[EJ20ターボ] RHカム角センサのO-リング交換・その４/4

整備手帳・その３（→ https://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/1195387/6818279/note.aspx ）からの続き。

取り出したRHカム角センサのO-リングの拡大図。O-リングはもともと断面形状が円形のはずですが、見た目は外径部分（RHシリンダヘッドと接する部分）が潰れて、D形状に変形していました。

（余談ですが、カムセンは樹脂型から分かる通り三菱製です。）

純正のO-リングをキズ付けないよう、まち針で溝から優しく取り出そうとしたのですが、ピックアップした瞬間に破断してしまいました。

O-リングを手で触ると、カチンコチンに硬化しており、弾力性が失われた状態でした。これでは、RHシリンダヘッド（相手側の円筒形の内径）の熱膨張によるクリアランス変化に追従できないように思われます。

上側（黒色）が、経年９年７ヶ月で経時劣化した純正O-リング。下側（グリーン）が今回手配した新品のＦＫＭ製O-リング。

※ＦＫＭ：フッ素ゴム。耐熱性・耐油性・耐薬品性に優れる特徴を持っています。

ＦＫＭ製O-リングを、キズ付けないよう用心してカム角センサの溝に入れます。

挿入時は、エンジンオイルを塗布して「滑りを良くした状態」で装填するのが良いでしょう。

こうして見てみると、樹脂の色に溶け込んでしまう黒色のO-リング（純正）よりも、緑色のO-リングの方が視認性に優れるので、組み付け時の装填忘れ防止や表面キズの有無を目視点検する際などに、有利ですね。

こちらは清掃前のRHシリンダヘッド（EJ205型の右後端部）。

新品O-リングに組み換えしたカム角センサを組み戻しする前に、オイル滲み痕をしっかりと洗浄しておきます。

カムセンの挿入部周辺を洗浄した後の様子。

当然のことながら、シリンダヘッドの穴に異物が入らないように注意しての洗浄作業となります。その後は分解時と逆順で、取り外した部品を組み戻ししていきます。

元の状態に復元したあとの様子。

具体的な作業は、「カムセン装着→コネクタ接続→燃料プロテクタ装着→ブローバイホース類の装着→ハーネスクリップ装填→エアクリボックス＆吸気ブーツ類（サウンドクリエーター(R)を含む）の復元→加圧給水タンク固定→最初に外したホースブラケットを固定→エンジン全体の目視点検」です。

エンジン全体の目視点検（ボルト類の締結忘れはないか、コネクタ類の結線忘れはないか、ハーネスの引き回しは適切か、部品の干渉はないか…etc.）を済ませたら、念のためIG-ON状態を経由してエンジンを始動します。

チェックエンジンランプの点滅無し、始動後の異音発生なし、その他の異常（ラフアイドルなど）無しを確認して、ひとまず作業は終了です。

後に試走するなどして、当該部からのオイル滲みの再発がない（解消されていること）を確認して、一連の作業が完了となります。

画像は今回の作業で使用した工具類です（写っていませんが、他にトルクレンチを使用）。以上、ご参考まで。