日本で軽自動車が売れる理由をあらためて考えてみる

2019年7月16日

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日本の軽自動車は戦後、1949年からその制度がスタートしました。当初、4サイクル車は150cc以下、2サイクル車は100cc以下という規格でした。その後、何度も規格が見直され現在では排気量は4サイクル660cc以下という規格になっています。海外にも同様に小さい排気量、小さいボディのクルマを軽自動車のように扱う規格が存在していますが、日本の軽自動車規格は日本だけの特殊なものです。

なによりも維持費が軽微なことが魅力

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まず、大きな差が生まれるのが税金です。年額で見ると軽自動車税は1万800円、重量税は3300円(軽自動車は重量に関係なく一律)です。対して1~1.5リトルの小型車の場合、自動車税が3万4500円、重量税は1~1.5トンの場合で1万2300円です。軽自動車の場合、2つの税の合計額は1万4100円、対して小型車の場合は4万6800円で、その差額は3万2700円にもなります。自賠責保険料も若干の差はありますが、その差は年額で390円とわずかです。

軽自動車とコンパクトカーの燃費はさほど変わらなくなってきますし、ハイブリッドやEVなどの場合、燃費はさらによくなるので、一概に燃費で比べることはできませんが高速道路の料金は明確に異なります。たとえば、東名高速の東京~静岡間の現金での料金は普通車(小型車を含む)だと4220円ですが、軽自動車だと3410円です。

タイヤもバッテリーも安く、オイルの容量も少ない

軽自動車はタイヤ径も小さいのでタイヤを交換するときの料金が安く済みます。もちろん、ホイールを大きい場合はそれなりに高額になりますが、輸入SUVなどに比べたらびっくりするくらいに安価です。また、バッテリーも小さいタイプなので比較的安価です。ただし最近はアイドリングストップ機構を備えるクルマが多く、それに対応したバッテリーでなおかつ小型化しなくてはならないということもあり、高価なバッテリーを使うモデルもあります。また、排気量が小さいため、オイル容量も少なくオイル交換料金も抑え気味にできます。ただし、オイル交換については○○リットル以下は一括料金としているショップも多くあります。自分で交換する場合は、一般的な4リットル缶ではなく3リットル缶を使えることなどもあり、安価になることが多くなります。

サイズと性能が日本での使い勝手にベストマッチ

現在の軽自動車の規格では全長は3.4m以下、全幅は1.48m以下となっています。小型車(乗用5ナンバー、商用4ナンバー)は全長4.7m以下、全幅1.7m以下ですから、ずいぶんと小さいという印象を受けるかと思います。しかし、1966年に登場した初代カローラのサイズは全長3.845m、全幅1.485mです。こうして比べると初代カローラは今の軽自動車のサイズに近いものだということがわかります。

国道や高速道路、新しいショッピングモールの駐車場などは比較的広く作られていますが、市道や区道、市区町村役場の駐車場などは小型車に対応するようなサイズ感で作られていますので、3ナンバーサイズになるとかなり狭く感じ、運転がしづらくなるのです。しかし、グローバル化の名のもとにクルマはどんどん大きくなっています。そうした中で、初代カローラくらいの大きさとなる軽自動車は扱いやすいサイズとなっているわけです。

さらに装備の充実です。かつての軽自動車は装備も貧弱でしたが、現代の軽自動車の装備の充実さは目を見張るものがあります。日産デイズ&三菱eKワゴン&eKカスタムに装備されたオートクルーズコントロールなどは、ちょっと前の小型車以上の性能を持っています。今後、軽自動車の装備はますます充実し、シェアを広げていくことは間違いないでしょう。


(諸星陽一)

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