今回、BMW F10 523dに乗り換えたわけですが、なぜこのクルマを選んだのか、というあたりを記しておきたいと思います。
まずはこれまでの車歴ですが、プロフィールにも記載のとおり、
S13→HCR32→S15→JZS171+BNR32→F10
ということで、全てFR車(BNR32はFRベースのトルクスプリット4WDなのでFR扱い)であり、私の中ではココは譲れないポイントです。FF、若しくはFFベースの4WDは正直好みでは無く、まぁ食わず嫌いなところがあることも多分に認めますが^^;
そしてエンジンはというと、直4NA/ターボ、直6NA/ターボ/ツインターボに乗ってきたのですが、つい先日まで完全バランスエンジンである直列6気筒の1JZ、RB26を2台持ちしていたことを思うと、とても贅沢な6年間だったと思います。
そして今回のBMW F10 523dですが、FR、直4ディーゼルターボで、今回の乗り換えの大きなポイントとなったのが、このBMW製2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン、「N47D20C」です。
このエンジンで個人的にいいな、と感じているポイントとしては、
・BMW製エンジン(エンジン屋のエンジンという意味)
・アルミシリンダーブロック
・コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム
・可変ジオメトリー・ターボチャージャー
・平成27年度燃費基準+20%を達成
・燃料が軽油
辺りです。
そもそも私が最初にディーゼルターボエンジンが気になったのは、もう12年くらい前(JZS171クラウンを検討していた頃)のことで、当時のメルセデスのW211 E320CDIが日本に上陸すると話題になった時でした。このクルマに搭載されるエンジンスペックは、2986cc/211ps/55.1kgmというもので、特に1,600~2,400rpmで発揮する55.1kgmの最大トルクが非常に魅力的でした。しかし当時はメルセデスの新車という事もあり、相当高くて高嶺の花でしたが、時が経過して値がこなれてきたら狙ってみよう、と思ったのを覚えてます。
そして今に至るのですが、F10購入を決める前には当然このW211のE320CDIにも試乗しました。
E320 CDIは短時間の試乗ではありましたが、F10と比較しても普段の街乗り+α程度の乗り方では3L(W211)と2L(F10)で動力性能にはそれ程の違いは感じませんでした。
W211と比較して軽いとはいえ、F10でも車重が1.7tを超えるので、いくらディーゼルエンジンがトルクがあるっていっても、排気量が2Lでは3Lに比べて力不足が否めないだろうと思っていおりましたが、これはいい意味で裏切られました。
まぁこの2車でエンジン動力性能の違いが無いわけはないのですが、クルマの性格の違いやチューニングの違いでそれぞれ上手くカバーしているんだろうと思います。
一方、恐らく最も大きな違いが出ると思うところとしては、高速道路での追い越し加速だと思います。国内の法定速度を完全に守っている限りは使うことの無い領域かもしれませんが、まぁそれは置いておくとして、100km/h~の加速は明らかに違うと思います。
ですが私はこのクルマにそこを求めたいとは思っておらず、その分エンジンを軽く、前後バランスよく、そして経済的にもメリットがあるのであれば、なにも3Lエンジンに拘らなくてもいいかな、と。
それとエンジン形式の違い(W211 E320 CDIはV6、F10 523dは直4)については、やはり直4よりもV6の方がダイナミックバランスでは有利なので魅力ではありましたが、しかしそこはディーゼルエンジン同士なので、どちらにしてもガソリンエンジンよりは振動・騒音が大きいですし、直4であれば先に書いたメリットもあります。
なによりこの直4ディーゼルターボでも街乗り領域で大切な低速トルクが十分以上にあり、エンジンの吹け上がりはむしろF10のN47D20Cの方が上で、更に出来のいい8ATのおかげもあり非常に気持ちのいい走りができるのが決め手になりました。
私含め、最近のディーゼル車を選ばれる方の多くがきっとそうだと思いますが、本当に技術の進歩は凄いと感じています。
少し前までの私のディーゼル車のイメージは、
・エンジン自体が重い
・パワーが無い
・回転(拭け上がり)が重い、
・燃費もそれ程いいわけではない(燃料が安いだけ)
・一昔前のディーゼル車の排気ガスは黒煙モクモク
・エンジンが煩い(カラカラ音が気持ちよくない)
などと散々たるものでしたが、ディーゼルエンジン特有の音の感じは多少残るものの、それ以外は見事に克服されてしまってます。今や私の中でのクリーンディーゼルのイメージは、
・トルクフル
・回転(拭け上がり)が結構イイ
・燃費がいい
・排気ガスが綺麗(DPFのおかげか、マフラーに煤が付かないのにはビックリしました)
・エンジン音が独特(回した音は結構いい感じ)
に変わりました。
同じF10の523d(海外では520dの呼称)でもメーターが少し違っていますが、走り、音は正にこんな感じです。
ディーゼルがここまで進化した理由を結構最近まで知らなかったのですが、ポイントは
・コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム
・可変ジオメトリー・ターボチャージャー
にあるようです。
ガソリンエンジンではノッキングが発生してしまうような高圧縮比、ハイブースト領域でも、混合気では無く空気のみを圧縮する直噴エンジンであれば問題とならず、そしてその超高圧のシリンダー内へ直接燃料を噴射するCDI(コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム)技術によりクリーンに燃焼できるようになった。
そこに可変ジオメトリー・ターボチャージャーを組み合わせることで、低回転時のターボ過給不足を改善し、低回転域からでも大きなトルクを発生させられるようになった。
そしてディーゼルエンジンにはスロットルバルブが無いことから低回転域からでもタービンをしっかり回すことが出来ることに加え、ポンピングロスも少ないので回転効率が良くなり、燃費も良くなる。
これらはディーゼルエンジン特有のPMやNOx問題についてもしっかり対策できたからこそではありますが、しかし長年ガソリンエンジン、とりわけハイパワーターボしか興味がなかった私からすれば、どれも目から鱗の内容でした。
N47D20Cは、聞くところによると圧縮比が16程度、最大過給圧は0.8bar程度らしいですが、私が愛して止まないRB26では、過給圧はまぁいいとして、圧縮比16などは絶対にあり得ない領域ですね。エンジンブロー確実かと思います^^;
RB26とは対極に位置するこのN47D20Cですが、大きくて、重くて、快適だけど経済的な方がいい5シリーズにこそ、このエンジンが相応しいと思い、523dとなりました。でももし535dがあったとしたら、それはそれで悩みそうですが^^;
もし今後、ハイパワーで機敏に走りたくなった時が、RB26(BNR32)の復活の時かな、と思ってます^^
次回はBMW F10に感じたもう一つの魅力である、シャシー編に続きます^^
Posted at 2018/03/25 12:53:15 | |
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