常時電源?ACC電源?電装品の取り付けに必要な電源とは

2022年2月25日

電装品 ナビ 電源

ナビやドライブレコーダー、簡単なものだとUSB電源など、クルマのなかで電源が欲しいことがよくあります。そうした際にどこから電源をとればいいのでしょうか? どうすればトラブルがないのか? またどうすれば簡単に電源が確保できるか? などについて書いていきます。

クルマの電気はどうなっているか?

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クルマで使われている電気のうち、ユーザーが電装品に使えるのは12Vの直流です。一部のSUVやトラックなどは12Vバッテリーを2個直列につないで24Vとしているものがありますので、注意して下さい。

24V仕様車には24V専用品を使うのが基本です。また、マイルドハイブリッド用に使っている48Vバッテリーなどは電装品用に使うことはできません。

クルマのイグニッションスイッチ(EVの場合はパワースイッチ)は、2段階になっていて1段目がACC(アクセサリー)、2段目がON(走行可能)となります。

エンジン車でキーを差し込んで回すタイプを例にすると、1段回してACC、もう1段回してON、さらに1段回してセルモーターが回ります。

ボタン式の場合は、ブレーキを踏んでボタンを押すとセルモーターが回ってON状態になります。ボタン式でACCにしたい場合はブレーキを踏まずにボタンを押します。

さらに、ライトスイッチに連動する電源系統もあります。イルミネーション電源などと呼ばれているもので、スモールランプをオンにした状態で通電するものです。最近はオートライトが基本になっているため、マニュアルで通電する系統と、オートで通電する系統が存在していることになります。

クルマの電気の状態は次の3つに分類されます。

1.常時通電

常時通電はなにもせずに通電している状態です。たとえば、時計の内部で時刻んでいる部分は常時通電です。電源をオフにすると時計の表示は消えますが、時間は狂いません。ルームランプも常時通電でドアを開けたときにスイッチが入って点灯します。ブレーキランプも常時通電で、ヘッドライトも常時通電のものが多くなっています。ただし、ヘッドライトはある程度の時間が経つとオフになるものも存在します。

2.アクセサリー通電

その名のとおりアクセサリー系統に電源が供給されます。ラジオや純正ナビ、アクセサリーソケットなどが通電します。ただし、アクセサリーソケットについては、常時通電になっているもの。スイッチオフから一定時間通電しているものなども存在します。

3.ON通電

すべての系統に電源が供給されます。エンジンを動かすための電源や、EVシステムを動かすための制御系の電源が通電します。EVでも12Vバッテリーが上がってしまうと走れなくなるのは、制御が行われないからです。

もっとも簡単なのはアクセサリーソケットを使うこと

ACC状態で電源を確保できればいい場合、もっとも簡単に電源を確保できるのがアクセサリーソケット(かつてのシガライターソケット)から電源を取る方法です。

アクセサリーソケットにプラグを差し込めばそれで完了です。複数の電源を取りたい場合は、分配型のソケットを使えば複数を装着できます。 アクセサリーソケットの容量は10Aもしくは15Aなので、この範囲であれば複数の装置をつけても問題ありません。

アクセサリーソケットの分配器のなかにはUSB電源が付いているものなどもあり、自分の使いたい用途に合わせて選ぶことができます。分配器のプラグにはフューズが内蔵されていることが多く見られます。このフューズが10Aの場合は、アクセサリーソケットの容量が15Aであっても10Aまでしか使えませんので、ソケットの容量が15Aのときは容量15Aの分配器を使うのがいいでしょう。

アクセサリーソケットを使わずスマートに配線したい

アクセサリーソケットにプラグが入っているのはどうもイヤだ……という人は、ダッシュボードの内側の配線などから電源を確保することになります。

このときも一番簡単なのはアクセサリーソケットから電源を取ることです。アクセサリーソケットの部分に配線されているものがプラスの電線です。

クルマのマイナス線はボディそのものなので、アクセサリーソケットと近くの金属部分にあるボルトなどの間をテスターで計り、12Vが出ていればそこに配線すればOKです。

配線の方法で簡単なのは配線コネクターと呼ばれるものです。配線コネクターの片側でクルマ側のプラスの電線を、もう片側で装着機器の電線を挟み込んで電源を取ります。

機器の配線と直接つなぐのが確実ですが、この部分の接続を分割タイプのアクセサリーソケットにして、機器はそれぞれその分割タイプのアクセサリーソケットにつなぐ、つまりたこ足配線するという手段もあります。

一つの配線からいくつかの電源を確保したいときはこうしたほうが楽に電源確保ができるでしょう。アクセサリーソケットは外れる恐れがあると警戒する人もいますが、オスーメスともに日本の規格ならはまず外れません。ゆるいと感じるときはタイラップなどで固定すればいいでしょう。

さらにきっちりとした配線をしたい場合は、使っていないソケットから電源を探すのがいいのですがこれが以外と難しいのと、むやみたらにテスターを差し込んだりするとショートして不具合を招く危険性が懸念されるのであまりおすすめできません。

配線を探す際は少なくとも配線図を入手してから行うことをおすすめします。以前はカーナビメーカーのサイトに主要なモデルの配線図が載っていたのですが、今は削除されてしまっています。

ディーラーなどでもらえるか相談するのが一番ですが、ネット上でもみつかることがあります。ただし、年式などによって配線も異なるので、このあたりは自己責任でということになるでしょう。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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