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2014年07月16日

山水

山水  企業情報の調査・分析を手掛ける(株)帝国データバンクが提供する「大型倒産情報」から、『元・音響・映像機器製造 元・東証1部上場
山水電気株式会社 破産手続き開始決定受ける 負債3億5000万円』
の報に接し、天を仰ぎ視線が遠くなりぬ。

 それにしても、美しい社名である。
 つい「山紫水明」をイメージするが、元々は創業者が打ち出した経営理念「山のごとく不動の理念と水のごとき潜在の力」に由来するという。


 
 高台を走る甲州街道との交差点を過ぎて、井之頭通りの坂を下った神田川の谷間、並走する京王井の頭線の駅で言うと明大前駅と永福町駅の間に、長く本社が置かれておりクルマ・電車の車窓から見た記憶が残っている方も多いだろう。

 その頃から、自社資産だった本社があるから何とか資金繰りが続いている、とか、VHSビデオ生産のライセンスを保持しており、その価値が高く評価されて買収を仕掛けられている、などという噂話が聞かれた。その本社も借金精算のため敢無く売却され、VHSビデオもとっくに廃れてしまい、何れも会社再生の決定打にはならなかった。




 そう裕福ではなかった我が家にも何故か、多数のスイッチ・ツマミをインパネに備えた山水のアンプとスピーカーのセットが居間に置かれていたので、個人的に思い出深いメーカーだ。
 昭和40年代前半の価格で10万円前後。子育てにも勤しまねばならない両親にとって、決して安くはない買い物だったはずだが、支払いに苦労してもなお欲しいと思わせる魅力?魔力?を持った商品だったかと推測する。


 音楽の愉しみ方も、居間に高価で巨大なオーディオセットを置いて家族で聴き入る……なんてスタイルは観られなくなり、超小型で安価なデジタルデヴァイスを個々人の耳に直結して聴くスタイルが一般的。

 長く続く不景気で、オーディオを愉しめるだけの広さを確保した家に住む経済力も、時間的余裕も喪失してしまった人々が多い状況下で、「高級音響機器」をコアコンピタンスに据えようなどということ自体が、既に事業として無茶だったのかもしれない。



 消費者のライフスタイル変化に対応できなかった、ディジタル機器の開発が遅れた、魅力的な商品を提供できなかった……など、多々破綻に至る原因は見出せよう。
 しかし「山水」には、古き佳き時代へのノスタルジーや麗しき幼き頃の思い出も深く絡んでおり、冷徹に「あぁダメだったのね」「そんな商売成り立たねぇよ」と切り捨てられない。

 ブランドの権利は他社が保有し残っているようなので、またいつか「山水」のオーディオを愉しめる機会が得られればなぁと思っている。



ブログ一覧 | | 日記
Posted at 2014/07/16 22:33:46

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この記事へのコメント

2014年7月17日 6:58
おはようございます^^

私も当時我が家にあったアンプは山水で、また初めてバイト代で買ったオーディオのアンプも山水でした。

それ故に今回の件は残念ではありましたが、オーディオ業界が衰退した現在、遅かれ早かれこうなると薄々ながら気付いておりました。

先日久々にダイヤトーンブランドの復活には少々明るい兆しが見えてきたのかと思ってましたが、当時御三家と言われた他のトリオ・パイオニア共にオーディオ事業から撤退及び縮小、またナカミチの消滅などまだまだ厳しい時代は続きそうですね。
コメントへの返答
2014年8月4日 9:26



 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 オーディオは一家言お持ちの方が多いでしょうから、話題として取り上げるのが難しいジャンルと心得ますが、懐かしさと残念さが上回って記事にアップしてしまいました(笑)。


 トリオ・ナカミチ・サンスイは過去帳入りし、ダイヤトーンとパートナーを組んで「A&D」を展開していた赤井電機も経営破綻。日本のオーディオブランドはこの先どうなってしまうんだろ…って感じですね。


 私自身がオーディオに凝ったのは高校時代のごく僅かな時期ですが、当時並行して放送部に所属していたので、部室や学校のイヴェントごとで借り切ったホールの備品、或いは文化祭のためにリースされた高性能な機器の操作を行っていました。

 「TEAC」のオープンリールなんかも扱ってましたよ。



2014年7月17日 7:31
懐かしいですね SANSUI

昭和の高級“ステレオ”

今は亡き 祖父の家が杉並区永福町にあったので山水を覚えてました(^^)

日本を代表するオーディオメーカーは壊滅状態…AIWA、AKAI、SANSUI、ビクター…
気づいたら無くなってしまいました…

生き残ったのは?
パイオニア?、YAMAHA、オンキョー、TEAC、DENON、合併したJVCKENWOOD
ですかね?

コメントへの返答
2014年8月4日 9:33


 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 実は私も赤ん坊の頃の一時期、永福町に住んでおりまして、全く記憶に残っていませんがご近所さんでしたね(笑)。

 現在もあるバス車庫が電車の基地だったことは知識でしか知りませんが、電車の車庫を転用したかまぼこ型のガレージはリアルに記憶しています。


 家電製品や自動車のように国際展開していたのはビクターぐらいですかね。
 世界的なブランド力を持っていれば、外資が買収して生き残ったかもしれませんが、そこまでの魅力は無かったのでしょうね。

 でも「山水」の名は美しいので、いつかどこかで復活してほしいのですけど。






2014年7月17日 8:58
おはようございます。

残念ですね。ついにその日が来たって感じでしょうか。

私も学生時代にSANSUIにあこがれた世代で、今も縁あってLE-8Tを使ってますし、外回りで狭山あたりに行ったときに偶然工場を見かけて、壁面がLE-8Tと同じ装飾で感動しました。

海外では安価なミニコンポ等ですが名前が残っていたので、なんとかなるのかなとも期待してたんですが・・・。
コメントへの返答
2014年8月4日 9:44



 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 記事本文では書き忘れてしまいましたが、山水のアンプに繋がれたスピーカーは、当にこの「LE-8T」でした。
 フェイスの布地は陽に焼けて色褪せていましたが、緻密な木工細工の美しさを子ども心によく覚えています。

 あのスピーカー、どうしちゃったのかなぁ。ネットオークションでは結構いい値段で出ていますので、捨てちゃってたら勿体ない(汗)

 仮に捨ててしまっていたとしても、誰かがレストアして使っているかもしれませんが(笑)



2014年7月17日 9:16
私の家には、まだ、山水のアンプ鎮座しています。

しかし、パイオニアのスピーカーのコーン紙が、ぼろぼろになってから
音は出していません。
パイオニアのHPを見たら、こーん紙のリペアキットが出ていました。

あの頃は、いろいろなメーカーの組み合わせで音を楽しいでいました。
コメントへの返答
2014年8月4日 9:55



 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 長く使ってないと、回転ツマミ式のボリュームコントロールなんかが真っ先にダメになってしまいますね。我が家の山水も、そこが弱点で、ガリガリ音がしたり全く機能しなくなったりして、何度か修理に出しました。

 我が家の組み合わせは……
 アンプ+チューナー+スピーカーは山水
 カセットデッキはビクター
 CDおよびレコードプレーヤーはパイオニア
 でした。

 愛車の修理と併せ、もしお時間が許すようならスピーカーコーンも換えてあげてくださいまし(^O^)
2014年7月17日 21:41
Sansui とうとう逝ってしまいましたね。 我が家では Sansui のプリメインとCDプレーヤーが現役
なのですが、修理ができなくなったということですね。 大事にしてあげないと。
やっぱり、ミニコンポやパーソナル・デジタルオーディオとは、音が違いますから。

コメントへの返答
2014年8月4日 10:02



 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 ↑太郎さんへのご返事にも書きましたが、我が家の山水が壊れた時には、オーディ―コーナーが充実している地元資本の比較的大きい電気店に依頼しました。しかし、その電気店も今は消滅しています。
 
 私が通った高校の放送部の機器メンテナンスもお願いしていたのですが、今はどうしているのかなぁ。



2014年7月17日 23:05
大分前から虫の息だったのは知っていましたが、さすがに寂しいですね。

家と実家には名プリメインだった907シリーズが一台ずつ有ります。確か修理は元社員の人がオークションに出品(というのも妙ですが)していますのでまだ出来ると思います。

大切に使い続けたいものです。
コメントへの返答
2014年8月4日 10:31



 おはようございます。
 ご返事が大幅に遅れ大変失礼しました。

 人一倍音に拘られるであろう未来少年さんも愛用されているのですね。

 ファンの多いブランドですし、現在のアッセンブリ化・ブラックボックス化された機械と異なり、半田鏝一本で直してしまうプロフェッショナルがいらっしゃるのでは……と想像します。

 問題は、そのプロフェッショナルも居なくなってしまった時、ですかね(泪) 



プロフィール

「育児 http://cvw.jp/b/1043160/47663127/
何シテル?   04/18 19:29
 建設業界で禄を食む文系出身(経済学専攻)のプロフェッショナル・エンジニアが、愛車整備・政治経済・文化学術・スポーツそして土木施工の現場で日々記した野帳を公開し...
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