”癖”のある素性を楽しみつつスポーツドライビングを可能とした車であり、それと同時にリアシートと買い物や旅行にも行けるようなラゲージを備えている「GT」的な性質が市場に受けてきたわけで。

それが、992GT3RSではフロントトランクを潰したし(もしかしたら少しはあるのか?)、リアはロールケージを組んだからもう荷物は載りません、リアウィングのダウンフォースは今までよりも2倍です、遮音は殆どありません…なんていう製品にしちゃったのです。

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自動車は軽量化が全てです、重量物は中央に、etc。
自動車工学に対するアンチテーゼをどこまで突き詰めることが出来るか。
そんなことは言われなくても分かっとる、どうだ見て見ろというポルシェの911に対する拘り、アイデンティティ、意地の塊とも言えるプロダクツになっていました。

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(意外にも、リアウイングの幅はボディ幅を越えていないようです)

最早、湾岸線を転がすようなプロムナードカー的な要素は見当たりません。
買う人は、少なくともタイムを削る活動を何処かでしておく必要がありそうです。
その辺に停めておけば、FSWを何秒で走った?と聞かれるはずです。
そこでモゴモゴ言っては気まずいでしょう。
そうしないなら…値上がりまで車庫に仕舞っておく車かもしれません。

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既に争奪戦が始まっていますが、結構高価な車となります。
クラブスポーツパッケージとヴァイザッハパッケージは必須の車です。
走りに関するオプションは全部つけましょう。付けない理由を見つけるのは難しいです。
多分、合計で5千万前後になるはずです。

そして、そんなあなたはこれも買いましょう。

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まったくAGには隙が無いようで。





Posted at 2022/08/19 12:41:47 | コメント(8) | トラックバック(0) | ポルシェ | 日記

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「@Tetsu@ さん、ありがとうございます。しっかり映っていますね(風景に見入ってしまいました)。」
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