この種のミニバンに乗るのは、エスティマハイブリッド(現行)、アルファードハイブリッド、bB(現行)に次いで、4台目です。なお、エスティマ、アルファードのときの感想は、「観光バス」、bBのときは、「普通のスモールカー」でした。実は、旧型ノア・ヴォクシーに対する自分の中の印象は、「街中をちんたら走っている車、ノロノロ運転の先頭にいる車」(オーナーの方、ゴメンナサイ)でして、決して良いものではありませんでした。車がそうなのか、いつか検証しようと思い、とうとうモデルチェンジをしてしまったのです。
この車、後に乗ったアリオンとシャシーはほぼ同じで、価格もほぼ同一価格帯(!)というものですので、こりゃセダンは「車はあの形でなきゃね」というお年寄りしか買わないような作戦になっています。
試乗車は上級グレードで、バルブマチックエンジン搭載車でした。トランスミッションはCVTで、サスペンションが固められ、タイヤも太くなっています。走り出しの印象は、「低速域で重さを感じる」ものでした。とはいってもかったるさを感じるようなものではなく、同程度の出力のエンジンを積むセダンと比較すると力不足を感じる、というものです。エンジンは3000回転を超えると元気よく回ります。車体の重さとエンジンの低速トルク不足(?)をCVTが補い、ちょうど良い比を選んでくれます。ですから、一度走り出してしまうとかったるさは感じません。この低速トルク不足が、バルブマチックの駆動部分のチューニングでそのようにされているのか、元々トルクが細いのかはわかりません。しかし、1ZR-FEが結構低速でも元気がよいのに比べると、ずいぶん性格が違うように感じます。
サスペンションはかなり硬めで、ハンドルを小さく左右に振ると「タイヤがよれて車が左右に方向を変えようとする」印象があります。しかし不快感はなく、グラッと来るロールも良く抑えられているので、前述の違和感に慣れれば乗用車と同じように乗れます。ボデーもしっかりしていて、ブルブルと来る感じは皆無でした。Bピラーなどは高張力鋼板が採用されているようです。
この種の車、実は「最も自分で買いたくない、運転したくない」車だったのですが、いやいや、大変な誤解でした。着座位置が高いことによる嫌なロール感もないし、ボデーもしっかりしているしで、「ちょっと背が高いセダン」として乗れます。もちろん山坂道に行くとがっかりするところもあるかもしれませんが、これだけ普通に乗れてしまうのなら、きっとそうひどいこともないでしょう。この先、家の事情でどうしてもミニバンを買わなければならないときが来たとしても、車種さえ選べば楽しく車を運転できるんだ、と明るい気持ちになりました。
追伸
クーラーは良く効きます。後に乗ったアリオンが23℃設定でちょっとヌル目の風だったのに対し、この車は寒いくらいの風が出てきました。
ブログ一覧 |
試乗 | クルマ
Posted at
2007/08/16 20:42:38