サーキットを走る際に最低限変えておきたいパーツ○選

2022年12月28日

パーツ

ノーマルのままのクルマでもサーキットを走ることは十分にできます。しかし、少しカスタムしてあげることで、サーキット走行はより楽しいものに変化します。今回はサーキットを走るために行うといいカスタマイズについて書いていきます。

運転席まわりのカスタマイズ

運転席まわりでカスタムしたい一番のアイテムはドライバーズシートです。サーキットは横Gが強く掛かるので、サイドサポートがしっかりしたバケットタイプのシートにすると圧倒的に運転がしやすくなります。できればフルバケットシートといって、リクライニング機構を持たないものがおすすめです。

シート

リクライニング機構はシートポジションを調整しやすいのですが、反面シートバックの強度が落ちてしまいます。シートシェルが一体化されているフルバケットは、サーキットで運転がしやすいだけでなく、クラッシュ時の安全性も向上させます。

ただし、やみくもにシートを交換してしまうと車検に通らないことがあります。シートはシートレールを含めた強度や、ドアとの間隔、さらには背面部の衝撃吸収性能(衝突時の安全性の確保)なども求められるので、専門店で相談しながら装着することをおすすめします。



シートとセットで装備したいのが4点式以上のシートベルトです。しっかりしたシートベルトを装備することは、安全性を高めるとともに身体のホールドにも関係してきて、サーキットでの運転しやすさにも影響します。

レーシングカーの4点式シートベルトはフロアにEYEボルトを使って装着しますが、スポーツ走行用ならばリヤシートを外すなどして装着できるようにすればいいでしょう。サーキットでリヤシートを外してシートベルトを装着できるようにしておけばいいのです。純正の3点シートベルトは外さず残します。一般道を走行する際は純正のシートベルトを使わないと、シートベルト装着義務違反に問われます。

本来はステアリングもサーキット走行に適したものと交換したいところですが、最近のステアリングにはエアバッグはもちろん、各種のスイッチ類も多く装備されているため、あまりおすすめできません。

ステアリング

しかし、エアバッグは作動しないようにしておいたほうがいいので、フューズかコネクターを外しておきたいものです。サーキットではヘルメットを被るなど安全対策を行っているので、エアバッグの作動をカットしても問題はありません。

コースアウトしてスポンジバリアに接触した際にエアバッグが作動してしまうと、ほかに損傷がなくても帰路の運転に支障がでることもあります。それならエアバッグは作動しないほうがいいというわけです。もし、接触があった場合は、エアバッグを復帰後に診断機でチェックしたほうがいいでしょう。

オープンカーの場合は必須となるロールケージ

ロールケージというのは、横転(ロールオーバー)した際に、ボディが潰れることを防ぐための(一般的には)パイプ製のパーツ。ケージとは檻やカゴといった意味です。

昔のクルマなどはロールバーといって、運転席の後ろ側にコの字型のパーツ(ボディとの接続点が2つなので2点式と呼ばれる)を装着しましたが、現在ではボディとの接続点が4点以上の4点式や6点式が多くなっています。


ロールケージ

ロールケージは横転時の安全性を高めるだけでなく、ボディ剛性のアップなどにも役立つのですべてのタイプのクルマで意味のあるパーツです。最低限というにはちょっと大がかりなパーツですが、じつはオープンカーにとってはまさに“最低限”なパーツで、ロールケージを装着していないと走行できないという規程のサーキットがほとんどなのです。

ロールケージを取り付けた際は衝撃を減らすパッドの装着や視界を遮らないことなどに配慮しないと車検に通らないので、装着にあたってはノウハウのあるショップに依頼することをおすすめします。

クルマを守るためのさまざまなパーツ

サーキット走行はクルマに大きな負担を掛けます。このためクルマの耐久性を上げるためのパーツや状態を知るためのパーツの装着がおすすめです。

耐久性を上げるパーツとしては、オイルクーラーやオイルパンのバッフルプレートなどが上げられます。

サーキット走行は想像以上にオイル温度が上がることがあります。これはコースにもよるのですが、ストレートの短いミニサーキットはエンジン回転が高くなるわりには速度が上がらないので走行風の入りも悪く、油温が上がりがちになります。

オイルエレメント

その対策として有効なのがオイルクーラーです。オイルクーラーはラジエターのようにオイルに風を当ててオイルを冷やすことが目的です。

オイルパンのバッフルプレートというのは、エンジンオイルがたまっているオイルパンという場所に取り付ける仕切り板のことです。

サーキットでは加減速による前後Gやコーナリングによる横Gでオイルパンのなかでオイルが偏ってしまうことが多く、そうなるとオイルポンプがオイルを吸い込めなくなってしまいます。

そこで仕切り板を付けてオイルが偏らないようにするのです。オイルが偏っても吸えるようにとオイルを多めに入れるのは厳禁です。オイルが多いと抵抗が増えてしまい、最悪エンジンブローということもあり得ます。

メーター類の追加もおすすめです。タコメーターや水温計は多くのクルマに付いているので、本格的にレースをやるのでなければそのままでいいでしょう。

もし追加するとしたら、油温計と油圧計がおすすめです。油温計はエンジンオイルの高くなりすぎを確認できますし、油圧計は油圧ダウンを確認できます。どちらも自分のクルマ(エンジン)の限界値を知っていることが大切で、限界値になりそうなときにはペースを落とすなどしてクルマを守ることが目的です。

チューニングはしなくていいのか?

サーキットを走るというと、ノーマルのままでいいのか? と思われがちですが、機能的な部分については基本的にはノーマルでも問題ありません。大切なのは、ドライバーの安全性を向上すること、クルマの安全性と耐久性を向上することです。

機能的な部分のチューニングを行っていくなら、まずはブレーキから。フェードしにくいブレーキにしていくことが大切です。まずはブレーキパッド、次はブレーキローター、そして最後がブレーキキャリパーのグレードアップとなります。

ブレーキ

ブレーキフリュードはDOTという規格があり、DOT3、DOT4、DOT5、DOT5.1などの種類があります。数字が高ければいいというわけではないので、無改造の場合は指定のもの、キャリパーを交換している場合はそのキャリパーに合ったものを使うといいでしょう。なおキャリパー交換時はブレーキホースの交換も同時に行うことをおすすめします。

ブレーキチューンの先にあるのは、LSDの取り付けやサスペションやタイヤのグレードアップなどです。LSDを取り付け、サスペンションやタイヤをグレードアップするとコーナリングスピードが高くなります。

車両重量やシャシーまわりの性能が同じなら、100馬力のクルマでも300馬力のクルマでもコーナーの進入からクリッピングポイントまでのタイムは同じです。まずはここまでを楽しみましょう。

エンジン

そして最後に残ったのがエンジンです。サーキットを走ることが楽しいかどうか? は意外とエンジンの性能ではありません。走る前は、エンジンにパワーがないと…と思うかもしれませんが、一度走ってみれば、サーキットの魅力のなかでコーナーを速く気持ちよく走ることが占めるウエイトが高いことに気付くことでしょう。

みんなの自動車部

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写真:アフロ

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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