• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2022年10月30日

過去のレストア記録 ~ 昭和25年頃 東芝 C-4752型

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第五弾。
今回はこれまでと一変して戦後の機種、「東芝 C-4752型」です。
正式な年式と名称は不明なものの、後述の理由から恐らく昭和25年頃の「ひまわり(R-1)」ではないかと思います。

こちらを入手したのは2015年1月23日。
扇風機集めに季節は関係ないのです。
部屋には一年中、10台以上の扇風機が飾ってあります。





こちらが入手時の様子。
経年の汚れがある以外は良好な状態を保っており、動作もしました。

東芝とはなっていますが、羽根ガードのプラ製エンブレムは「SHIBAURA」と「SEW」です。
これは東京電氣と合併して東京芝浦となる前の、芝浦製作所時代の名称・マークです(東京電気側は「マツダ」で、真空管・電球メーカでしたのでラジオ等はこちらが有名です)。

同じ本体デザインながら、エンブレムが筆記体で「Toshiba」となっているものもあるので、ちょうどブランド名切り替わりの中に居た機種なのでしょう。
恐らく花の名前が付いているはずですが、資料がないので不明です。
しかし全く同じ形状・型式名のものも持っていて、そちらは正体が判明しています。





これ。
4年後の昭和29年に発売されたC-4760型「ひまわり(R-1)」。
入手は2008年でした。
で、「C-」から始まるカタログナンバーは違うのですが、銘板に「TYPE」とある方の型はどちらも「ADF-30R-1」なんです。

なので、エンブレムと色が変わっていますが物は一緒です。
これより名称も同じなのでは…と予想しています。
なおラジオの小鳥シリーズ同様、東芝自身も把握しきれないほど多数展開されたようです。











まずは分解から。
戦前型の設計を基にしているので、慣れているとほぼ考えずにばらせます。
それでいてアルミ合金多用で軽くなっている(と言っても5kg位はありますが)ので、扱いも楽で良いです。

碍盤も戦前ベースではありますが、よりキッチリできているというか、仕上げが良くなっているのを感じます。

なお、C-4760の方は碍盤が結構変わっています。



黒塗装され、形状も円形ではなくなっています。
逓信省届け出番号も異なるので、ビッグマイナーチェンジ的な感じだったのでしょうか。

モートルへ行く電線はビニール被覆の3芯となっており、布引電線からの時代の変化が現れています。
この時代は電線やプラグもビニール化・プラスチック化が進み、本体色に合わせて作り分けられていました。
なので、オリジナルのプラグ・電線が付属してこないと当時を再現したレストアは難しくなります。
プラグは時たまジャンクセットがオークションにでてくるのでつぶしが効きますが、電線は機会を見て集めておかないと苦労します。
今新品で手に入るのは、白・黒・灰の3色がメインですし、多芯に至っては黒と灰しかほぼ選択肢がありません。





首振りギアボックスの分解清掃…ですが、なぜかこの時は写真が少なく清掃後の写真がありません。
例に漏れず煮凝りグリスになっていますので、奇麗に入れ替えました。
綺麗に…現在の状態ですが、かれこれ7年も経っているので既に変色しています。
致し方なし。



生首状態のモートル…これだけ見ると、本当に戦前型の色違いだと良く分かります。
これもちゃんと清掃したのですが…写真がありませぬ。



東芝こだわりの4枚羽根です。
アルミプレスで作られているので、中央のスピンナーと裏面のハブ以外、羽根部分は完全な一体物です。
三菱のエトラ扇に続く形で幅広タイプを採用した東芝ですが、羽根ガードと共にこの「幅広4枚羽根」も常に意匠登録していたそうで、東芝製扇風機の特長として位置付けられていました。





羽根ガードは幅広羽根の採用で安全性が高まったために、大正期以来の目の粗いデザインとなりました。
大胆にクロスしたデザインは、こうして単体で置いてみるとふっくらとした可愛らしさが際立ちます。何だかメロンパンみたいです。
脱着は羽根を付けた状態で行いますが、少々無理をしつつ羽根に捻じ込む感じになります。

中央のエンブレムは透明プラに文字を陰刻する形で成型されており、裏面から塗装で文字とマークを描いています。
当時よくあった手法ですが、陰刻になっているのが裏面なので表面は平面になっています。
しかし両端でしか支えられていないので、長い年月の中で割れてしまい、失われている個体も見られます。

プラスチックが他の部品にも使われ始めるのは、もう少し後の時代からです。









作業後の写真が大幅に不足していて申し訳ないところですが、現在の姿です。
元の状態が良かっただけに、単に奇麗になっただけといった感じです。
とはいえ、電源・モートルの電線に限らずプラグまでオリジナルというのは珍しく、またSEWロゴのこの機体というのも希少です。
重量や性能的に戦前型より実用的なので、今使うにしてもあまり抵抗なく使える部類の機種です。

オリジナルのプラグはプラ製で最中合わせのタイプと異なる、ビニール一体成型タイプです。
これも一応組立式となっておりまして、センターの茶色いキャップを外すとプラグの刃の部分が引き出せるようになっています。

ちなみにC-4760ひまわりのプラグはこちら。



これが最中合わせタイプの方。マツダエンブレム入りです。
これは当時のラジオにも標準だったタイプなので、東芝の真空管ラジオを買うと運が良ければ付いて来ます。
ケーブル共々本体色に合わせてあるので、製品ごとに色が様々あるようです。

C-4760にしろ今回メインのC-4752にしろ、個人的にはとにかくデザインが可愛いと思っているのですが皆さんはどうでしょうか?
当時流行のパステルカラーにガードのふっくら感とか、宙に浮いたエンブレム、基台もビス穴のリブが無い雫型になっていて、いい感じにレトロで落ち着く形だと思うのです。
ブログ一覧 | アンティーク家電 | 趣味
Posted at 2022/10/30 19:02:26

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

関連記事

碍子 Super Jog ZR プ ...
徳小寺 無恒さん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「ホイールマッチングとボディ再生準備、グッズ到着 http://cvw.jp/b/2115746/47717655/
何シテル?   05/12 22:28
菊菱工廠と申します。 工廠なんて言いましても、車いじりは素人でございます。 電装系なら少しは… ナンバープレートでひらがなと数字を覚えたと(親から...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/5 >>

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

愛車一覧

三菱 エクリプスクロス 三菱 エクリプスクロス
アウトランダーPHEVと迷った結果、偉大な先代、コルトプラスの跡を継ぐこととなりました。 ...
シボレー サバーバン シボレー サバーバン
Super Wagon, Texas Cadillac… それはアメリカで最も長く続くモ ...
三菱 コルトプラス 三菱 コルトプラス
家族の車です。 私が免許を取った際の練習にも活躍しました。よって、免許取得以前からの付き ...
三菱 パジェロ 三菱 パジェロ
荒野の山猫、パジェロの初代後期型でございます。 88年9月MC版、4D56 I/Cター ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation