「鉄チン」、「箱乗り」…、昭和のオジサン以外に通用しない自動車用語

2019年11月27日

青い車

クルマは時代を反映する文化的な乗り物です。ですから、とてもその時代ごとに流行ったクルマやクルマに関連する言葉が数多く存在しています。今では言わなくなってしまった少し変に感じる言葉もあったりします。今回は業界で使われる隠語や符丁を紹介していきます。

戦後に使われた言葉と存在したもの

カーステ

戦前から戦後にかけては今では考えられないようなシステムのクルマがたくさんありました。その中でも代表的なのが木炭自動車と言えるでしょう。木炭自動車はクルマに取り付けられた炉で木炭や木材、コークスなどを不完全燃焼させることで水素を得て、それをエンジンに送り込んでエンジンを作動させるというものです。水素とともに大量の一酸化炭素も生まれるため事故も多く発生したと言います。

また、関東大震災後、市電の代わりにフォードのトラックをベースとした乗り合いバスを登場させます。そのバスがあまりに貧弱で乗り心地が悪かったので、円太郎バスと呼ばれました。円太郎バスとは乗り合い馬車の円太郎馬車に由来します。円太郎馬車の乗り心地は劣悪で、乗り心地の悪いものの象徴だったというのです。

アウトロー系のお話

昭和30年代、オートバイで暴走する人達を「カミナリ族」と呼びました。現在の「暴走族」につながる流れですが、「暴走族」も今は、かなり減りました。暴走族の使うクルマの定番といえば車高をダウンさせたクルマで、かつては車高が短いということで「シャコタン」と呼ばれました。
「シャコタン」は今のように車高調で下げるのではなく、スプリングを切断したりガス溶接で縮めたりしたものでした。また「シャコタン」にして「オバフェン(オーバーフェンダー)」つけて、「ハの字切った(キャンバー角を大きくして前から見るとハのように見えた)」クルマのドレスアップを「ワークス」と呼んだりもしました。暴走族特有の窓に腰掛けて外に身体を乗り出す「箱乗り」という表現も今は耳にしません。

クルマ屋さんが使う符丁

クルマ屋さんが使う符丁や、中古車物件のことを「タマ」という業者の人も多くいます。FFのことを「引きずり」、マニュアルミッションのことを「マニュアル」、「かき回し」、ATのことを「トルコン」といった様に、数多くの隠語が存在するのです。

今は無くなり、一般的でないものも死語となっています。今は使われていない装置であるキャブレターで備わっていた「チョーク」やディーゼルエンジンの予熱終了を教えてくれる「グローランプ」、カーオーディオのことをカーステレオといった時代は「カーステ」と略したりもしました。

近年、電気自動車が増える傾向にありますが、実は電気式のバスは世界では多く採用され、日本でも数カ所で走っていました。それが「トローリーバス」と言われるものです。「トローリーバス」は架線から電気を得て、モーターを駆動するシステムです。現在日本では立山トンネルでしか使われていないので、死語のように扱われていますが、架線を設置するだけで軌道が不要なトローリーバスは、都市部で復活の可能性もあります。


(諸星陽一)

関連するユーザー投稿

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

カーライフ 記事カテゴリ

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース