カーエアコンの上手な使い方&家庭用となにが違うの?

2021年3月25日

カーエアコン

クルマに乗ったとき当たり前のように使っているエアコン。しかし、その仕組みを知っている人はあまりいないようです。クルマのエアコンはどのような仕組みなのか? 上手に使うにはどうすればいいのか? 知っているようで知らないクルマのエアコンについて解説します。

家庭用エアコンと基本的な原理は変わらないが…

カーエアコン

かつて、クルマにはエアコンではなくクーラーとヒーターが搭載されていました。クーラーもヒーター温度調整はできず、調整できるのは風量だけです。クーラーの原理はフロンガスによる熱交換で、これは家庭用エアコンや冷蔵庫と同じ。ヒーターの原理はエンジンの冷却水から熱を得るというもので、現在のカーエアコンもこうしたクーラーやヒーターの原理は変わりません。

エアコンはクーラーとヒーターを組み合わせたものです。クーラーから出た冷風とヒーターから出た温風をミックスして、設定した温度の空気を出します。カーエアコンのクーラー側には電磁クラッチが付いていて、不要なときはクラッチが切れてエアコンのコンプレッサーが回らないようにしています。エアコンの温度は冷風と温風の割合と、電磁クラッチをつないでクーラーを作動させるか否かの組み合わせで決まります。

また、オートエアコンは温度や風量を設定温度に応じて自動調整するタイプ、フルオートエアコンはそれに加えてきめ細かな風量調整、吹き出し口の選定、内外気の変更なども自動調整するタイプです。

エアコンの設定温度を上げると燃費は良くなるのか?

夏場に家庭用エアコンで設定温度を高めにすると電気代を抑えることができるのは、設定温度まで室温が下がるとエアコンが止まるからです。一方、クルマのエアコンが燃費に関係するのは、エンジンの動力をエアコンに振り分けているからで、設定温度を上げればエアコンシステムの電磁クラッチが作動してコンプレッサーが切り離される機会が増えるので、燃費はよくなります。

ただ実際には、その数値はわずかなものです。エアコン作動時とエアコン非作動時の燃費差が1km/Lあったとして、設定温度を高めにしてエアコンが半分の時間しか動かなかったとしても、計算上その差は0.5km/L程度です。車種や外気温、設定温度によって異なりますが、さほど大きな差はでないとされています。

外気導入と内気循環の使い分け方

家庭用エアコンにできなくてカーエアコンにできるのが外気導入と内気循環の切り替えです。最近では一部の家庭用エアコンで切り替えが可能になってきていますが、まだまだ一般的ではありません。外気導入は車外の空気を車内に入れながらエアコンを作動させるもの、内気循環は車外の空気を遮断してエアコンを作動させるものです。

車外の空気がクリーンなときは外気導入で使うことをおすすめします。内気循環の場合は乗員の呼吸によって二酸化炭素濃度が上昇していきますので、基本は外気導入にしておくべきでしょう。最近のクルマは外気を導入する際にフィルターを介しているため、花粉やホコリなどはかなり除去されています。とはいえ限界もあり、使用時に臭いを感じたりアレルギー反応を起こしたりした際には、内気循環にしたほうがいいでしょう。また、トンネルに入る前や、先行車の排ガスが気になるときなどは早めに内気循環にするほうがいいでしょう。

内気循環であってもエアコンを作動させていればある程度の除湿ができますが、効率よく除湿を行うためには外気導入を選ぶことをおすすめします。ただし、車外の湿度が高いときは別で、雨天など車外の湿度が高いとき(つまり雨天時)には内気循環のほうが効率的に除湿できます。冬に窓が曇る場合は、エアコンを作動させずにヒーターを使っていることが多くなっています。冬だからといってエアコンをオフにするのではなく、冬場もエアコンを使うことで快適な車内を実現できます。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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