昨年の令和元年台風15号及び台風19号、10月25日の大雨で被災され、あるいはお亡くなりになった方にお見舞いとお悔やみを申し上げます。
私どもも多くの方からご心配をいただきました。
当時のことをここに記しておこうと思います。
2019年9月7日(土)
日曜納品分の製造。
仕事後は台風15号接近に備え、工場及び自宅の周りの片付け。
2019年9月8日(日)
日曜の納品を済ませたのち翌日分の仕込み。
工場、自宅付近の片付けの再確認。万が一に備える。
2019年9月9日(月)
午前2:30頃 風の音で目が覚める。その後眠れず。
午前3:30頃 トイレに行ったところ照明が切れる。部屋に戻って照明を点灯するも点かず。外を見てみると付近一帯停電の様子。冷房も停止。マジか。
まんじりともせず午前5:00。1時間以上電気が帰ってこないなんておかしい。
普段なら起きて5分で支度、車で2分で工場に到着即仕事だが、先に起きていた夫から「様子を見てくるから外に出るな」と言われ自宅待機。自宅パソは停電で落ちてるしスマホ接続出来ず何が起きているのかわからない。
自宅付近ではネット接続出来なかったが工場付近は繋がったらしく、夫は市内全域停電と判明した時点で納品したすべての小売店から商品回収に走る。(冷蔵出来ないなら廃棄決定なのでこの時点で回収)
工場の被害は殆どなし。自宅も同じ。義母と実家の両親の無事を確認し一安心。
情報収集及び充電のため停電してないエリアまで出かける。
リーフ充電中にテレビ、ラジオで見聞きしたところによると鉄塔倒壊による大規模停電であることが判明。この時点での電力復旧計画によると翌日には何とかなりそうなのかな。東電及び関連会社の工事車両があちらこちらで作業してるので暑いけど頑張ってと心の中で応援する。
今日は仕事できないね、ってんで晩御飯を買って帰宅する。
近隣の信号は点いていないのでドライバーも歩行者も互いに気を付け譲りあって通行する。普段の気合一発な運転をする人はどこに行ったのだろうと疑問に思っていたらフリーダムな運転をする人に会う。こんな時に事故ったらと思うと寒気がする。
帰宅したもののなーんにも出来ない。暇だから本でも読もう…暗くて無理。You Tubeでも…ネット接続出来ないから無理。暑くて眠れない。窓開けても湿気たっぷりのぬるーい風が申し訳程度に入ってくるだけ。自宅はオール電化だからお風呂も沸かせない。水風呂に入って涼んでもかえって体温上昇を招いて体内から暑い。電気大切冷房大切。この日は上弦過ぎの月が出ていて外の方が明るかった。
2019年9月10日(火)
午前5時起床。
今日やること
・義母や両親に体を拭くシートや経口補水液、食事などを届ける。
・廃棄商品の処分をどうすっか考える。(実家の畑に埋めていいか相談する)
・工場の冷蔵庫内の片付けと掃除。できる片付け、掃除は全部する。
・リーフの充電だけは満タンにしとく。(ガソリン車はあんまり走んないし給油後だったから燃料満タン。)
電気が来たらやること
・機械動かして古い豆の片付けと仕込み。仕事できるように準備する。
実家に届け物したときに「畑にお豆腐埋めていい?」って聞いたら「角のとこなら今年は掘り起こさないからいいよ」ってんで日中は避けて夕方から作業。早桶の一つくらいなら余裕で入る穴掘って大量のお豆腐を埋める。疲れた。
真っ暗になる前に晩御飯食べとこうと思ったのにカセットコンロで作ってるうちに暗くなって食べるころにはこれ。↓
ちっちゃいランタン無いよりマシ。
この晩は無風。暑くて敵わないのでドライブして車で涼む。木更津イオンの充電時が復活したらしいので利用時間外だが見に行ったら。
中部電力の皆さんをはじめ多くの電力会社が災害復旧応援に来てくれていました!
東電も頑張ってくれてるのは知ってるけどこんなにあちらこちらから来てくれてるんだと嬉しくありがたく思いました。(今思い出してもありがたさに涙が出ます。)
2019年9月11日(水)
午前5:00 暑くて起床。トイレに入ってると照明が点いた!スイッチオフにしたら消えた!オンで点く!
急いで工場へ行くも途中の信号は消えたまま。工場もまだ電気点かず。マジか。本日も休業か。
納品先の小売店さんのあるエリアはまだ。自宅付近も道路を隔てて停電地域がいくつもある。うちのある一角は復旧した様子。実家にも顔を出す。変わりなく安心。
取り合えず帰宅してたまった汚れ物の洗濯。
自宅の冷蔵庫、冷凍庫内のものは全滅なのでこれも片付けして掃除。
高宕山の酪農家へ。途中陸自の給水車に会う。ポンプで汲み上げる高さにある集落、地域では断水になっている様子。
牛舎でご主人に会う。ご家族、家畜ともに無事。牛舎の屋根、壁などが一部吹き飛ばされていた。「みんな無事だったから良かったよ」と笑っていたが容易ではあるまいに搾乳など人力で行っているとのこと。
お風呂を沸かしてゆっくりつかる。あったかいお風呂最高。
ご飯炊いたけど冷蔵庫は空っぽ。梅干しとおかかでご飯。炊き立て白飯最高。
冷房入れて昼寝。久しぶりにぐっすり眠る。涼しいって最高。
2019年9月12日(木)
午前5:30 工場の電力復旧!急いで行って機械を動かしてみる。大丈夫!動く!
古い豆を片して機械を洗って新しい豆で仕込み。
午後3:00 4日振りに仕事。夜までかかったけど仕事が出来て嬉しかった。
2019年9月13日(金)
実家、小売店さんのあるエリア電力復旧。連絡をして納品。
夕方になってから前出の酪農家へ。でっかい発電機がガンガン回っていて牛舎だけ明るい。近くの小学校では陸自のお風呂が開設されたようで家族はそちらに入りに行っているとのこと。
2019年9月14日(土)
この後南房総市の叔母を訪ねる。交差点で他府県の警察、工事作業中や移動中の他県ナンバーの電力会社、陸上自衛隊車輌と何度もすれ違う。初めて見る自衛隊車輌やバイクに大興奮する。
電柱が途中からひしゃげてしまい道路に覆いかぶさるような箇所がいくつもあり不安になる。叔母の無事を確認。従兄弟らも無事で安心する。
館山でコペン乗りのノブさんに会う。皆さんご無事とのことで安心する。
この後も市内各地で復旧作業が進められ倒れた街路樹の撤去や傾いた電柱、信号機の修復が行われ電力が回復したのち主な通りの街灯、信号機が点いた時には感動した。
2019年9月18日(水)
前々からの予定で茨城での研修に出席。
研修参加者からご心配いただくがその度に「うちは大丈夫だから心配しないで。それより南房に観光に来てほしい。こういう時になど思わず遊びに来てしこたま銭を使って下さい。」とお願いする。
研修後にサッカー観戦。思ったより大きく見えて面白かった。
2019年10月11日(金)
台風19号接近、上陸に備え色々準備。
海上で突如消滅してくれないかと本気で思う。
2019年10月12日(土)
前回の台風の時は2階に一人でいて大層心細い思いをしたので1階に布団を運んで夫の近くにいることにする。
風雨が強く近くの川が氾濫危険水位になるなどあったが前回のような停電等は起きなかった。
2019年10月25日(金)
朝から雨が降り続く。昼頃から大雨となり台風時の雨量より多く感じた。市内の川数本が氾濫危険水位を超える。友人、兄弟の住まう市で溢水が起き友人数名に帰宅困難者が出るも皆怪我などなく無事。翌日には帰宅したとの連絡が入る。
15号直撃直後から多く方からメール・メッセージ等でご心配やお心遣いをいただきました。
都内の友人からは「千葉に留まらなくともいいならこっちに来なよ。何があるじゃないけど冷房は利いてるよ!」とか、別の友人からは「足らないものがあったら教えて。持って行くよ。」とか。一段落着いたころに「バタバタしてる時じゃかえって悪いかと思って。」と美味しいものをいただいたり。
我が家では台風による人的、物的被害がなく電力復旧後はすぐに仕事に取り掛かれたのは幸運だと思っています。
正直な話、これまで大きな台風が来たとしてもそれがそのまま大きな被害につながったことがなかったのでこれほどの被害が出るとは思っていませんでした。
片付けが進むにつれ空き地になってしまった場所や廃業した事業者もあります。家や店の修理が年を越した今でもできていないところもあります。
政府や県や市などの対応に言いたいことはたくさんありますがここでは申し上げません。
それより停電エリアでも一生懸命食料品を販売してくれたコンビニさんやスーパーさんの小売業の皆様。要冷蔵の商品の流通が少なくなるなか販売できるのもを手計算で売ってくれていました。健康ならちょっとばかり食べなくても大丈夫でも小さなお子さんやぐっとご年配の方などは暑さに体力奪われてすぐに体調崩してしまいますものね。お風呂を無料開放してくださった銭湯さん、フードトラックで駆けつけてくださった方などなど。
警察、消防、自衛隊、電力会社、通信会社、運送業、建築業の皆様などあちこちで様々の業種の多くの方が日常を取り戻せるようにと協力をしてくださって、どれだけ言葉を尽くしても感謝の気持ちを言い表すことが出来ないほどです。
ありきたりな言葉でしか感謝を表すことができませんが、あえて申し上げます。
多くのご心配、ご配慮、お心遣いをありがとうございました。
いただいたお気持ちに報えるように頑張ります!