あれから6年・・・・

あの日、あの時、6年前の3月11日は、風も無く穏やかな日でした。

昼過ぎに東の空を見ると、霞がかかったように工事中のスカイツリーも見えましたが、地平線全体がぎらついたような空でした。

（以下、写真無し、重い文章の長文ですから、適当なところでスルーしてください）




この後・・・・。

ある劇場で昼の部の最後の演目を見ていたのですが・・・・・

曽我綉侠御所染（そがもようたてしのごしょぞめ）　御所五郎蔵。

開幕してほどなく舞台上手から御所五郎蔵の菊五郎さん、花道の揚幕から星影土右衛門の吉右衛門さんが大勢の手下を引き連れて対峙。

黙阿弥の心地よい七五調のツラネの台詞が始まるかどうかのところで、身体がユラユラと揺すられるようにめまいがしたかと錯覚いたしました。

二つぐらいのツラネの台詞が入るとさらに揺れは大きくなり、これは尋常では無い揺れ方と判断して、すぐに席を立ち、一目さんに外へ出ました。

外に出ても何度も揺れてましたけれど、地下鉄はどうかなと駅へ入ったら運転見合わせです。

仕方なく、有楽町でＪＲと思い行きましたが、ここで2度目の大きな地震。建物から離れて見上げるとビルの窓にかかるブラインドがゆっさゆっさと波をうつように揺れていました。

この時、すでに携帯電話は通じませんから、公衆電話に並んで自宅に連絡したところ、被害は無かったとのことで、これだけは安心。

日比谷公園に行ったら、避難所なので大混雑です。




ここで電車の開通を待つよりもと考え、新宿目指して歩き始めましたよ。

新宿で京王線の開通を待つか、少しでも先へと歩いて、開通したらそこから乗るかの二者択一です。




待つにしてもＪＲは運転中止を決めているようですし、京王線だっていつになったら開通するかどうか分かりません。




高速道路は閉鎖され、タクシーは皆無ですし、高速道路を走れない自動車が一般道で大渋滞です。




最悪は、自宅まで歩くことも想定されましたので、取りあえずコンビニで飲み物と軽い食料を買って、歩き始めました。




お腹がへったら、途中で食べれば良いわけだし、どこかでゆっくり食事をしているような時間を取らずに歩いていたほうが先に進めます。




甲州街道と京王線はほぼ並行しているので、電車が走り出せばすぐに見えます。




しかも、このコースの始めのほうは、かなり昔に、新宿ー青梅飲まず食わずかち歩きと言う大会名称の時代に参加して歩いてます。




だから甲州街道だけで電車が動き出すまでと決めて、マイペースでひたすら歩き続けました。




こんな時に、普段から履いている靴が良かったです。




ヨネックスのビジネススタイルのウォーキングシューズで軽くてクッション性が良くて足に負担がかからず、心強いものです。




何しろ、靴底のクッションは、高さ1メートル余りのところから生卵を落としても割れないのであります。




さてさて、道筋には、自転車店があり、自転車を購入する方の列がずらり。たしかに、それも良い対応策ですが、京王線が災害対策では先進的電鉄会社だから開通すると読み、自転車は横目で見て通過。




道すがら、外国車の店がありまして、昔なつかしい中古車なんぞも展示されていて、歩いていて楽しみもありました。




そうは言っても次第に足は重くなり、そろそろ本格的な休憩をしたくなったのが、調布。




ここで、電車の開通を待てば、後はすぐなのであります。




6時半に新宿を出て、10時半をかなり過ぎた頃でしょうか、調布駅入り口を駅のほうへ進むと、京王線が全線開通との声が。




何と、想定どおりです。




京王線は、災害対策で無料でしたが、入場規制してホームにあふれないように順番に入れさせたり、速度45キロ以下で各駅停車でした。




こんな災害の後でも走るなら速度が遅くても気になりませんし、地獄に仏であります。




かくして、ほぼ想定どおりに自宅へとたどり着くことが出来ました。




この時に犠牲となられた多くの方のご冥福をお祈りします。また、復興途上の被害者の皆さんに一日も早い平穏な日が戻ることを祈りします。