1.
単純に機械の限界を見たい、現在の技術でどこまでいけるか、をテーマに毎年限界まで最新パーツを装着し、ほぼモデルイヤー制状態になった。
MY17でエンジンOHしたが、ハズレの標準ブロックであったためボーリング後、フルカウンタークランク等各種パーツ装着後のパワーに耐えきれず、今年2月頃の点検でブロック下部の弱点部分にクラックが入って微量のクーラント漏れが出るようになってしまった。
今までお疲れ様でした。
戸田レーシングでボーリング、山口県のアトムで組まれたRB27、調子は凄く良かったんだけどね…
合掌
2.
ブロックが割れた以外は何も問題無く、ヘッドも広島精研でしっかりOHしたところだったので、当然復活に向けて動いた。
確かに現在日産が造っている標準05Uブロックでも悪くないし、軽く仕上がるのは間違いないのだが、取り敢えず強度に不安要素を残したくない。
型から金属から果ては精度まで別物になった(…が価格は馬鹿高くなった)A1000-24U00、新N1ブロック投入を即座に決断した。
その時点で日産に在庫3機。危なかった。
そのままでもいいのだが、再度戸田レーシングにてホーニングとヘッド面研のみ施工し、ピストンサイズは元に戻してエンジン復活へと駒を進めた。
3.戸田レーシングの作業がかなり立て込んでいたため、4月末にブロック加工完了、アトムも忙しかったとの事で5月中頃に組み上がった。
しかし、そこから某パーツに問題がある事が判明し、根本的解決を図ったため相当に時間が掛かった…パーツを交換すれば取り敢えずは直るのだが、それでは再発する。それでは第2世代GT-Rの最前線に立つ意味が無い。
4.
改良が済み、7月の第1週目、遂に問題なく始動。ラッピングでも問題無し。
そして取りに行こうとした矢先であった。
「大雨」
店舗は無事だが広島、岡山辺りのありとあらゆる道路が寸断され、週末の引取を断念…
土日中、只管道路の復旧状況を見るだけの週末を過ごした。
しかし、日本の土建屋が本気を出した時の復旧の早さはやはり強烈である。
そして翌週明けてすぐ、7月9日。仕事が空いたため午後休を取り、何とか無理やり通れるようになった高速道路を往復12時間掛けて引き取りに行った。通常は数時間も走ればすぐ着く距離である…
最初から滑らかに動く。そして楽…
店での休憩時間は1時間足らず、帰路6時間ずっと運転しっぱなしであったが、喜びも興奮もあったとは思うが深夜2時まで走り続けた。
レカロは何時間座っても良い。
また、鬼のような低回転域の極厚トルクなのでブーストを掛けられない状態でも流れに乗れる。2.6Lもあるのだから本来低速トルクはあって当然なので…R35流用でちゃんとR35のような燃焼をさせてやるとそりゃアホほどトルクでますがな…
但しフロントのLSDは当初ちょっと難しかった…wハンドル切ってると練習時にエンストしたw
ボディ剛性も昨年の時点で強烈に上げているし、フロントのLSDは作動していなくてもある程度は差動制限してくれるため、静かに真っ直ぐ穏やかに走る。
燃費も慣らし回転数ではリーンバーンであるため、道の設定を間違えて広島の迂回の連続となっていた一般道を数時間走り、それに高速道路も含めて走行したがそれで燃費が10km/hちょうどくらいだった。高速道路だけなら更に数キロは堅い。
(もうちょっと抑えたらもっとリーンなセッティングの回転数に入るため強烈に良くなるのだが、3,000リミットなので3,000回転でゆったり回していた)
500kmで最初のオイル、エレメント交換を行い、最初の鉄粉を一掃した。とはいえまぁこんなもんだよね、くらいの量であった。
5.
22日日曜日。最後の慣らしの旅。広島まで。
高速代とかよりも慣らしを優先するため、山口から中国道へ回ったりもしながら最後の4,000回転慣らし。
定回転走行のため、エアコンのコアが凍りついて車内は日光とミッションとエンジンからの爆熱を浴びて凄まじい汗。吹出口からは冷たいものの非常に弱い風が出るのみであった。但し、特に疲労も無かったため、水分補給しながら慣らしを続行。
油温、水温は全く問題無く、慣らし自体はスムースに完了した。
その後現車セッティング。
ECUは勿論純正書き換え。固体コンデンサやら無誘導巻線抵抗やらで高精度化、高反応化、高安定化、長寿命化されている。
じつは、今回の作業でついでにFPCMも内部パーツをリフレッシュした。
FPCMは低回転域での燃焼効率上昇とポンプ負荷軽減のためにはやはり装着しておきたい部品ではある。
燃圧を無闇に高めると、噴射時間の関係や速度の問題から回転数によっては霧化が悪くなったりするため、そもそもが12ホールで霧化特性が非常に良いR35インジェクターであれば低回転域でFPCMは残しておきたい。
また、単純に燃圧が高いと、それだけ噴射量設定のステップが広がるため、細かい調節が出来なくなる。
単純に言えば、最大で10の噴射量を10段階で割るか、燃圧が上がって最大20の噴射量に上げたものを10段階で割るか
ただ、この辺りの劣化も今後を考えるとどうなのか、また、劣化した部品を現代部品に変更すると先述のように諸々が向上するのではと考え、リフレッシュを依頼していた。
HKSのパワーフローも最新のに変更し、エキマニも変更、ブロックも精度が上がっている。
最初の確認走行では、「全体的に薄い」との事であった。空気を更にがぶ飲みし、吐き出している。
セッティングも完了。しっかりチューニングしたエンジンで吊るしのECU、はあり得ない。データだけあってもポンと流用するにはSRエンジンよりは小さいとはいえ個体差も装着されているパーツの差も当然全く無視出来ないレベルで存在するため、安全マージンを過剰に取るしかない。
昔は色々と言われていたけど、正直滑らかで流麗だよね。実際空気抵抗も少ないし。サイズも今の車と比べると小さいし。今やシビックとかにも全幅小さいからね。
冬のままの空気圧だったので、ハードブレーキング時にフロントタイヤが負ける現象がまた出てきたため、結構下げた。
全開加速時、狙ったとおり直進性が向上し、タペット再調整もあり既に前回より強烈に下からトルクが出るが、それでも安心して踏める。ガチっとレールに乗る感覚のようなものだろうか。
レブリミットまで回して高回転での慣らしをそこそこ進めているが、ちょっとずつ軽くなっていく。
問題無ければR's Meetingで3年目も是非ご覧頂ければ。
外観はブレーキが、中身も色々と変わっています。
あと、フロントのアンダーパネルも付いているかな。
セキュリティも当然アップデート。ハンドル周りや他の車で邪魔をしてもプロ相手に防犯効果は無い…実際何台もそれで盗難されているしね。怖い時代だ。そして自衛するしかない。
大洗行ってきたのでちょっと遊び心を…
可処分所得をほぼ注ぎ込み続けたが、やっとちょっと維持に徹する事ができるかな…