話題のSUVはどんな車?語源や特徴、SUVの長所・短所まで解説!

2021年9月14日

よく聞くSUV知っていますか?

世界で販売されるクルマのなかでSUVの比率が非常に高まってきています。アメリカではすでに40%、日本でも30%を超えるなど、その勢いは止まりません。では、SUVとはどんなタイプのクルマを指すのでしょうか? その特徴や、SUVがこれだけ支持される理由を解説します。

この記事のPOINT
SUVの正式名称はSport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)で、スポーツやアウトレジャーを楽しむ目的で作られた車
最近では悪路走破性よりもシティユースを意識したモデルが多くラインナップされている

もともとはアメリカで使われ始めたジャンル分け

SUVはSport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略です。SUVという単語はアメリカで使われ始めたと言われていて、商標であるJeep(ジープ)を使わないために生み出された、ステーションワゴンと区分けするためなど、その起源にはさまざまな説があり、どれが本当の起源なのかは明らかになっていません。SUVのスポーツはモータースポーツではなく、アウトドアスポーツなどのレジャーを楽しむことを表すというのが通説で、スポーツを楽しむ、そのために荷物を積んで移動するクルマといった意味があります。

こうした背景もあり、SUVはどんなクルマか?という定義はあまりはっきりしないのが実状です。ある程度の車高(地上高)があって、荷物が搭載でき、それらしいスタイリングのクルマならSUVと言えてしまうのが現状です。

ピックアップトラックの荷台にキャノピーを被せたものもSUVと呼ぶ場合があるので、セダンのように独立した荷室を持たないハッチバックやワゴン……という条件も厳密には当てはまりません。また、ブランドによってはSUVという言葉を用いないこともあります。たとえばBMWはSAV(Sports Activity Vehicle、スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んでいます。

また、SUVというジャンルの守備範囲が広いため、中でもオンロードよりのSUVをクロスオーバーSUVと呼ぶこともあります。現在、世界中のほとんどのメーカーがSUVに属するモデルを製造していて、SUVを製造していないのは、フェラーリ、ロータス、モーガンなど一部のブランドに限られています。

高い車高とスポーティなデザインが人気の秘密

どのようなタイプのSUVでも、一般的なセダンやクーペに比べて車高が高くなっています。高い車高だけならミニバンも同様ですが、SUVはスポーティでスタイリッシュなデザインが与えられています。ミニバンのフロント部分はボンネットがなく、リヤゲートは垂直、左右のパネルも垂直に近く、ルーフパネルは水平に近いというプロポーションですが、SUVは5ドアハッチバックを基本として、車高をアップしたスタイリングとなっています。また、多くのSUVはボンネットもリヤハッチもルーフも傾斜角が与えられ、正面から見るとサイドパネルは上方に行くに従って絞り込まれています。「クルマをかっこよくデザインするにはこうすればいい」という基本に忠実なデザインワークです。

高い車高(地上高)を基本とするスタイリングなので、サスペンションストロークも十分に確保できます。スポーツカーは車高が低くサスペンションストロークが短くなりがちで、乗り心地も悪くなる傾向にありますが、SUVは乗り心地が良いモデルが多いことも魅力です。車高が高いと視線も高くなり、運転時の視界が開けるという利点もあります。また、車高をアップすることで床下に余裕が生まれるので、そこに電池を搭載するプラグインHVやEVを設計しやすいという利点もあり、各社がSUVの開発に力を入れているのも事実です。

乗降性やハンドリング、燃費の悪化は避けられない

車高が高ければ乗降性が悪化するのは必然で、高齢者や子供だと高い位置にあるシートに乗り込むのに苦労することもあります。また、車高が高くなり、それに伴って重心も高くなれば舗装路でのハンドリングは悪化します。とくにクロスカントリー走行を意識したモデルは、悪路走破性は高いものの、舗装路では長いサスペンションストロークや重心の高さを持て余しがち。また、大柄で重いボディは燃費を悪化させる要因になります。

近年はシティユースやスタイリングを重視したモデルが多数登場し、SUVでありながらユーティリティ性能を見切った車種も存在します。SUVの購入を考えている方は、ジャンルやデザインだけで判断するのではなく、室内の広さや荷室の使い勝手も確認することが大切です。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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