修復歴の有無って重要?中古車を選ぶ基準と価値について

2019年3月11日

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新車と違って中古車はどんな使われ方をしていたクルマなのか? どんな不具合があったのか? などが気になるところです。悩み多き中古車選びの助けのひとつとなるのが「修復歴」と言われるものです。つまり修理をしたことがあるクルマのことですが、すべての修理が 「修復歴」に当てはまるのでしょうか? よくわからない「修復歴」のこと。そして「修復歴」が及ぼす影響を考えていきます。

そもそも「修復歴」とは何なのか?

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中古車サイトなどを見ていると「修復歴」という項目があり、そこに有無が書かれています。「修復歴」というと修理経験車のように感じますが、すべての修理が「修復歴」に該当するかといえばそうではありません。一般財団法人日本自動車査定協会の規定によれば、「修復歴」に該当するのは、ラジエータコアサポート、前後クロスメンバー、前後サイドメンバー(フロントはコアサポートよりも後ろに位置するもの)、インサイドパネル、ダッシュパネル、ピーラー、ルーフ、センターフロアパネル、フロントサイドメンバー、リヤフロアの各部。これら各部が交換されたものはすべて該当しますが、修理されたものの程度によっては「修復歴」に当たらないものもあります。

上記の部位はクルマを構成するうえで非常に重要な部分ということで、修理が行われたものを「修復歴あり」としています。また、査定協会の規定を見ると修復されていない場合、つまり壊れたままでも「修復歴」とされています。たとえばクロスメンバーの場合「修復歴」となるのは、“(1)交換されているもの(2)曲がり、凹み又はその修理歴があるもの”となっています。「修復歴」といっても修理されていると鵜呑みにするのは危険かもしれません。

「修復歴あり」と書かれている中古車は、ほんとうに修理されているのか、それとも修理はされておらず、曲がりや凹みが生じたままなのかを確認することが最も大切でしょう。現在はこの表記ですが、本当は「重要部損傷あり」と「修復歴あり」が正しい表記と言えます。

「修復歴あり」は悪いものなのか?

「修復歴」ありの車両で本当にきちんと修理されていたクルマなら何ら問題がないと考えていいでしょう。下手をしたら無修理のクルマよりも状態がいいことがあります。クルマは工場出荷時に検査を受けて出荷されますが、それ以降の整備の充実度はそれぞれの個体によって異なります。整備手帳にはある程度のことは記載されていますが、すべてがわかるわけではありません。「修復歴」ありのクルマでもその「修復歴」がきちんと説明されて、きちんと直っていれば問題は無いのです。レースの世界では、新車よりもきちんと修理されたクルマのほうがいいと言われることもあります。それは新車時よりも各部の精度が上がっていることがあるからなのです。

クルマの価値をどこに見いだすか?

日本人の価値観はとても特殊で、見た目のキレイさとどこまで新品に近いか?を気にする傾向があります。たとえば中古カメラなどは、見た目がキレイで新品のときの外箱が付属するととても高い査定になります。しかし、もしかしたらそのカメラはきちんとしたシャッタースピードが得られないかも知れませんが、そこまでチェックして買い取ったり、売ったりしていることはあまりありません。

クルマも同様で「修復歴」があるクルマより、「修復歴」がないクルマのほうが高く取り引きされます。しかし、どちらがいいクルマなのかは、その中身で決まるといったほうがいいでしょう。「修復歴」があり、エンジンやミッションが載せ替えられていて、メーターが交換されていると価値は下がるかも知れませんが、実は良いもの、ということになるケースもあるのです。


(諸星陽一)

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