クルマの動きを知るために覚えておきたい3つの言葉

2019年5月27日

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自動車のインプレッションを読んでいると、ロールという言葉がよく出てきます。このロールと同じように使われるのがピッチ、そしてヨーという3つの言葉です。クルマの動きを理解する、説明するにはとても大切な用語なのですが、イマイチわかりにくい部分でもあります。今回はこの3つの言葉を中心にクルマの動きを説明します。

三次元の動きをするクルマ

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クルマは三次元の動きをしながら移動しています。この動きをそれぞれ分割して考えるために大切なのがどの軸を中心にして動いているかということです。まず前後に貫いている軸、これをX軸と呼びます。X軸を中心にして動く動きがロール(ローリング)です。ですからX軸はロール軸とも呼ばれます。この動きはクルマが左右に揺れる様子に現れます。

次がクルマの真横に貫く軸があります。これをY軸と呼びます。Y軸を中心にして動く動きがピッチ(ピッチング)です。ですからY軸はピッチ軸とも呼ばれます。この動きはクルマが上下に揺れる様子に現れます。上下と言っても軸を中心とした動きのことです、加速するときにフロントが持ち上がったり、ブレーキのときにフロントが下がったりするのがピッチです。

ちょっとわかりにくいのがZ軸中心のヨー

さて最後ひとつがZ軸を中心としたヨーという動きです。ヨーは3つの動きのなかで最もわかりにくい動きだと言えるでしょう。ヨーの動きを考えるときは手こぎボートに置き換えるとわかりやすいです。手こぎボードで片側のオールだけを漕ぐとボートを上下に貫いた軸を中心に回転運動を始めます。これがヨーです。

乗車位置との関連性ともう一つの動きであるバウンシング

ロール、ピッチ、ヨーの各動きは乗車する場所によって感じる動きが異なります。たとえば右ハンドルのクルマに乗っているときの右コーナーのロールは自分が上方向に動きます。左コーナーなら逆に下方向に動くことになります。ピッチ軸が乗車位置よりも後ろにあれば、前席は加速時に持ち上がり、減速時に沈みます。

Z軸、つまりヨー軸がどこに存在するかはクルマのフィーリングに大きく影響します。Z軸がドライバーよりも前にあるとコーナリング時にドライバーは外に向かって動きます。Z軸がドライバーよりも後ろにあるとコーナリング時にドライバーは内側に向かって動きます。ノーズが長いFR車はドライバーより前にZ軸があることが多く、同じ後輪駆動でもミッドシップやRRではドライバーより後ろにZ軸を配置できます。

クルマの場合はロール、ピッチ、ヨー以外の動きがあります。それはバウンシングという上下に動く現象です。橋の上などでクルマ全体が上下に運動することをバウンシングと言います。段差を乗り越えたときに前輪だけが上に動くような状況も少し似ています。また高速バンク走行でクルマが路面に押しつけられる現象も似ています。


(諸星陽一)

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