冬場の乾燥は車載加湿器が効果的。静電気の対策も教えます

2021年1月18日

冬場の乾燥

これからの冬場、空気はどんどん乾燥していきます。そして当たり前のことですが、車内も乾燥状態になって、肌荒れや髪のパサつきなどで多くの人を悩ませます。また、コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど一部のウイルスにとっては乾燥が好条件となる可能性もあります。今回は車内の加湿について考えます。

人間が快適で健康を保てる湿度は40~60%

加湿器

冬場は車内の空気も乾燥するものですが、エアコン・オンの状態で空調を使っていれば、よりいっそう車内の空気は乾燥してしまいます。空気が乾燥すると、肌や髪の毛などの水分も奪われることになりますし、目や喉などにも悪影響を及ぼします。
また、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどは乾燥した環境のほうが生き残りやすい(正確には生物ではないので生き残るという表現は正しくないのですが)といいます。

一方で車内の湿度が上がることはカビの発生を招くことになります。また、極端な高湿度は電子機器の不具合や、内装のはがれなどを引き起こすことにもつながります。一般的に人間が快適で健康を保てる湿度は40~60%、一方でカビが活発に活動する湿度は60%以上と言われるので、40~60%の湿度でコントロールするのがよさそうです。

車内用加湿器は意外に安価。清潔に使おう

車内で使うことができるコンパクトな加湿器は1000円以下のものから販売されています。売れ筋は3000円以下なので、さほど高いという印象はありません。
電源はシガライター式、USB式、充電式などがあります。加湿を行うためのシステムは、熱で蒸気を発生させる加熱式、超音波振動を使う超音波式、その2つを組み合わせたハイブリッド式があります。

いずれの方式であっても水タンク内を清潔に保つことが大切です。これは家庭用の加湿器でも同じなのですが、加湿器内でレジオネラ菌という菌が増殖する可能性があり、感染すると最悪の場合は死亡することもあります。タンク内などにぬめりが発生しないようにするためには、加湿器の水がなくなった時に継ぎ足しではなく、タンクを洗ってから新しい水を入れることが大切です。
また、加湿器内に除菌剤などを入れると、肺などの呼吸器に障害が発生する可能性もあるため、厚生労働省は加湿器内に除菌剤や化学薬品を混入しないようにといっています。

逆に梅雨時は定期的に除湿をすることが大切です。天気のいい日に、クルマを日当たりのいい場所に置いて、窓を全開にして車内に新鮮な空気を取り入れつつ、乾燥させることでカビの発生などを抑えられます。
その際、フロアマットも車外に出して裏返しましょう。走行中にエアコンを作動させて、エアコン内の空気の流路を乾燥させることも大切です。電気自動車ならば、充電中にエアコンを作動させて、車内を乾燥させることもできます。

冬場に多発する静電気ショックの対策

静電気

冬場に湿度が下がると静電気が発生しやすくなります。クルマを降りるときなどに静電気を帯びたままドアノブなどに触れると、その瞬間にバチっと不快な放電ショックが来ます。昔は静電気を逃がす目的でボディからチェーンを垂らして地面と接触させたりしていましたが、実はほとんど効果がありませんでした。

降車するときの静電気はシートと身体(衣服)が擦れ合うことで発生するので、シートに静電気防止スプレーなどを吹き付けると抑えることができます。こうしたアイテムがない場合は、ドアのストライカーや縁などの金属部分に触れながら降りるのも効果的です。乗車するときの静電気は、キーホルダーに静電気を放電するアイテムを付けておき、乗り込む前にドアノブなどに触ることで静電気を放電できます。
この静電気放電アイテムはクルマ以外でも効果があるので、冬場のホテルのドアノブやエレベーターのスイッチなどでも使用できます。放電アイテムがない場合は、手のひらなど触れる面積を広くすると、放電のショックが軽減できます。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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