入門用で終えて欲しくない名車

ピニンファリーナによるボディデザインは流麗で非の打ち所がありません。フェラーリにとって節目となるクルマなので、未来感を出したのかも知れませんが、サイドにフィンが付いているクルマなんてテスタロッサと348をおいて後にも先にもないでしょう。空気を切り裂き後方に流れていく感じをデザインで表現したとのこと。

低速トルクがあるため、かなり乗りやすいです。MTでの運転は355、360より楽です。
エンジンの重心が低く、前後の重量バランスも良いため、結構コーナリング性能は高いです。しかし昔のミドシップでフロント荷重がないため、きっちりと荷重移動してやらないと全く曲がりません。逆にコーナリング中にアクセルを戻しすぎるとリア荷重が抜けてテールスライドしやすくなります。良くも悪くも荷重移動に敏感なクルマで、峠をトバすには多少ドライバーを選びます。車体剛性が不足気味なのが影響していますが、普通に走るには全く問題ありません。30年以上前のクルマですし、設計手法を刷新した第1号車種なので仕方ないと思います。これも含めて味でしょうか。真っ直ぐ走らないなんてことは断じてありません。

足回りは想像以上に柔らかく乗り心地も良いです。重心の低さでロールは抑えられています。室内は外観から想像できないくらい広く、グラスエリアの広さから開放感もかなりあります。もしtsならばさらに開放的で楽しかったかも知れません。

フロントにトランクがあり、深さがあるためそれなりに積載性はあります。小旅行でも困らないでしょう。しかし開け閉めが面倒なので、普段はシート後ろに色々置いています。普通に外出してちょっと服とか小物を買う程度なら、後ろに置くだけで困りません。

燃費はお世辞にも良くはなく、平均6km/L程度ですが、3.4Lとしては悪いという程ではないかも。

前にも書いた通り不人気なため価格は安めです。さすがに最近はタマ数もないため、多少高くなってきています。