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空狐のブログ一覧

2019年01月05日 イイね!

カーオーディオの音質は電源から。

カーオーディオの音質は電源から。よく、カーオーディオ関連では、安定化電源が必要、やら、低ノイズの電源が必要、やらとしたり顔で高額な機材を買わせようという手段が横行している。

確かに音は変わるだろう。だが、我々自作もするホームオーディオ畑からすれば噴飯物である!!!

そこに金をつぎ込むよりも、ハンダ付けの最低限の技能があれば、機器内部のコンデンサ交換による電源強化の方がよっぽど簡単かつ安上がりで強烈に効果を体感出来るのだ。

もう何年も前から、リアルタイムで作っている者からすると導電性高分子アルミ固体コンデンサが実使用上は最上であり、電解コンデンサはオーディオ用等と書いてあってもほぼ全てゴミ、という結論が出てしまっている。

ホームオーディオでは確かに低ノイズ電源の必要性の順位はカーオーディオよりも上がるが、それでもそれよりも先に機器内部の電源周りの改善が上がるだろう。
というか設計が多少お粗末でも、コンデンサとかだけでもキチンといいのを放り込んでおけばアホみたいに強力な電源にはなってしまうのだ…

あればいいのは間違い無いのだが、もっと先にやるべき事がある。

そもそも車自体、ノイズの巣であるため、その辺り、機器までの間でのノイズ対策やら安定化した電源の重要性というのはかなり下がってしまう。

重要なのは機器内部での電源である。給電能力である。

因みに、特にカーオーディオで使用されているコンデンサは、高級機でもそこまで性能の高い物は使用されていない。
確かに周波数特性やESRの良いフィルムコンデンサを、1DIN埋め尽くすくらいパラるならまだしも、単なる電解コンデンサではどれだけ高級なものを使用していても情報量が出る筈も無いのだ。

因みに、アルミ電解コンデンサも悪あがきはしていて、確かに「音の雰囲気、音場」としてはかなり悪くないものもあるのだが、単純に質という面で見る「音質」となるとどうにもならない。そもそも色付けが強すぎて、後に上げる導電性高分子アルミ固体コンデンサ(以下、固体コンデンサ)のストレートで素直で、桁違いの情報量からすると全く太刀打ち出来ない。格が違う。

ELNAのSILMIC系や、ニチコンのMUSE系、東信のUTSJ系等、確かに電解コンデンサで評価が高いものは存在する。使用経験もある。
しかし、一度固体コンデンサの音を聞いてしまうと何を聞いてももう比較にならない。
比べる事自体が失礼と思える。

因みに、
1.固体コンデンサは音質が悪い
2.固体コンデンサはオーディオ用途に向かない
3.固体コンデンサには定格近い電圧を掛けない方がいい
というのは完全なデマである。
そもそもちゃんとエージングが終わった後で聞いた事があるのか、と。

また、低音の量感が無い、高音がキンキンする
等の評価もよく見かけるが、それは単純に機器のバランスが以前のもののままであるか、本来の金属音、低音の締まりから掛け離れた音をいい音、として認識しているだけどしか思えないような言い掛かり的な評価も見掛ける。
銀メッキ銅線と、僕が通常使用する純銀線の音の傾向の違いとかも含め。
似たような傾向は確かにあるのだが、音としてはやはりはっきりこの2種も傾向は違う。

固体コンデンサはハンダ付けの熱で一時的に劣化し、自己修復には定格近い電圧で最低100時間程必要とし、その間は確かに(エージングのキチンと終わった固体コンデンサの音に慣れた者からは)ひどい音がするが、それでも情報量としては電解コンデンサと比較にならない音数が最初から出ている。これの何を以って向かない等と言うのだろうか。
その間、多少漏れ電流が出るにせよ、そんなんで壊れるような貧弱な製品ならそれ以外で壊れているだろうしな。

電解コンデンサのような締まらない低音がボコボコ鳴っている、高音が出しきれずモコモコした音の需要は確かに理解しているし、それはそれで聞いていて悪くないが、上から下までクリアでキチッと音が鳴らせているか、というとまた別問題である。
そういう意味では「好かない」人がいるため、そういう需要に対する電解コンデンサの音は否定しない。但し、音質という面では別。

以下に上げる写真は、改造後のCarrozzeria MVH-790である。

未使用品が中古屋で5,000円で転がってたので、改造の効果評価目的に購入した。



本来はレギュレータの後等も回路を追って替えるべきではあるのだが、
恐らく場所と使用箇所から、メインのコンデンサと、パワーアンプ部のコンデンサと思われる部分のコンデンサを交換した。
まぁ普通に降圧用の3端子レギュレータと思われる面実装部品が交換したコンデンサの写真右の方に固まって配置されているのはすぐ分かるのだが、正直チップ部品の換装はクソ面倒なのでこれでよしとしている。

固体コンデンサといえばOSコンが有名であり、同一のものであると誤認識している人もいる。確かに黎明期はこれが有名であったためにもてはやされていたのだが、最近では日本ケミコンのPSC、PSG、PSF系統の音質が抜きん出ていると言われている。実際にOSコンから切り替えたのだが、確かに良い。

とはいえ、OSコンの音が悪いという話ではなく、あくまで日本ケミコンのものからすると悪い程度であり、そもそも電解コンデンサとはこのOSコン「ですら」比較にならない超高音質を誇るのは言うまでもない。
中域のノリの良い音はOSコンもあり、と思う事もある。(私自身も嫌いではない)
ここ数年でやっとSONYが自社のフラッグシップのポータブルプレイヤーにOSコンを搭載し始めたが、やはりこちらに切り替えていってほしいところではある。

因みに、このMVH-790改も、コンデンサ交換直後から情報量はアホみたいに出ており、確かにバランスはかなり狂っていたたが、2,000km往復する頃にはかなり落ち着き、馬鹿みたいに芯の通った低音が出始めていた。まだ完全に慣らし完了とまでは至ってないが。
というか純正スピーカーが負ける。本当はスピーカーも替えるべきではあるが、許可を得た上で代車の1DINのみ交換であった。それでも強烈に音が出ていた。

さて、固体コンデンサの音質上有利な点であるが、ESR(等価直列抵抗値)が電解コンデンサに比較してアホみたいに低い(フィルムコンデンサレベル)である点と、オーディオ周波数の様なかわいらしい低周波に効く大容量を実現出来る点である。
(因みに導電性高分子は白川英樹博士によるノーベル化学賞の技術である)

ESRとは簡単に言うとエアクリーナーからインテークに当たる部分の面積やフィルタの抵抗と考えればいい(厳密に言うと排気も含めてだが…)
ここが太い、フィルタの抵抗が低ければ、アクセルに対してのレスポンスが良くなる。必要な時に必要なだけ遅滞無く空気を送り込める。

というか、そもそもオーディオ周波数帯なんて、ハイレゾですら精々が100kHz程度であり、MHz帯やPC内部で長寿命として低ESR電解コンデンサに置き換わって使用されている固体コンデンサを使用するわけである。
しかも、1つあたりが高いというのもよく聞かれるが、そもそもこれは本来電解コンデンサでは複数個必要な箇所を1つで、更に容量を減らしても十分な能力が発揮されて、結果としてコストが抑えられるという使い方が旧サンヨー等の資料では確認される。明らかにモノからして格上なのである。
(というかオーディオ帯域で言えば低ESRが効く。大容量も兼ねれば尚良し)

やや定格電圧が低い点が当初は問題となっていたが、現状では大容量ながら20V耐圧等も普通に見掛ける。

結果、オーディオの情報量や低音の正確な再現性に必要な、瞬間的な電源供給能力が凄まじく強化されるため、元の波形をより正確に再現する事が出来る。
電解コンデンサよりも文字通り桁違いにESRの低いコンデンサであれば再現すべき波形に対する電流量を遅滞無く吐き出す事が出来、結果として細かい波形や大電流が必要な時にも波形が潰れにくく、情報量が維持される。

確かに機器分解によるリスクや保証の問題、ハンダ付け等の問題もあるため、ある程度慣れた状態で行うのが望ましいが、多少古い機器でもコンデンサを変えただけで現行機器を一気に置き去りにするくらいの音質は軽々と出せるため、古い機器でも問題無い。
(古い機器だとチップコンデンサが少ないため、逆にフルにコンデンサ打ち換えを行うのであれば楽だったりするが)
その気になればチップコンデンサも非常に音の良いものはあるので、電源部や、レギュレータの前後(特に後)のコンデンサを交換するのもいいかもしれない。

そして、固体コンデンサ自体のノイズ除去能力も非常に優れているため、耐圧をキチンと考慮した上で交換すれば安定化電源、低ノイズ電源の効果も、本来重要な機器に非常に近い位置で行っている事とほぼ同義になる。
配線を長々と引き伸ばすと結局下げた電源ラインのインピーダンスも効果が減ってしまうため、機器内部で処理するのが最も効果的なのはいうまでもない。

確かに厳密な意味ではオーディオ的には積層セラミックコンデンサ以外(コイツはオーディオ的には歪特性が悪く音質を乱す)でコイルやら複数のフィルムコンデンサと固体コンデンサを組み合わせたしっかりとした電源を設計すべきではあるのだが、正直固体コンデンサだけでも十分音質は凄まじく上がるためこれだけでもかなり満足は出来る。
というかコンデンサを色々と混ぜると共振したりでまたその対策が面倒になるので、個人的には本当に混ぜないといけない箇所以外は極力コンデンサの種類は1種類にしている(全く同じ容量、定格のものを複数並列に取り付けると、更にESRを下げる事が出来るし)。
オペアンプの入力部等はフィルムコンデンサを使う等、特性の良いコンデンサを必要な箇所に使う。

正直、安定化電源等に投資するよりも、機器内部のリードタイプのコンデンサだけでも固体コンデンサに打ち替えた方がよっぽど効果はあると思われるがね。

電解コンデンサのソレとは全く別物の、色付けが非常に少ない、澄み切って偏りの無い、音数も桁違いに多い音というのは案外安価に手に入る。
(因みに今回使ったPSG 16V 2,200μFも、小売で高くても200円程度。25個単位とかなら100円を切る)
まぁハンダ付けの技術とかが必要にはなるが、無理言って店に頼んだとしても、無意味に電源に色々と付け足すよりは技術料を考えてもよっぽど効果も高く、安く上がるとは思うが…

但し、分からないならやるな。その場合は諦めるべき。起こった問題に対して文句は受け付けない。自己責任。これは当然である。
その先に、安価で比類無き音質があるのだ。

因みに固体コンデンサの弱点ではあるが、故障時に電解コンデンサと比べるとショートモードでの故障になりやすい点がある。
但し、これに関してはあくまで故障時であり、基本的に中の回路を修理してまでカーオーディオを使う、という事も無いため、カーオーディオに仕込んであるフューズで止まってくれればそれでよいと思う。
というかそのような安全性はそもそも担保されているべき。

ただ、そもそもそれ以外、特性にせよ耐逆電圧性についても、そもそもの信頼性についても、寿命に関しても電解コンデンサとは比較にならない性能であるため、コンデンサ由来の故障は少ないと思われるが。
因みに電解コンデンサの寿命が、定格温度、定格電圧から10度下がると2倍の伸びしかないのに対し、導電性高分子アルミ固体コンデンサの場合は、20度下がるとおよそ10倍伸びる。従って、今回使用したPSGシリーズの場合、データシートによると105度で2万時間程度の寿命が確保されているため、
約60度下がる40度での使用であれば、何と寿命は1,000倍。つまり2,000万時間(正確には機密の破れ等の他の要因はあるにせよ)保つという事になる。
365日、24時間で割ると2,283年保つのである。車内が真夏で高音になったとしても、明らかに寿命は理論上半永久的、少なくとも自分の寿命も含めて一切気にしなくていい。

正直なところ、カーオーディオ系統は進歩が明らかに遅れている、と思ってしまうのである。遅れているからこそまやかしのような暴利を得られるが効果の少ない製品も多いなぁ、とニヤニヤしながら見ている。
私が非常に欲しい、1DINでのハイレゾにしたって、もうチップへの集約化がかなり進んでいて、どう考えても簡単に出せる筈なのだが出ないし、仮にハイレゾのカーナビも意味もなくノイズ源のナビと一緒にする暴挙に出ているし、付加価値のために出していない、というのも分かるが、それにしてもサクッと出せるものを何故出さない、と思ってしまう。

ある程度の知識があると、飛躍的に投資金額は減る。

因みに私は電気電子関連に関して専門的な教育を受けた事は無い。

というか高校物理のコンデンサ回路とか、発振くらいしかやらないし、本来のキャパシタの用途、目的や、それこそオーディオに必要な負電圧等も習わないので、初めて自作をしようとした時は概念が理解出来ず大変だった…

まぁ、当然スピーカーも変更すべきではあると思うけどね。安定化電源は最後の最後に必要なら積めばいいけど、多分機器のコンデンサを固体コンデンサに積み替えてしまうとあんまり効果出ないよ、と。

因みに…某製品を真似て、1万円くらいで、一応安全を見込んで20V耐圧の固体コンデンサをありったけパラった物を作ってバッテリーに繋げた事があったが、その某製品の効果よりもよっぽど強烈な効果があった。まぁ考えれば簡単な事ではあるが。鉛バッテリーやスーパーキャパシタが太刀打ちできるレベルとは明らかに段違いの性能であるし…
エンジン音が明らかに変わったからな…

流石にオーディオからは遠かったのだが、それでも音質は明らかな改善を認めた。
確かに高い電源を積む効果はゼロではないのだが、今回満を持して内部のコンデンサを換装し、比較にならないくらいの音質の向上を認めた。

コンデンサ積み替えなら重くもならないので、スポーツカーに乗っていてもいい音を聞きたい!と思う場合にも良いかもしれない。

正直なところ、ポータブルでは製品も何とか追い付いてきたし、もう数年もすれば時代も追い付いてくるとは思うのだが、現在のオーディオ機器で鳴っている音は基本的には明らかに時代としてはもう古い音であり、もう既に圧倒的に格の違う音の世界が開発されていっているという事は頭に入れておくべきだとは思う。

以上は自作オーディオ界隈で有名なnabe氏のブログ等を参考にし、その後個人的な自作や検証結果等を含めて構築した。
(コミケで許可を得て、氏の回路を元にした自作ポータブルアンプを頒布した経験もある)
Posted at 2019/01/05 14:53:40 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記 | 日記

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